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「小さい頃にかかった病気の跡と長女の話」 byとけいまわり

長女と一緒にお風呂に入っていたら、胸に小さい頃病気にかかった跡が残っているのに目がいった。長女が私の目線に気がついて、「ああ、この跡ね」というので、私はちょっと焦って「大丈夫だよ、たぶんこれから薄くなるから」と返した。

長女「大丈夫…?薄くなる?」

私「そうそう、大人になっていくと、段々目立たなくなると思うよ」

長女「消えるの?これ」

私「うん、たぶん薄くなっていくと思うよ」

長女「そう。これ、『あ、小さいときのやつだ〜』って愛着あったんだよね。なくなっちゃうのか」

やってしまった…。長女は病気の跡を全く嫌なものと思っていなかったのに、私が悪いものと決めつけて、それを「大丈夫、薄くなるから」と、とどめの一手を刺したのだ。

でも、長女は私がその跡が消えるといいなと思っていようが、どう思おうが関係ないようであった。「私は、まあまあ気に入っているのだ」と。

長女は自分の体の全てと、自分の性格に愛着があって、ちょっとたるっとしているお腹も、ぷにぷにとつまんで「ああ、柔らかくてもちもちと美味しそうなお腹…」と時々遊んだりするのだ。

長女「私ね、自分の事、結構お気に入りなんだ。毎日平和で、フワフワしてて〜」

私「それは素敵…。自分がお気に入りだなんて、これから人生ずっと楽しめるよ。いいなあ〜、自分がお気に入りって、最高の到達地点なんじゃない?」

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