スエズ運河でのメガコンテナ船座礁事故(続報)

 3月24日東欧時間で午前7時40分、愛媛県今治市の正栄汽船保有、台湾のエバーグリーンがオペレートするメガコンテナ船(20000TEU)がエジプト・スエズ運河で座礁してから、はや4日が経過するが未だ離礁の見通しは立っていない。

 エジプト・スエズ運河庁の話によれば、離礁にはまだまだ時間がかかる見通しとのこと。その離礁へ向けた方策とは?

1  座礁しているメガコンテナ船 エバーギヴンは22万トン級の世界最大のメガコンテナ船であることから、その重量が離礁のネックとなっていることは言うまでもなく当該重量を軽減するための方策として、🔹積荷であるコンテナを下ろす(とりわけ船首付近の600個)🔹 バラスト水と呼ばれる船舶内に貯めている水を抜く(約9000トン)などが検討或いは実施されているが積荷であるコンテナを下ろすにもコンテナ用のクレーンも無い状態でどの様な方法でコンテナを下ろすのか?砂漠地帯の真ん中である座礁地点までトラックが入るのか?という基本的な問題解決方法がクリアできない限り、この方策は「絵に描いた餅」でしかあり得ない。

2 離礁へ向けた物理的牽引として複数のタグボート配置と船首部分の砂利・砂の除去作業が昼夜を通して行われている。スエズ運河庁によれば砂利などの除去作業はすでに完了したとのことなので、あとは強力な牽引力を有する大馬力のタグボートを導入して脱出を試みることとなる。

 今回の座礁事故によって生ずる経済的損失は、1日1兆円(欧州側で5000億円、アジア側で5000億円)とも言われ、1日も早い離礁が待たれる。離礁を待ちきれない船主、荷主からは喜望峰を回るルートを模索する動きもあるが、同ルートには約1週間の日数を要するほかアフリカ東海岸および西海岸で待ち受ける海賊対処が大きなリスクとなってのしかかってくる。加えて、一週間分の燃料も余計にかかることとなり船主等は判断を迫られている。





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