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介護予防は誰のもの?【ストレッチの勘所~その1;身体に油を差そう~】

 今回のテーマは【ストレッチの勘所~その1;身体に油を差そう~】です。

 前回、介護予防について平均寿命と健康寿命の観点から発信しました。平均寿命と健康寿命の差は10歳以上あって、平均寿命から考えると親世代はいつ介護が必要になっても不思議でない(@_@;)、それを予防するのが介護予防!
 団塊世代以上の親世代にとっても団塊ジュニア以上の子供世代にとっても喫緊の課題です、そんな内容でした。

 で、介護予防って何するの??

 テレビでよく見るのはスクワット!、ウォーキング!、そんな運動が毎日発信されていますし、筋トレ!・ウォーキング!これで大丈夫でしょ?って、私のお客さんたちからもよく質問を受けます。

 40代半ばになった私が最近悩んでいるのは身体のこわ張りです。朝起きた時に身体がカチコチになっている、疲労がなかなか取り切れません。皆さんはいかがですか?
 年齢を重ねると何が起きるのかというと、「思考も動作も含めて、動きが鈍くなる」という一言に集約されます。40歳を過ぎてから年々私自身が実感します。では、動きが鈍くなる一番の理由は筋力不足でしょうか?

 サビ付いた自転車を必死に漕ぐ体育会系運動部の大学生と新品の動きが滑らかな自転車を漕ぐ団塊世代と、どちらが遠くまで行けるでしょうか。筋骨隆々であっても、負荷・抵抗が強ければ疲労は増してそう遠くまでいけないことは容易に想像つきます。筋肉はもちろん大切ですが、節々がサビついていないことはそれ以上に大切なことです。

 私たちの身体は骨と筋肉だけではなく、靭帯・皮膚・神経や血管で頭の先から足の先までつながっています(今回は内臓の話は除きます)。
 ストレッチというのは、私たちのこのような身体を柔らかくする技術であり、自転車のサビを落とすことと同じ効果が期待できます。それ故、筋トレが先か・ウォーキングが先かと問われれば、まずはストレッチが先!とお答えします。

 朝起きた時、何か活動をしようとした時、まずは身体をストレッチするところから始めてみてください。映画館で2時間も真剣にジッとしていたら腰が痛くなりますね。でも、しばらくしたら気にならなくなります。
 朝起きた時身体が痛いのも同じ理由です。柔らかい寝具で寝ていたら寝返り(=身体を動かす)の回数が減るのですから、身体がこわ張ります。
 朝起きた時に身体の節々が痛いからという理由で、受診する方もいるかもしれません。でもそれって、シップを貼ったら良くなるのですか?

 動かさないことが理由のこわ張りからくる違和感(≒鈍い痛み)は動かさないと改善しません。こわ張った身体が動く中で柔軟性を取り戻したから違和感が軽くなるのであって、残念ながらシップの効能ではないのです。映画館行って腰が痛くなったからシップくださいってのは皆のお金を集めて運営されている医療保険の使い方としてちょっと違いますよね。起きたら腰が痛いから受診するのも同じことじゃないかなと私は思うのです。

 動きすぎたことからくる痛みについてはどうでしょうか?
 例えば、最近山登りが流行っていますが、下りは膝がガクガク、あちこち痛みがでます。この原因はもちろん疲労です。では、この痛みに対して、受診してシップ貼ったら痛みは治まるのでしょうか?
 この痛みへの最良の治療は温めのお風呂にゆっくり浸かって良く寝て身体を休めることですよね。では、夕方になると腰が痛い・膝が痛いというのはどうでしょうか。身体を休めることが良いのか、シップを貼るのが良いのか??

 話が脱線気味ですが、身体が固いということは鉛を背負って動くことと一緒です。風邪を治りかけで身体が強張って動きにくいのと同じです。まずは身体を柔らかくして、動きやすい身体になることが大切です。心技体と言いますが、動きやすい身体でなければ、心は元気になりません。逆に言うと、ストレッチをして動きやすい身体になれば、心も元気になり、知らないうちに活動的になり、結果的に体力も回復するという、うれしい歯車が回りだします。

 というわけで、次回の【ストレッチの勘所その2】ではストレッチの具体的な方法について紹介します。

 親が子供へ、子供が親へ、忙しさや気遣いでなかなかそれぞれの”おもい”を”カタチ”にしにくい、そんな気持ちの橋渡しとなれるよう、りはっぴぃ代表で理学療法士で団塊ジュニアの鹿島雄志が、理学療法士としての専門性と子を持つ親としての想いを通して、大切な親世代への応援・支援を少しずつカタチにしていきます。

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