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「子どもが赤ちゃんだった頃の記憶が飛んでいる話」 byとけいまわり

夫の周りに子どもたちが集まって笑っている。「あ〜!これは末っ子ちゃん!末っ子ちゃんだよ!」とか言ってるので、赤ちゃんの頃の写真を見てるんだろう。

うちの3姉妹は、長女と末っ子がほとんど同じ顔で生まれてきたので、顔写真判定アプリが時々長女と末っ子を見間違て自動登録してしまうのだ。

「あ〜、可笑しい〜!私覚えてる〜、これ!私が次女ちゃんにぬいぐるみ食べさせようとしてるとこ〜!!」って皆がワッと笑って、私がその写真を覗き込む。

皆笑ってるのに、私は泣きそうになる。覚えてない…覚えてないのだ…

次女が赤ちゃんの頃の記憶が少し残ってる。でもそれはとても断片的で、写真を見たら「ああ…」と思うぐらいだ。その記憶も、写真だけの記憶で、実際に次女を抱っこした実感のある記憶が薄い…脳に残ってない、覚えてないのだ…

次女が赤ちゃんの頃、夫は長期出張で月の半分はいなかった。夫の転職に合わせて関西から関東に引っ越しし、0歳児の次女を抱えて保育園と自分の転職先を探した。転職先には、度々、保育園から次女が熱を出したとの電話がかかってきた。

私は限界になって、笑いながら壁に頭をごんごんと打ち付けた。自分に痛みが走ると少し安心した。その辺りの期間を覚えていないのだ。

ずっと、心の奥に隠してた辛い気持ち。次女が赤ちゃんの頃の写真を見ると張り裂けそうになる。夫に、その事を告げた。

夫は謝ってくれた。あなたが「大丈夫」と言うから大丈夫なんだと勘違いしてた。僕は本当に、人の気持ちを察する事ができない人間で…過去の事をやり直すことはできないけど、これからできるだけの事をするから、何でも話して。

今は、夫と二人三脚で家事育児ができている。でも、子どもが小さい頃の記憶が無いのが何とも悲しい。だから私は、明日にでも忘れてしまいそうな日常をツイートしてる。脳に楽しい日々をたくさん詰め込んでおきたいから。





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