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もとジャズ研おじさんのつぶやき

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譜面とかが出てこない記事だけ抜粋しています。 「セッションの歩き方」「アドリブのいろんな考え方やコツ」「練習法」「アマチュアジャズマンとしていろいろ考えたこと」などをつぶやいてい… もっと読む
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#ジャズ理論

譜面をみないこと(3)

コードの「コンテクスト=文脈」を理解しましょうと書いてきました。 昭和のクソ慣行の「譜面を見るなおじさん」も、是非はともかく、譜面を見ないきっかけになるなら、それなりに効用があったはずだ(不快だけどね) では、譜面を見ないで、曲のコード進行をどういう風にとらえているか。 とはいえ、これをどうやってわかりやすく示すか……すごく難しい。 頭の中をかち割ってさらけ出すわけにはいかないし。 なので、覚えているコード進行を、どうやって再現しているか、を示してみます。 実例として、

譜面をみないこと(2)

続きです。 (1)ではコードを丸暗記するのではなく、コードのコンテクスト(文脈)を記憶しましょう、という話をしました。 では、コンテクストってなんやねん、って話です。 ももたろう昔話に「ももたろう」というのがあるじゃないですか。 さすがに21世紀の若者も、ももたろうは知ってるよね? ネットにあるももたろうの昔話を引用してみます。 (知っていると思うので読み飛ばしてもらってかまいません) これ、1000字あります。ながっ! もちろんこの1000字を丸暗記して一字一句間違

譜面をみないこと(1)

ええと、今回の記事はジャズ研換算でいうと、1年生向けではないです。 2年もまだ早いかも。3-4年向けかなあ。 黒本の功罪2023年日本で行われるセッションでは納浩一さんの「Jazz Standard Bible」がほぼスタンダードなテキストとして使用されています。 これには功罪あります。 いいこと メリットは楽曲のコード進行が概ね全国統一されたこと。 黒本以前は「青本 =Jazz Standard Handbook」がデファクトスタンダード。しかしこの本は理論的な整

ジャズ研一年はこれを見よう

ジャズ研一年生向けの内容です。 アドリブの習得。一朝一夕にはいかないもんです。 いろんなアプローチに触れてみるのが一番いいんじゃないかと思う。 「これさえやれば正解」というのも少ない。 気軽に首突っ込んでかじってみることをおすすめします。 達成すべきゴールと、出来たほうが望ましいことは、こちらに書きました。 理論とか後でいい。 とりあえず、すべての調(キー)でドレミファソラシド吹けるようにはしておきましょう。具体的にはこれ(↓)を。 マイナーは、迷ったらハーモニックマ

「トーナル」から「コーダルへ」

少し前に「トーナル→コーダル→モーダル」という項を書きました。 こうした歴史は一旦脇においてすべての曲をフラットに取り扱い、現在の我々は演奏するわけですが、ここでは「トーナル」が基調のシンプルな音楽からモード直前の「コーダル」までの範囲の曲を考えてみることにします。 アベイラブル・ノート・スケール と思ったことがある人は沢山いるはず。 その考え方はある意味正しい。 この「イドフリミエロ」の「XXXアン」というチャーチ・モードを、すべてメジャーもしくはマイナー・スケールに

バップのマインドマップ (3)

話を続けます。 (1)では、バップ的なダイアトニックコードの序列を示しました。 (2)では調性が単一な曲において、バップにおける頻出コードが多く使われていることを示しました。 「ジャズらしい」にはいろいろな要素がありますが、「古典的なモダンジャズ」っぽい演奏ができる人は、このあたりをなんとなくわかっているはずです。 20世紀初頭の商業音楽によってコード進行は発明される補足すると、この「準レギュラー」の3つはバップの専売特許でもありません。 20世紀初頭、アメリカのミュージカ