★今日の問題★

Aは、Bに対して、金員を貸し付けたが、その際、Bがこの金員を賭博の用に供することを承知していた。
この場合でも、Aは、Bの死後、その相続人であるCに対して、貸し付けた金員の返還を求めることができる。正しいか?

胡桃「10秒で答えてね。よーいどん!」

建太郎「おう」

1秒

2秒

3秒

4秒

5秒

6秒

7秒

8秒

9秒

10秒

胡桃「10秒経過。どうかしら?」
建太郎「ええっと。これも公序良俗の問題なのか」

民法
(公序良俗)
第九十条 公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。

胡桃「そうよ。Aは、Bがこの金員を賭博の用に供することを承知しながら、貸していたわけね」
建太郎「すると、AがBにお金を貸したことは、公序良俗に反すると」
胡桃「この場合、Aは、Bまたはその相続人であるCに対して、貸し付けた金員の返還を求めることができるのか? 」
建太郎「ええっと。公序良俗に反してお金を貸しても、その貸付は、不法原因給付になるんだっけ? 」
胡桃「そうね」

民法
(不法原因給付)
第七百八条 不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。

建太郎「すると、Aは、Bまたはその相続人であるCに対して、貸し付けた金員の返還を求めることができないと」
胡桃「正解よ。判例も次のように述べているわ」

Aは、Bに対し、本件金員が賭博の用に供されるものであることを知りながら、これを貸与したものであるというのであるから、本件消費貸借契約は公序良俗に反し無効であることが明らかである。したがつて、AはBの相続人であるCに対し貸金の返還を請求することはできない。(最判昭和47年4月25日)

建太郎「うん。設問は間違いということだな」

※問題は、ノベル時代社の判例六法 丸暗記100問ドリルシリーズを利用しています。下記サイトから入手できます。

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