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スティーブン・ユニバース・フューチャー 備忘録・感想(後編)

前回(↓)の続き、今回は15話から20話までの備忘録・感想と、簡潔なシリーズ総括です。

・15話 ミスター・ユニバース
自分の存在に悩むスティーブンに、グレッグは自分も同じ年頃には「自分が誰か分からず、夢もなかった」と語ります。そして、旅がすべてを変えたのだと。
早速自分探しの旅に出てみる2人。道中、グレッグの実家(デマヨ家)に忍び込み、グレッグの運命を変えたCDを持ち出します。
久々に聴くCDに感極まるグレッグに対して、スティーブンは特に感銘を受ける様子はなく、父が捨てた普通の生活に憧れ、自分の特殊な生い立ちに怒りを爆発させます

→今までずっとパパと仲良しだったスティーブンが…という気持ちで見ていて辛い回。車をクラッシュさせるほどの感情の激しさに胸が詰まります。
→対してグレッグは、スティーブンに激昂されても「お前はすごい、俺は自分の父に何も言えなかった」と称賛するぶれなさっぷり。そして、アイスを好きなだけ食べようというご機嫌とり?も変わらず…。ここのグレッグは、スティーブンのことをわかっていると言いながら、スティーブンの本当の悩みに対応しているのではなく、「自分は子どもの頃に本当はこうしたかったんだ! こうしたら上手くいったんだ!」ということをただ与えているように思えてしまいます。
→親の育て方や自分の出自への怒りや不満、人生の方向性が定められない不安や葛藤、思春期に持て余したエネルギーの暴発、と自分の人生にも思い当たる部分があって、見ていて辛いです。今までずっといいパパだと思っていたグレッグに対しても、ちょっと自由すぎるのでは…?と思ってしまいます。

16話 破片
家を出てジャスパーのもとに身を寄せ、ともに特訓するスティーブン。ピンクダイヤモンドの力を戦闘面でメキメキと伸ばしていき、再度決闘した結果、ジャスパーの宝石を破壊してしまいます。
全力で願いながらジャスパーを復活させ、赦しを乞うと、彼女は負けを認めスティーブンへの忠誠を誓うのでした。
→ラストシーン、ジャスパーとの関係性まで変わってしまい、曇るスティーブンの表情が刺さります。
→SUFで一気にジャスパーも好きになりました…。

17話 再び故郷の星へ
自分を救うことができるのは同じダイヤモンドたちだけ、とスティーブンは故郷の星へ向かいます。帝国は第三期を迎え様変わり、民主制(弁護士だったジルコンたちが立候補している)になっています。
イエローダイヤモンドは傷ついたジェムの復活や身体の変形、ブルーは喜びの感情をもたらす雲の作成、ホワイトはカウンセリング?と、今までとは違ったやり方で力を尽くしていますが、どれもスティーブンの悩みを根本的に解決するものではありません。
それどころか、ホワイトに憑依したスティーブンは復讐のチャンスとして彼女を傷つけようとすらしてしまいます。自分に恐れをなし逃げ出す途中、同じく復讐心を抱いていたはずのスピネルに解決法を聞くも、スティーブンに出逢ったからと回答され、どうにもできなくなってしまいます。
→映画以来のスピネルの登場。映画ラストは、ピンクダイヤモンドの代わりとして猫可愛がりする気満々のダイヤモンドたちに連れられていくスピネルが若干心配になりましたが、うまい関係を築いているようです。

18話 大丈夫
地球に戻ったものの、スティーブンはピンク色に光り膨れたまま治らなくなってしまいます。ついには瞳までピンクダイヤモンドのものに…。
学校の仕事に復帰することを決め、「人助けこそが自分の使命」と色々と奔走しますが、完全に空回り。力を制御できず周囲を破壊してしまいます。
「僕が悪いヤツだってことみんなは分かってない、分別のある大人だと思い込んでる。でも違う、僕は何も学んでこなかった。トラウマになっただけ、僕は天使なんかじゃない、詐欺師だ。モンスターだ」と語り、姿を変えてしまいます。
→本編の「128話 僕はママ(I Am My Mom)」と責任を背負いこむのも苦しかったですが、今回の自分は詐欺師だ、モンスターだ(I Am My Monster)。も辛いです…。きっと誰しも思春期に自分の存在に悩むことがあるとは思うのですが、複雑な生い立ちや強大な力を持っているゆえに自我を保てないスティーブンには涙が止まりませんでした。まさかOPに登場する敵の中にスティーブンが入っているとは、8話くらいまでの雰囲気では全く察知できませんでした。

19話 モンスター

恐竜のような姿のモンスターになってしまったスティーブンには、クリスタルジェムズとグレッグの呼びかけは届きません。街を守るため、ペリドット、ラピス、ビスマスの力も借り、なんとか動きを抑えることには成功しますが、スティーブンの忘れ物を届けにきたスピネルとダイヤモンドたちの力をもってしても彼を元の姿に戻すことはできませんでした。
クラスターが何とか取り押さえるなか、スティーブンを助けられず、傷つけた自分たちを責める面々。コニーはそんなジェムたちを叱咤し、「スティーブンはいつも自分より人の気持ちを大切にしてくれる、でも今は彼が私たちに同じことを求めてるんだよ。私たちにはスティーブンがいたけど、彼にはスティーブンがいなかった。常に支えてくれた彼のためにできることがあるはず」と鼓舞します。
続くガーネットの「It’s time to show Steven some love」がかっこいい。みんなで力を合わせてスティーブンを抱きしめ、それぞれの思いを伝えます。

20話 旅立ち

19話から数ヶ月後、家を出る計画を立てたスティーブン。父グレッグとコニー、街のみんなには話していますが、一緒に住むクリスタルジェムズにはまだ伝えられていません。
勇気を出して手作りのクッキーキャットを振る舞いながら、明日家を出た後に国中を周り、住む場所を決める計画を話しますが、あっさりと受け入れられます。
対照的に、ビスマス、ラピス、ペリドットは動揺しきり、餞別の品を渡すと、涙で別れを惜しまれます(ラピスの「どこへいっても自分からは逃げられないのよ」という言葉が重いです)。
ジャスパーですら別れに動揺を見せているのに、クリスタルジェムズは悲しくないのかと、アメジストにはテレビゲーム、パールにはウクレレ、ガーネットには結婚式の手引書を贈りますが、冷静に巣立ちを応援され、逆にスティーブンの方が悲しくなってしまうのでした。
翌日、最後まであっさりした別れに、スティーブンが車を引き返して「みんな寂しくないわけ?」と問い詰めると、我慢の限界を迎え泣き出すジェムたち。
ガーネットは「私たちの涙でお前を引き止める未来が見えたから」と強がっていたわけを話し、スティーブンの前には様々な未来があるが「どの道を行っても必要な時は私たちが駆けつける」と約束します。
今度こそ、旅立ちのとき。ビッグドーナツの前で待ってくれていた街の人たち、そこに加わらずとも地球での暮らしを満喫するジェムやカボチャ(など)を横目に、スティーブンはビーチシティを出発するのでした。

→本編1話のクッキーキャットの歌がここで登場するとは…とシリーズ全体を振り返って感慨深くなりました。


〈シリーズ総括〉

SUシリーズは、「人は(ジェムも)変われるし、自分を肯定して生きていければそれだけで大丈夫だよ」というメッセージを私にくれた作品です。正直もういい大人なのに、どう生きていけばいいのか全然わからないし、自分に自信がなくて、思春期の拗れた感じが燻っているような感覚があります。でも素晴らしい作品に出会えた時だけは、胸の奥に温かい光が灯ったような嬉しさと安心感に満たされることがあって、そのために生きているし、それを大事にしていくことが私の人生なのかもしれません。
SUに出会えてよかったです。吹き替え版の続きも待ってるよ!!!

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