自他のあいまいな境界線

「アスペルガー 恋愛」と検索すると山ほど情報がヒットする。それだけ躓いている人がいるのだろう。

さて、僕は恋愛依存症だと指摘され、自身の中で何が起きているのかを分析することにした。冒頭にあった通り、山ほどヒットする情報を自分用にカスタムして記録する。今回こうして記録を取るために情報をネット・書籍・文献などで収集してそれを自分の場合に当てはめてまとめているけれど、当事者は自分を理解するためにこの作業をすると自身を客観視できてよいのではないかと思う。

情報をたどっていて出てきたキーワードは4つ
1.心の理論
2.情動的共感
3.境界線
4.執着

大きくまとめると、
「特定の物・人に対して強い興味を持つが、自他の境界線があいまいで相手の気持ちを想像する力に欠けるため、自分の気持ちが優先し、視野が著しく狭くなり一人の相手に執着してしまう」


詳しく見ていくと、まずは「共感」についての問題。定型発達では幼少期の時点で他者の心を類推し、理解する能力、すなわち「心の理論」を身に着ける。一方、自閉症者では障害が認められる。アスペルガー障害は一般的に認知的共感が低く、他の人の心を理解するのに苦労し、感情的共感も低い。この点は典型的なアスペルガーの特性として周知されており、また自身でも理解はしていた。


今回、新しい発見だったのは、「境界線」についての問題。フムフム…なるほど!と腑に落ちたところは多い。アスペルガーの特性として「他者と自分の境界線がない/あいまい」が挙げられる。「自分は自分、他人は他人」とよく言われるフレーズだが、わかるようでわからない。ここでどんな関係が?と思っていたら、こういうことらしい。「“自分の考えを周りの人も知っている”と思い込んでいるため、他者から理解されないことが理解できず、怒りが爆発しやすい」とのこと。自分の考え・価値観は他の人間も共通して持っていると思い込んでいるので、それにそぐわない言動に苛つくのである。自分と他者はニアリーイコールな存在というか、僕は小さい頃「自分がもう一人いたらいいのになぁ。そしたら話がスムーズなのに」と思っていたことがあるので、これを知ったときなんだか納得できたのだ。自分の価値観が万人の共通価値観と思っていた!それによって他者との間に境界線を持ってなかった!この歪みが人間関係においても実は相当問題だったのだと今回気づいた。


そして最後に「執着」の問題。これはあるある過ぎるので割愛でもいいのだが、とにかくこだわりが強いので物も人も関係なく、自分の興味のままに突っ走る。そこに相手の気持ちを考えるという「共感性」もなく、自分は普通だと思っているからおかしなことはしてないという「境界線」のなさを発揮。


以上が僕の現在進行形の問題。
依存症がどこに登場しているかというと一番は執着だと思うけれど、執着の根本にはあいまいな境界線が強く影響していると感じた。恋愛をする中で、彼女は自分のことをわかってくれて当然という思いが強かった。それは定型・非定型ともにある想いだと思うけれど、こうして紐解いてみるとアスペルガーの特性により加速したと思われる。
連絡を取れる状況になって甘えが出てきた。2カ月は連絡を断っていたのだが、再開したら何か口実を見つけて連絡をしてしまう。元カノは既読スルーやいいね!だけでなるべく反応しないようにしてくれているので、自分で「あっ、また自己中心な行動しちゃってる」と気付くことはできる。だが、それを制御できていないのは否めない。わかっちゃいるけどやめられない状態だ。恋愛依存克服への道のりは険しい。

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