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久宝寺緑地を管理 株式会社美交工業 福田久美子さん~ハッピーアースデイ大阪10周年企画~

ハッピーアースデイ大阪は今年度で10周年!

ということで、この機会に、ハッピーアースデイ大阪がどのようにできたのか、どんな想いで続いているのかを歴代のメンバーの方たちに聞いてみることにしました。

インタビュー企画ラストを締めくくるのは、ハッピーアースデイ大阪の立ち上げメンバーの1人であり、ハッピーアースデイ大阪の会場である久宝寺緑地を管理する“福田久美子さん”をインタビューしました!

福田久美子さん

株式会社美交工業 専務取締役
2010年から久宝寺緑地の指定管理者として、ハッピーアースデイ大阪のサポートをいただいている

1.ハッピーアースデイ大阪の始まりと思い出

アースデイに出会ったきっかけは何ですか?

最初アースデイの事はあまり知らなかったけど、言葉だけは知っていました。
2010年に久宝寺緑地の指定管理者になって、その久宝寺緑地で新しいことをしたいと思っていました。それまでは住吉公園の指定管理者を2006年からやっていて、アースデイにちなんだイベントができないかなと考えていました。そんなときに中村さんに出会いました。中村さんは以前、住吉公園に二度ほど来てくれたことがあって、たまたま彼のアルバイト先で再会しました。当時の久宝寺緑地の藤本所長とも話して、「一度動いてみましょうか」ということになり、中村さんがアースデイ神戸の主催者である水井さんとつながり、ハッピーアースデイ大阪が始まりました。

(右)ハッピーアースデイ大阪初代実行委員長 水井裕さん
(左)ハッピーアースデイ大阪2代目実行委員長 中村満さん

最初はハッピーアースデイ大阪のプレイベントとして『ハッピーアースマーケット』を2010年の秋に行いました。当日は天気もよくなくて、認知度が低かったこともあり、人が少なかったです。でも、そこで学生たちが頑張っている姿を見て応援したくなりました。その後、中村さん、水井さん、藤本所長と相談して、その次の実行委員会から私もオブザーバーとして入るようになりました。

そうやってハッピーアースデイ大阪は始まったんですね。

そのときから、水井さんの想いでも、中村さんの想いでもある「学生主体でやっていきたい」ということを大切にしながら、社会人が学生をサポートしていく形で進められました。私は管理者としてできることとして、共催でやることと、イベントののぼりを作ることからはじめました。

アースデイでの一番の思い出はありますか?

年ごとにテーマや、会場のデコレーション、そのときどきの実行委員の個性が光るし、どの年もよかったと思います。その中でも特に、最初のハッピーアースデイ大阪が一番印象に残っています。
第一回目のハッピーアースデイはアースマーケットの翌年の春、東日本大震災と同じ月の開催でした。世間では「大規模イベントは自粛しよう」となっている状況でした。でも、ハッピーアースデイ大阪は実行することに。
ハッピーアースデイ大阪は『環境』っていう大きなキーワードはあるけど、それだけでなく『人権』や『平和』、『防災』など、色々なテーマごとに学生みんなで考えて、来ていただく方に啓発していくという明確な趣旨がありました。また、開催地の久宝寺緑地が防災公園であることが、自粛の最中にでも開催することができた大きな要因だったと思います。

震災があったということでそれにちなんだ内容も取り入れたんですか?

被災地出身のアーティスト“日食なつこ”さんをお招きしたり、被災された当事者の人を交えてディスカッションをしたりしていましたね。

2.10年間ハッピーアースデイ大阪を見て感じること

10周年と聞いて思うことはありますか?

長いようですごく短かった10年ですね。
先ほどお話ししたように、うちの会社が久宝寺緑地の指定管理者になってから、生まれたハッピーアースデイ大阪なので、一緒に育っていってる感じがあります。
だから、ハッピーアースデイ大阪が歴史を刻んでいくように、私たちも久宝寺緑地の管理者として歴史を刻んでいるので、そういう意味では一緒に成長させてもらっています。

今の実行委員の学生を見てどう思いますか?

いつも、初めて顔合わせる人たちがたくさんいるんですよね。年々、人数が多くなっているのでパワーがありますよね。こんなに「何かをしたい」って思い、行動する学生さんたちがたくさんいることが、すごいと思う。
私が深く関わっていた何年かは、ほとんどが近大の学生さんばかりだったので、「これからいろんな大学の学生さんが関わってくれたらいいね」ってよく話してました。しばらく実行委員会から足が遠のいていたら、いつのまにか新しい顔ぶれがいっぱい。久宝寺緑地で見かけても、「実行委員の学生さんかな?」と思うことあるけど、お互い顔がわからないんですよね笑。若いパワーを感じてます。

今の学生に期待することはありますか?

これまでと全く同じことをするわけではないけど、当初から引き継がれてきたハッピーアースデイ大阪の価値観のようなものが、今もしっかりと受け継がれていると思います。それをずっと次のまた未来につなげていってほしいと思います。
きっと今もそうだと思うけど、当時も泣いたり、「どうすることもできない」って悩む子がいたり、そういう子たちが実行委員会の活動を通じて成長していくのがすごいことなので、これからもぜひ、受け継いで行ってくれたらと思います。そこで個性やオリジナリティを出していってくれたらいいと思います。公園を自己実現の場として、活用いただけたら嬉しいです。
ハッピーアースデイ大阪らしさは、学生さんが主体っていうのが何よりも大きいと思います。それと社会人のサポートがすごいと思う。学生さん達が頑張れる環境を作れる社会人。
学生さんだけだったら心折れそうな時もあると思うけど、そこを社会人がしっかりとサポートする、それが素晴らしい。

確かに社会人がサポートしてくれることで安心感はあります。

とくに「育てている」感覚は社会人にはないと思うけど、サポートの仕方が上手いなって、いつも思います。
すごい勉強になります。学生さんたちが色々やろうと思ってるときに、「それはだめ」とか先に言われると、だんだん意見も出来なくなると思う。そうじゃなくて、学生さんが自分たちで考えて、考えて、結論を出すまで「待つ」ことが出来るっていうのがすごいです。人を育てるのにとても大切なことだと思います。相手を信じること。うちの会社でもなかなかできてないですね。

それでもだめな時は言ってくれますが、学生のことを思ってくれているのは感じます。

すごい関係性ですよね。卒業して社会人になっても、当日ボランティアとして来てくれる人もいるし、世代を越えて、ある一定の距離感をとりながら、ハッピーアースデイ大阪を軸にしてすごいつながりが出来ている。あくまでもボランティアだから拘束されないけど、それでもみんな、自分たちの役割を担って、責任を持ってやっているし、そうでないと1つのイベントは完成しないと思いますね。

3.未来について

数10年後の地球はどうなっていると思いますか?

今かなり危ないですよね。危機感を持っています。特にプラスチックとかは真面目に考えないと。地球温暖化も進んでるし。公園は植物を扱う仕事が多いから、植物を見ているとよくわかります。
久宝寺緑地にはシャクヤク園っていう特殊庭園があるんですけど、そのシャクヤク園は、開花時期だけオープンするんですね。一年の内に3週間ぐらいしか開園しないんですよ。毎年、開園時期を決めないといけないんですけど、最近は毎年のように開園時期がずれ込むんです。花の一番の見頃の時期も毎年違う。一時的な変動だったらいいんだけど、そうじゃない怖さを感じます。
それと2018年に経験した台風21号では、久宝寺緑地では500本もの木が倒れたり、伐採しないといけなくなって、ジャングルみたいになってしまいました。あの時は悲しすぎて言葉が出なかったです。当時は「想定外だった」って言ってたけど、全国各地でこれだけ災害が頻繁に起こるようになって、これからは想定外とは言えなくなってくる。そういう意味でも怖いですね。そのためにも一人ひとりが意識を持って行動しないといけないんですね。

ハッピーアースデイ大阪の未来はどうなってほしいですか?

最初の立ち上げに関わった人達とか、みんなの先輩達とか、色々な人の気持ちを受け止めて、自分たちのハッピーアースデイ大阪を作ってくれればいいかなと思っています。それが次世代へとつないでいくものだから。みんなも今までは育てられる立場だったけど、育てる立場に変わっていくでしょ?そこをちゃんと受け継いで、引き継いでいってほしいです。
いまの学生さんたちは、色々な所で『まちづくり』などの活動をしていますよね。それがまたすごいと思う。いろんな場所で、地域で、色々な人とつながって、ハッピーアースデイ大阪にもつながっていく、そういう意味では本当にすごい役割だと思うし、それを次につなげて、バトンタッチしていってくれたらと思います。

最後に一言お願いします!

公園の管理者になって、ハッピーアースデイ大阪に立ち上げから関わらせていただいていること、共に成長させてもらってることに心から感謝しています。学生さんたちはもちろんですが、とくに社会人の皆さま、初代の水井実行委員長、中村さん、相田さん、新葉さん、佐々木さん…ここではご紹介しきれない多くの皆さまに感謝。
ハッピーアースデイ大阪が、つぎのステップに進化していくことを期待して、これからもずっと、関わっていければと思います。

ありがとうございました!

10周年インタビュー企画全11回ありがとうございました!

ハッピーアースデイ大阪の歴史やこれからの想いを感じられたでしょうか?

今後もハッピーアースデイ大阪をよろしくお願いします。

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