大学4年、年下彼氏との日常ってどんなん

 こんにちは。なんかパソコンが調子悪いです。動きが遅くなったり固まったりは前までもあったんだけど、今日ついに画面が揺れました。収まったからよかったけど、え、まだ買って4年目だよ? 突然のオンライン授業のZOOMとかの負荷に耐えられなくなった? だよね、買ったときはオンライン授業になるなんて思ってなかったからね。

 はのとです。初めまして。



 まあこんな感じで私には1個下の恋人がいるんですけど、一言でどういう人なのか言うと、ザ末っ子、ですね。とにかく可愛い。ただの後輩だったときから可愛くて、「可愛いねえ」なんてうざい絡み方をしていたんですけど、恋人になってからはもう、いや、可愛いメーターが振りきれてどうしようもないです。勝てないです、可愛い部門で。

 なんてことはどうでもよくてさ。


 恋人とは同じ部活で、私は前副部長、彼は現部長。元幹部と現幹部だから必然的に関わることも多かったんですけど、彼は不平不満をあまり人、っていうか人前で言わない人なので、最初の頃は全然心開いてもらえなくて萎えていました。

 ところが今年度に入ってから彼の態度は一変。急に懐いてくれるようになり、夏に晴れて恋人となったわけです。私はいったい彼のことをいつから好きだったんだろうか。付き合う前から彼からの溢れんばかりの好きを受け取り過ぎてほだされた感は否めませんが、今が幸せなのでまあいいでしょう。


 今は、代替わり前最後のイベントに向けての準備期間中です。あ、部活は軽音楽部なんですけど、最後のイベントっていうのが大学の学園祭で、毎年とっても盛り上がります。

 私も経験したので分かるんですが、普段の自分たち主催のライブとは違って、大学の規定の中で大学の指示に従って動かなくてはならない学園祭では、本当に事務作業があほほど多いんです。提出書類の山。事務作業の山。なんかもう、しんどいんですよ。忙しくて。

 だからさ、10月はデートもできないだろうけど、残り1か月頑張ろうね、なんて言ってて。実際10月はもう遊びなんてやってらんないくらい忙しいです。彼だけじゃなくて私も。練習が、バンドを組み過ぎて練習が多すぎる。困っている。でも、贅沢な悩みですよ。好きなことやって忙しいなんて。

 彼は彼で、練習や事務作業で忙しくて、だけど、私のことが大好きなので、欠かさず毎日電話をかけてきます。私は普段あまり電話をしないんですけど、彼からの電話を待つことが、もう既に自分の生活の一部になっていますね。スケジュールに組み込まれている。


 「はのとさーーーん。」って電話越しの声。「眠いなら寝なさい。」そう言うと、「ダメです。この時間が大事なんです。寝ないです。」と眠そうな声。え、可愛くない? 可愛くないですか? うるさい? ごめんなさい。


 毎週木曜日は、彼が唯一授業があって大学に来る日。オンライン主体の彼の学部では、ほとんど対面の授業がありません。私は3つしかない授業全部対面なのに。コノヤロー。

 そして、私も大学に行く日。大学に行く時間が被る日。いや、私が被らせているだけなんだけどね。本当はもうちょっとゆっくりでもいいんだけど、寂しがるから合わせてる。私は私で可愛いか。

 でね、木曜日は、昼過ぎに終わるゼミのあとに部員のたまり場に行って、後輩たちと遊んでから帰ります。だけどね、なんか最近人といることが多かったからか、私は根が陰キャなので、疲れちゃって、そこに行くモチベがあんまり上がらないんですよ。後輩は大好きだし会いたいのに、疲れるな~~って思って。いや体力。気力?

 でも、そこに行かないと恋人もいないし、早く帰るのもなんかなと思って。


 そして私は先日、ひらめきました。でも、最初に言いますね。私、人を誘うの苦手です。なんなら、自分から電話かけるのも苦手です。今大丈夫かな、何かしてたら邪魔しちゃうな、とか余計なこと考えて。でさ、その日もまあいつも通りな感じで恋人から電話かかってきてね。

 練習帰りだったの。エフェクター持ち帰るの重くて大変だって話をしてて、家に着くまでが電話のリミットだとそのときは思っていたので、私は早く言おう早く言おうって思いながらも、結局「あと30mくらいで着きます」ってとこまで何も言えなくて。

 で、ついに口を開きます。「明日なんだけどさ。」私が言うと、「はい。」って返ってくる。あーやっぱこういう何か言わなきゃいけないときってさ、最初の1フレーズを口にしちゃえばあとはこっちのもんだよね。付き合うときもそうだった。「〇〇ってさ」のフレーズさえ出てしまえば、「私のこと好きなの?」が出るのも簡単だった。

 「私の授業が終わるまで待てたらなんだけど、お昼食べに行かない?」緊張を隠しながらそう言うと、彼は「え、はのとさんから誘ってくれた、え、行きます全然待ちます。」と何か信じられないものでも見たかのような声色で答えました。

 あのね、答えは分かってたよ。分かってた。断られるなんて思ってないし、断られたとしても理由があるのは分かってる。だけどさ、なんか、言えないんだよね。だから自分から誘うのできなくて、その結果、恋人に驚かれるという始末。なさけねー。


 でさ、実際に会って「今日はご飯のために来ました」とか張り切っちゃってるし。可愛いな。

 私の授業が終わって、並んで大学を出る。そういえば、2人きりになるのって久しぶりだなって思う。2人で並んで歩くなんて、久しぶりだな。部活以外で会えてなかったから仕方ないけど。そう思って歩いていると、「今日なんで誘ってくれたんですか?」って。

 最初は照れ隠しに「なんでだろうねえ。」なんて返したんですけど、こういうときこそちゃんと伝えなきゃいけないって私の中の天使がうるさくアラートしてくるんで、付け足しました。「ゆっくりでかける時間もないしね。」

 「あーー!! そういうとこ!!」どういうとこ???? 喜んでくれていることは伝わりましたが、その独特の喜びの表現に、私の理解は少しだけ置いていかれました。「いや、どういうとこ。」私の問いは完全に無視されて。「そういうとこ!!」いや具体的にくれ。可愛いからいいけど。


 久しぶりに2人きりになって、大学の近くのご飯やさんに入る。向かい合って座って、喋りながらメニューを広げる。そんな当たり前のことすら、私にとっては全然当たり前じゃなくて。一秒も無駄にしたくなくて、一瞬も忘れたくなくて、メニューを見つめて迷う彼をじっと見つめる私。

 「なんですか?」ふと視線に気づいた彼が顔を上げると、私は「ううん。」と言いつつ視線は外しません。彼は恥ずかしそうに「あんま見泣いてください」って言うものだから、私の視線はやっぱり外れない。


 何もない日がさ、結局1番大事にしなきゃいけない、1番大切な日になるんだよね。遠くにでかけたり、そういうのも大事な時間だけど、隙間を縫ってご飯食べに行くとか、同じ大学に通っている今しかできないこと。そう思うと、やっぱ学生時代って儚いですねえ。

 そろそろ忙しさも一段落します。最後の1週間が結構きついけど、精神的に耐えよう。彼は限界そう。私に会えなくて。そんなところさえ愛おしく思えてしまうのだから、私も相当ですね。


 今日も電話を待ちながら部活の練習をするよ。

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