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介護予防は誰のもの?【ストレッチの勘所~その2;具体的な方法~】

 今回のテーマは【ストレッチの勘所~その2;具体的な方法~】です。

 前回は、ストレッチには錆びついた自転車に油を挿すことと同じ効果があり、動かさないから生じる違和感(≒鈍い痛み)にシップ貼っても効果は期待しにくいよ、そんな内容を発信しました。
 今回はストレッチの具体的な効果と方法について発信します。

 ストレッチの効果は以下のように多岐に渡ります。
 ①筋肉と関節組織の柔軟性が改善し、比較的鈍い痛みが軽減する。
 ②同じ姿勢を取り続けた時などに生じる、筋肉のこわ張り-
  (例:肩こり・腰こり)が軽減する。
 ③血流が改善する(むくみやあし攣りの軽減)。
 ④神経機能が改善する(ビリビリした違和感の軽減)。
 ⑤筋萎縮が抑制される。
 ⑥筋トレの効果が増大する(ボディービルを除く)。
 ⑦なにより動作が楽になり、活動しやすくなる。

 心技体といいますが、身体が動きにくいと心は動きません。風邪を引いた時、疲労や緊張で身体がこわ張った時、想像してみてください。
 くどいようですが、身体が動かなければ心は動いてくれません。お風呂に入りたいのも、ゆっくり寝たいのも身体を休めたいという、SOSです。動きやすい身体になるためには、身体が柔らかいことが不可欠です。

 ストレッチの方法は次の3つを意識しましょう。
 a)伸ばす場所をしっかり意識する。
 b)息を吐きながら、ゆっくりと筋肉を伸ばす。
 c)痛みのない位置で姿勢を保ち、ゆっくりと息を吸いながら元に戻る。

 a)について、神経を介して筋肉と脳は連動していますので、伸びている場所を意識することで筋肉が伸ばされやすくなることが分かっています。大きな声でカウントすることは意識がストレッチされている場所に向きにくくなることがあるので注意しましょう。
 b)について、息を止める行為は筋肉を収縮させる結果となります。重たいものを持ち上げるときは息をこらえますよね?
 息をこらえる(=筋肉に力を込める動作)と、ストレッチ(=筋肉を伸ばす)と真逆の運動となります。これでは、アクセル踏みながらブレーキを踏むようなもので、効果が期待できません。息をゆっくり吐ける時間は人により違いますがゆっくりと5秒を目安に行うといいでしょう。
 c)について、痛みもb)と同様に筋肉を固くする原因となります。筋肉を柔らかく保った状態でこそ筋肉のストレッチは可能となるので、痛みのない範囲で運動することが大切です。

 b)に関係することですが、リズミカルな運動はストレッチの効果が期待できません。筋肉はゴムの性質があるので、学生時代のアキレス腱伸ばしのような、イチ、ニ、サン、シ、といったリズムの運動は、反動で筋肉を収縮させる(=硬くする)のでアクセルとブレーキを同時に作用させることとなります。

 また、前回もお話ししましたが、動かないことに伴って生じるこわ張りは動かすことが唯一の解決策です。一方で、動いていなかった身体を動かすときは痛みを伴いがちですので、起き抜けなどは軽めのストレッチに留めてください。

 ストレッチの運動自体は他書に譲りますが、今回お伝えしたポイントを踏まえて行ってみてください。りはっぴぃオリジナル運動も今後紹介していきます。

 次回は、筋肉について発信します。

 親が子供へ、子供が親へ、忙しさや気遣いでなかなかそれぞれの”おもい”を”カタチ”にしにくい、そんな気持ちの橋渡しとなれるよう、りはっぴぃ代表で理学療法士で団塊ジュニアの鹿島雄志が、理学療法士としての専門性と子を持つ親としての想いを通して、大切な親世代への応援・支援を少しずつカタチにしていきます。

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