深夜ラジオの話

 オードリーのオールナイトニッポンin武道館をライブビューイングしてきた。興奮冷めやまぬ夜。そのまま電気を点けたまま寝てしまって朝。まだ興奮している。

 一人で真夜中、布団の中で聞いていたラジオ。隣にいる両親の寝室に聞こえないように笑いをこらえながら聞いていたラジオ。友達も誰もいない高校生の時聞いていたラジオを二万二千人が一緒に聞いていて、笑っていることを目の当たりにしてしまったら、泣いてしまう。

 中高生の頃は、人生で一番暗かった。そんな時に出会ったものは今でも大切なものが多い。その中でもラジオはどれだけ寄り添ってくれたことか。家では母親がよくJ-WAVEを聞いていた。小学生、家に帰るとGROOVE LINEが流れていて、ピストン西沢と秀島史香のかけあいが面白かった。でもそこまではまっていなかった。みんなで聞けるものだったからだ。

 中学生、aikoにはまった。今でも一番好きだし、一生ついていこうと思っている人だ。そんなaikoがオールナイトニッポンをやっていたのは知っていた。それが復活するらしい。オールナイトニッポン四十周年記念40時間スペシャル。二時間ずつ伝説のパーソナリティーがつないでいく40時間。タモリ、たけし、ウンナン、ユーミン、鶴光、拓郎、etc.
 そんな中、aikoは実質トリだった。びっくりした。
 (実際はシークレットで、大トリが飯田浩司だった。(オードリーann好きならわかるだろう。))

 それでイヤホン付けてラジオを聞いた。40時間全部は聞けなかったけど、聞ける限り聞いた。aikoはびっくりするくらい面白かった。aikoの時間は深夜一時から三時、だからやっぱり布団の中で声を潜めて聞いていた。その二日後、火曜日深夜一時から三時、スペシャルでもない通常放送。ラジオから流れてきたのはくりぃむしちゅー。腹がちぎれるかと思った。本当に。こんなに笑ったのははじめてだった。次の週も聞いた。面白すぎて死ぬかと思った。次の週も聞いた。何を言ってるのかわからないことばかりだった。でも面白すぎて腹がちぎれた。僕は深夜ラジオのとりこになっていた。

 でも一年も経たずにくりぃむしちゅーのオールナイトニッポンが終了してしまう。絶望した。ずっと天井を見つめていた。あんな面白いラジオがなくなってしまう。今度は違う意味で死ぬかと思った。
 でもべしゃりブリンが死ぬほど面白かったので助かった。バナナマンもケンコバもおぎやはぎも伊集院も最高だった。お笑いだけじゃなくて、J-WAVEの25という番組もすごく面白かった。福山雅治も面白かった。

 それでオードリーが始まった。やっぱりめっちゃ面白かった。
 しばらくしてべしゃりブリンが終わった。つらかった。
 でも不毛な議論も面白かった。「宮崎あおいを可愛くする」が好きだった。

 震災が起きた。どこよりも早くロケットマン(ふかわりょう)が深夜ラジオでお笑いを流した。感動した。今調べたら震災の次の日だった。なんという英断だろう。やさしかった。JUNKは一週間自粛、短いコメントだけ放送された。それぞれなりのお笑いだった。オードリーが漫才をした。みんな面白かった。

 大学に入って、楽しいことがいっぱいあった。友達もできた。オールで遊ぶことも増えた。だんだんラジオを聞かなくなった。
 ちょうどその頃、アルピーが伝説を作っていた。後から知ってくやしくなった。

 大学を卒業して、またラジオを聞くことが増えた。三四郎でネタメールが読まれてめちゃくちゃ嬉しかった。オードリーは昔聞いてた頃よりも、ずっとおじさんになっていて、ずっと面白くなっていた。いろんなラジオが終わったり、始まったりした。その度に一喜一憂した。

 この前、TBSのラジフェスに行った。すごい数のお客さんがいた。胸が熱くなった。

 そして武道館。若林が言っていた。「オレたち、内輪ウケを本気でやりに来ていますから。」って。二万二千人の内輪なんて、輪がでかすぎるぜ。輪に入れてくれてありがとう。岡田の話、はじめて映像で見る復ビン、春日より上か下か論争、親父のお隠れイジり、いつもの放送。いつ聞いてもおんなじような悪ふざけ。いつものようなフリートーク。でも気合の入った作品。「抱けないと海老名は越えられない。」チェ・ヒロシのコーナー、狙ってる女のサプライズ登場。ショーパブコーナー、バー秀だけが軽くスベってたのも面白かった。松本明子のキス。シークレットゲストの梅沢富美男。シークレットなのによりシークレットな狙ってる女に食われる梅沢。ケツバット。死んやめ、武道館に響き渡る下ネタ。
 ライブビューイングで笑いづらいかなって思ってたけど、めっちゃ笑った。笑いながら時々泣いていた。笑いすぎて泣いてるのかはよくわからなかった。漫才も総集編的な構成なのかと思いきや、攻めたゴリゴリの新ネタ。最高だった。漫才が終わると自然と拍手が起こった。ライブビューイングで、拍手が起こった。
 そのあと友達から飲みの誘いがあった。大学時代の友達。オードリーのラジオを知らない友達。僕は一人で中華料理屋に行って餃子とビールを呑みながら、番組本を読んだ。一人で余韻に浸った。その後しっかり友達には会って、カラオケして帰った。いっつも終電逃して遊ぶのに、しっかり帰った。今日のオードリーのANNを聞くためだ。

 今のお気に入りは、根本宗子と長井短のANN zero、ハライチのターン、三四郎のANN zero、オードリーのANN etc.

 でも「根本宗子と長井短」は終わってしまう。こんな悲しいことはない。くやしい。どうにかしてほしい。別々でもいいから二人の声が聞きたい。止まらなくなる愚痴が聞きたい。変なところをもっと知りたい。ゲストが偽者とか、オープニングを最後に流すとか、よくわからない悪ふざけをずっとしていて欲しい。

 「よくわからない悪ふざけ」を深夜のよくわからない時間に流していることが何と尊いことか。何と素晴らしいことか。

 なんだかとっ散らかったよくわからない文章になってしまった。気持ち悪いかもしれない。深夜ラジオを聞いてない人からしたら、よくわからない文章だし、聞いている人からしたら、そんなの知ってるよっていうような話だ。でもそれも「深夜ラジオの話」らしいかもしれない。

 諸々含めて、
 「楽しかった・・・よね。」「ありがとな。」

サポート頂けると励みになります。