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024.Space-dye vest【YouTubeカヴァー曲探訪】

天使の記した聖マルテンのページを捲ると
心が天国へと引き寄せられる
見知らぬ姿をした人の未来を見た
常闇の死に染まりし愛

おそらく世の中には2種類の人間が居て、一つ目が落ち込んだ時や怒りを感じた時はハッピーな音楽を聴いて気持ちを切り替える人間。二つ目が落ち込んだ時に物凄く暗い曲を、怒りを感じた時には破壊的な曲を聴いて感情と向き合うタイプの人間。ちなみに俺は後者です。

今回はドリームシアターの中でもトップクラスに気持ちが沈んでいる時には聴かない方が良い(僕は沈んでる時に暗い曲聴くの好きですけどね)なんて言われるこの曲のカヴァーを紹介します。

Space-dye vest / Pathfinder Project

まずは一人で全パートを演奏しているパスファインダー・プロジェクトを名乗るBronyさん。オリジナルに忠実なカヴァーでかなり演奏も緻密。ボーカルまでできちゃうのは凄い。

Space-dye vest / Orkester Mandolina Ljubjana

こちらはスロベニアのマンドリンオーケストラの演奏。元からこういう編成で書かれた曲だったんじゃかいかと思うような編曲です。マンドリン、同じ調弦の弦を2セット隣り合わせに張って共鳴させるのが特徴の楽器ですがこれ生で聴くと中々凄いんすよね。学生の頃に明治大学と神奈川大学のマンドリンクラブの演奏を聴きに行った事がありますが「おぉ、すげぇ!」と思った記憶があります。

ちなみにこの曲、当時のキーボーディストであるケヴィン・ムーアが自身の失恋をテーマに書いた曲らしいのですがまぁ歌詞が暗いし重い。ただ、翻訳者が下手糞過ぎてブックレットの和訳が酷い事になってます。(Space dye vestを宇宙染めのベストってなんやねん。センス無さ過ぎて某有名な映画の翻訳家かと思ったわ。)

最初の訳は私が勝手に訳したのですが、ブックレットの和訳では

Falling through pages of Martens on angels
天使のマルテンスのページを通り抜ける

Feeling my heart pull west
私の心が西に引っ張られるのを感じます

I saw the future dressed as a stranger
見知らぬ人に扮した未来を見た

Love in a space-dye vest
宇宙染料ベストの愛

となっています。

天使のマルテンスってなんやねんだし、失恋で傷付いた心が引っ張られる西=天国だろうし、見知らぬ人は彼女と未来連れそう恋人だろうし、そんな元カノの状況を想像してspace dye vestをそのまま宇宙染料のベストって訳すのはマジでセンス無い。

洋楽のブックレットの和訳ってちょいちょいダメなのがあるので、リマスターとかした時にはこういうのも直してほしいなぁという愚痴。(笑)

オリジナルの演奏はこちら。キーボーディストは作曲したケヴィン・ムーアではなく後任のジョーダン・ルーデスです。

Space-dye vest / Dream Theater


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