暇と退屈

暇と退屈って、難しいテーマだなぁ。
みんなは「暇だな〜」とか「退屈だな〜つまんないな〜」って思うこと、ある?
ちょっと私の体験を話すとね、私は昔から暇だなーって思うことはあんまりなかった。
すごく忙しいってわけじゃないんだよ。
むしろ、人と比べてすごくたくさん寝てたり、ぼーっとしていたり、マンガばかり読んでいたり。たぶんすごく”暇なひと”だし"退屈そう"に見えていたと思う。
でも本当は頭の中がいつもすごくうるさかった。
なんだかたくさんの言葉が頭の中にあって、いつも余裕がなかった。
「なんで生きてるんだろう」「あれもこれも、やらなきゃ」「ちゃんとしないと・・・」「頑張らないと」
「これからどうなるんだろう」「いやもう無理だし」「なんで私はこうなんだろう」
こんな言葉がいつも頭の中にあった。
中学校でいじめを経験してから頭の中のひとりごとはもっとひどくなって、どんどん追い詰められていった。
楽しいことをしていてもふとした時に「あ、死にたいな」と口にしていた。
そんな時に周りの大人たちに「暇でしょ?」「暇なんだから・・・」「暇でいいね〜」と決めつけられたりして。
いや、こちとら、めっちゃ必死なんですけど!暇じゃないし!と思っていた。
もやもやした不安や後ろから追いかけてくるような焦燥感が辛くて苦しくて、説明してもわかってもらえなくて悔しくてたくさん泣いていた。
だから「暇」ってなんだかよくないことのように思っていたんだよね。
それから大人になってうつ病で働いていた会社を辞めて、家からどころか布団からも出られなくなった。
「あ〜終わった。もうどうでもいい」と思って、カーテンを締め切った部屋で丸まって寝る、まるでゾンビみたいな生活。
ひたすら寝て、頭の中のおしゃべりに悶々として、そういう時間をたくさん過ごして、、

家に誰もいなくなったら、布団から這い出てぼんやり空を眺めるのが日課になった頃。
ふと「なんか・・・暇だな・・・」と思っている自分がいた。
たくさん休んだから心と身体に余裕ができたんだと思う。
自分はいま暇だと思ってるんだな、これが暇か。いいじゃん。
それから自分だけの「暇な時間」をたくさん過ごした。
ただ空を眺めたり、窓際で日光浴をしたり、好きなお茶を飲んだり。
好きなだけ寝て、ひたすらネット小説を読んで。
「こんなことしてていいのか・・・?」って気持ちがわいてきたけど、「いいんだよ!」って
いってくれる本やマンガやユーチューバーさんの言葉をお守りにしてひたすら暇な時間を過ごした。
そうやって家の中で暇な時間を過ごしていたら、だんだん「退屈」がやってきた。
暇な時間に慣れて、飽きてきた。ちょっと変化が欲しくなって、ちょっとだけ外に出てみたりした。
そうしてちょっとずつを繰り返して、いつの間にか元気に外を飛び回って遊べるようになってきて。
いろんな人とご縁がつながって、「終わった」と思った人生を続けている。
暇と退屈は私に、気持ちや考えをゆっくり整理する余裕や半歩、歩き出す力をくれた。
いまは暇な時間が大好きになった。
これを読んでくれてる人のなかに暇や退屈を感じている人がいたら、ぜひあなたの暇と退屈な時間を味わい尽くしてほしいと思う。
昔の私のように暇なんて感じない、あるいは忙しいから暇なんてないよ、そんな人はよかったら一日5分だけでも暇な時間をつくってみてほしい。
そしてどうか、周りにいる「一見、暇そうな人」を見守る人たちは「暇だから、だめ」とか「怠けてる、無駄だ」とか決めつけないでほしい。
きっとその時間はその人にとっては必要な時間だと思うから。
それではみんな、よい暇と退屈を!

ななお

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?