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もとジャズ研おじさんのつぶやき

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譜面とかが出てこない記事だけ抜粋しています。 「セッションの歩き方」「アドリブのいろんな考え方やコツ」「練習法」「アマチュアジャズマンとしていろいろ考えたこと」などをつぶやいてい… もっと読む
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2023年4月の記事一覧

アドリブソロで注意をはらう要素

身も蓋もない質問です。こんな「大きな命題」は成書を参考にしていただきたいことですが(おすすめは How To ImproviseとJazz Theoryか。巻末参考)…確かにちょっと読み込むには重すぎる。 というわけで、プロでもなんでもないですが、プロにも訊いた僕の最大公約数的な個人的見解を。 アドリブで、我々は何をやっているか。 与えられた場(コード)に対して適切な(時には不適切な)音を出す ソロの、そして曲の起承転結を作る メロディーに意味をもたせる(motiva

ジャズ研一年はこれを見よう

ジャズ研一年生向けの内容です。 アドリブの習得。一朝一夕にはいかないもんです。 いろんなアプローチに触れてみるのが一番いいんじゃないかと思う。 「これさえやれば正解」というのも少ない。 気軽に首突っ込んでかじってみることをおすすめします。 達成すべきゴールと、出来たほうが望ましいことは、こちらに書きました。 理論とか後でいい。 とりあえず、すべての調(キー)でドレミファソラシド吹けるようにはしておきましょう。具体的にはこれ(↓)を。 マイナーは、迷ったらハーモニックマ

「トーナル」から「コーダルへ」

少し前に「トーナル→コーダル→モーダル」という項を書きました。 こうした歴史は一旦脇においてすべての曲をフラットに取り扱い、現在の我々は演奏するわけですが、ここでは「トーナル」が基調のシンプルな音楽からモード直前の「コーダル」までの範囲の曲を考えてみることにします。 アベイラブル・ノート・スケール と思ったことがある人は沢山いるはず。 その考え方はある意味正しい。 この「イドフリミエロ」の「XXXアン」というチャーチ・モードを、すべてメジャーもしくはマイナー・スケールに

高い楽器は必要か

ええとですね、結論です。 「中ぐらいの楽器を買え」です。 この質問って、立場とかすべてのキャリア(楽器始めたばかりの初心者からプロまで)を含んでいるから、答えるのが難しいんです。 私は長年楽器続けていますが、楽器を売る側の業界とあんまり馴染みがないし(廃課金勢ではないから)、楽器のスペックとか、マウスピースがどうとか型番がどうとか、全く興味がないタイプの人間なんです。 ごめんなさい。 そんな私のいうこと。話半分でお聞きください。 楽器のグレード よく「ピンからキリまで

ジャズトロンボーンのベストスリーは?

これは、ジャズトロンボーンに興味がある人向けの原稿です。 まず大前提。ジャズトロンボーン奏者の最高峰は、Jay Jay Johnsonと Curtis Fullerの二人。 これは揺るがしがたい結論である。 では三人目の男は誰か?というとこれが難しい。 (この話、僕20年くらい言ってるなあ…) J.J.とCurtis FullerそもそもJ.J.とFullerの御大二人。 ジャズトロンボーン界の両雄だが、この二人が他のジャズ・ミュージシャンと比べて演奏が傑出していたか。

私たちが楽器がうまくなる理由には2つあってだな(3)

(2)ではコミュニティという環境に依存したモチベーションに触れました。 特に、初学の段階では、そういうコミュニティに守られて、演奏することに慣れ、自信をつけるステップが特に有効だと思います。 コミュニティによるモチベーションの欠点 ただし、コミュニティに依存した向上意欲には当然欠点があります。 「コミュニティによる淘汰圧」は淘汰圧ですから、そのコミュニティの水準以下の能力を押し上げる作用しかありません。 したがって、このモチベーションに頼っている限り、コミュニティに要求

私たちが楽器がうまくなる理由には2つあってだな(2)

(1)ではジャズを続ける動機にはプッシュ型とプル型があると述べました。 実は上達の過程においてもプッシュ型とプル型の二つのモチベーション(向上心)があります。 プッシュ型のモチベーション うまい演奏を聴いて感動する。 「ああいう演奏をしたいな」という動機で音楽に向かう。 上達の動機は、多くの場合感動が根底にあります。 「うまくなりたい」という動機は基本的にはこれだけのはずで、上手くなった人に言わせると「え?他の要素とかあるの?」って感じだと思う。 ただ、現実の僕らは純

私たちが楽器が上手くなる理由には2つあってだな(1)

上達 学生で社会人であれプロであれアマチュアであれ、音楽は続けることで経験を積み、程度の差はあれ、それなりに習熟する。 コンスタントに続けても、不思議なことに上達は均等ではなく比較的不連続なブレークスルーの繰り返し。 RPGのレベルアップの概念はよくできてる。 あれがリアルに近いと思う。 短期間に飛躍する人の謎 そんなに時間を割けるはずもない社会人で、短期間にメキメキ上手くなっている人、たまにいます。 この場合、音楽に没頭しているのは大前提だが「音楽」の時間以外が上達

サブスク時代のジャズ視聴とは(2)

(1)ではジャズのリスナーとしてのありかたを書きました。 (2)では演奏者としてサブスク時代にどう対処すべきか考察します。 プレイヤーとして音源を聴く楽器演奏者、プロアマ問わず、何らかの形で音源を聴いています。 圧倒的にトランスクライブしやすい ジャズの上達にもっとも早道なのは「トランスクライブ」。 音源をトランスクライブ(耳コピー。譜面にとって)して練習する。みんなこれをするわけです。 これは今めっちゃやりやすくなったよね。 CD世代の私は、MDやカセットに落として