Climax night

今考えてみたら何を求めて一緒にいたんだろう本当は何も求めてなかった
なんて、
今はもう色々過ぎたことで、これも全部今だから言えることで
それはあの人とのこれからとかこの先とかもう二度とは来ないことを知っているから
それに今はもう一緒の未来を見たいわけじゃないから
それだから、それだけだから言えること

たくさん泣いた
たくさん傷ついて、たくさん傷つけた
でもそんな思い出もだいぶ褪せてごみ箱にとっくの昔に泣きながら入れた写真もアルバムも今頃はもうきっと姿かたちも残してはいない

大学の友達が高校から付き合ってた大好きだった、今でも大好きな彼氏と別れた
横浜から高円寺に引っ越して最近一人暮らしを始めた彼女が夜彼氏と腕を組んで歩き信号待ちに彼氏の頬に軽くキスをするのを、バイト帰りの日付が変わる時間に反対の横断歩道から偶然見かけたことがあった
声はかけなかった
学校で見かける時より何倍も女の子に見えた

彼女が別れた次の日の朝、偶然昔付き合ってた人がバイトで働いてるのをお店のガラス越しで見かけた
もう何も思わない、それくらいもう時間が経ったんだなって気が付いた

お互いに付き合い続けるには一番肝心ななものが欠けてると彼女が言った

ずっと好きでいることは簡単だけど
だけど、信じるのは難しい


彼女から欠けてすり抜けてった寂しさが
彼を大好きだと言った彼女の寂しさが
話してくれた最後まで泣かなかった彼女の
煙草吸ってくるって笑って喫煙所に言った彼女の寂しさが
どうかいつかは時間が癒して少しずつ修復されて心に空いた穴が埋まっていきますように

今夜は彼女が涙を流さずに眠れますように

寂しさが少し落ち着いた時にピザでも食べに行こ
いっぱい愚痴でも未練でも聞くから
そのあとは楽しかったなってよく眠れますように

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