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韓国BL「To My Star」は神話になりました。

みなさん空を見上げてください。
一際美しい輝きを放つ星が2つ見えますね。あれが「To My Star」、そしてあれが「To My Star2」です。

久しぶりにマイベスト更新しました。やっぱり私は韓国BLが大好きです。

レストランのシェフと、自他ともに認めるトップスターの恋。
BLドラマではどちらが受けとか攻めとか明言されることはあまりないので、これは完全に私の好み&勝手な印象なのですが断言させてください。

不愛想で人見知りで無口なシェフ27歳185cm×明るく社交的で完璧な容姿と実力を持つトップスター32歳180cm

はい拍手!!!!!

年齢的にも大人な設定、年下攻め、陰と陽の対比。これ私が考えたやつ?
そんで注目なのがこの身長ですよ。大きい受けと大きい攻めは最高です。大は小を兼ねるといいますからね。例:大きい犬、大きい雲、大きい給料、大きいチョコパイ、大きいハムスターなど。

「To My Star」は2まであり、2だけでも観れるという意見もありますが、まあそうですね、駄目に決まってんだろ。1観てから必ず2を観てください。お残しが許されないように、「To My Star」を1だけで終わらせることも2だけ観ることも神が許しても私が許しません。※私は自分のおすすめを他人に押し付けることになんの抵抗もないという狂ったところがあります。


陽気と不愛想の同居生活。

トップスターであるソジュンは、ある暴行事件に関わってしまい、記者から逃れるためしばらく身を隠すことになる。そこは事務所社長が所有する家で、現在はシェフとして働くジウが一人暮らしをしている部屋だった…という流れ。
いいですねこの展開。BLって感じです。
実は同居する前にジウが働いているレストランで偶然ふたりは出会っていて、そのときの印象が最悪だったせいもあり、ジウの態度がとてもドライで最高。最初の態度が冷たければ冷たいほど、絆された時の喜びが倍増しますからね。どんどん冷たくしてください!!


ジウの態度が冷たすぎて風邪ひいた

南極来たかと思った。

地平線のように美しい一重。この目で心底うざったそうに睨まれたら私はショックで立ち直れず書置きも残さずインドに旅に出る。
と言ってもジウが本当はとても優しい人だということはちゃんと伝わってきます。嫌そうな顔をしながらなんだかんだソジュンのわがままに付き合い、さり気なくソジュンを気遣ってくれるんです。
そしてなんといってもジウを演じているキム・ガンミンの表情がいい。普段が不愛想な分、思わず零れた嬉しそうな顔や笑顔、動揺した顔が可愛くて、何度早戻して見たことか。その瞬間を巻き戻して眺めた後に天井を見つめて余韻に浸るという一連の流れを軽く10回は繰り返しているので、観終わるのに普通の600倍かかってる。

言葉も表情も乏しい彼だからこそ、その言葉ひとつが心を掴むし、表情の僅かな変化に魅了される。どうしても惹かれてしまう恐ろしい人物です。


ソジュンがスターすぎて発光しだすのも時間の問題

とにかくずっと眩しいからサングラスかけて観てる。
その真っ直ぐな明るさですんなりと人の懐に入り込む人たらし。
だけどそれは子供の頃から大人に混じって仕事をしてきて得た、生きていくための術なのかもしれません。
人の顔色を読んで、笑顔で安心させ、少しの変化にも気づける頭の良さがあります。
無神経で大胆に見えて、実は誰よりも優しく繊細な人だと思います。

そしてトラウマを抱えています。

大事なことなので枠で囲って文字を真ん中にしてみました。
待って。なんで私が「明るいキャラクターの奥底に隠された傷」に弱いこと知ってんの?監督って私の友達?

なにかが割れる音に敏感に反応して、呼吸が乱れすくんでしまうソジュン。それを目の当たりにしたジウですが、なにも聞かずに察してただ気遣ってくれているのが本当に好き。
あとふたりで料理をする動画を撮るシーンがあるんですけど、作った卵のり巻きを食べている時、ソジュンがジウの手首を心配していて、どこかで怪我してたっけ?見逃した?と思ったんですが巻き戻して見るとその前に少しだけジウが手首を摩ってるんですね。めちゃくちゃ細かい描写!ちゃんと気づくソジュンが愛おしい。尊すぎてしんどい。ふたりを暖かく包む春の日差しになりたい。


TMS1も間違いなく名作!

TMS1は話数も少なく時間も短いので、盛り上がりに物足りなさを感じている人も少なくない印象。そのお気持ちお察しいたします。
たけどこの作品の魅力はそこじゃない気がするんです。

確かにドラマチックな要素は少ないかもしれないけれど。あるのは、一緒にバスケをして楽しかった瞬間。一緒に夜空を見上げて星の話をした瞬間。一緒に料理をしてちょっとだけ触れた瞬間。一瞬だけ、見つめ合った瞬間。相手を気遣いながら過ごした時間。そんな些細な積み重ねがTMS1にはたくさん詰まっていました。ふたりにはこのストーリーがとてもしっくりきます。

TMSに大ハマりした私の偏見も入ってるかもしれませんが…その辺にも注目して観てもらえたら嬉しいです。


そして伝説へ…To My Star2

ある日突然、”もう終わりにしよう”と書かれた1枚のメモを残して、ソジュンの誕生日に姿を消したジウ。
理由も居場所もわからず、連絡もとれないまま1年が過ぎだ。
ようやく探し出した場所はジウの故郷。小さな田舎の山の上で、ジウはレストランを営んでいた…。

ごめんいったん外の空気吸わせて。

これしんどすぎる。10分ごとに15分の休憩と瞑想の時間設けないと息続かんて。これ絶対2回目観るのしんどいて。でも不思議、しんどいのに観ちゃう。朝までノンストップで一気見しちゃう。止められない。なにこれちゃんと合法のやつ?

でもまあ大丈夫でしょ?一度は結ばれたふたりだし、絶対両思いだし、サクッと和解して仲良し生活がすぐに見れるんですよね??

そう、思っていました………



ジウの意志が固すぎて歯折れた

ジウがとにかく全然折れない。5本の矢より折れない。約30分全10話の8話まで折れなかった。ソジュンが諦めずに何度も気持ちをぶつけてくれる度、今だジウ!!今しかない!!行け!!追いかけろよ!!ほら今!!!今!!!今でしょ!!!!!ってすごい昔に流行ったやつ叫んじゃったんだけど、ジウに嫌われちゃったらどうしよう…。
観ながら歯がゆさともどかしさを奥歯でずっとギリギリすりつぶしてて、その時の私かなりダイナソーだったと思う(?)🦕

そんな動かざること山の如しジウですが、少しずつ、本当に少しずつ、薄皮を剥がしていくみたいにゆっくりと変化していきます。
「ジウが抱えている思い」「ジウが言えなかった話」をここまで長い時間をかけて丁寧に描いてくれたからこそ、彼が姿を消した理由やソジュンを拒み続けその手をとることができなかった理由にも納得できたし、ジウという人を深く理解することができのだと思います。

ジウがソジュンからのメッセージを読みながら、堪えきれず静かに泣くシーン。ここ、キム・ガンミンの演技力の高さにも感動しました。誰でも一度はこんな風に泣いたことあるよね……私はありませんが……。


諦めないソジュンが健気すぎて功労賞贈りたい

トップスターのソジュン。仕事に追われながら完璧にこなし、誰からも慕われ人に囲まれる生活の毎日。
ソウルから4時間かけジウの元に通い、想いを伝え続けどんなに拒まれても言葉で傷つけられてもジウの心を開こうする姿が健気すぎます。

途中、もう本当に倒れちゃうんじゃないかと思うくらいソジュンがジウのために一生懸命で、あまりにもひたむきで可哀想で見ていて辛くて、お願い今すぐ毛布かけて温かいココア飲んで休んで…!ってなった。

こんなにも星もない暗闇でさまよう二人がうたう歌状態のふたりが幸せになれないはずがないんですよ…!!


満を持しての最終話、こんだけ涙でた。

最終話でようやく動く山。
本当にこの監督すごい。
ふたりの台詞も演技も素晴らしすぎる。
最近寝る前に毎日最終話観てるけど永遠に泣いとるかもしれん。
歴史に残る名シーンです。学校の教材にしましょう。


音楽・映像・台詞・演出すべてが美しい

TMS1では補えなかった部分をTMS2で見事に回収し補完し、作品の魅力を最大限、いやそれ以上に引き出していたと思います。
繰り返し観ることを推奨しているドラマなので、観返す度に印象が変わり初見では気づけなかった部分に感動し、登場人物みんなに感情移入し、考察が一生止まらない作品となっております。

さらにTMSは音楽も秀逸です。観終わったあとにOST聴きたくなるドラマは名作なんです。そして映像の映し方や演出も素晴らしい。

例えばソジュンとジウが暮らしていたソウルの部屋に、ジウが残した荷物を取りに行くシーン。
ジウはずっと冷たくて、早くソジュンのもとから立ち去りたいとでも言うようにイライラしています。ソジュンはジウをまだ引き留めたい、だけどジウは荷物をまとめてあっさりと去って行ってしまう。
その後、ジウが独り荷物を抱えて信号待ちをしている背中が映される。夜の闇とネオン、信号の赤、目の前を通り過ぎるソジュンが載った宣伝トラック。言葉はなくてもジウの寂しさを表現していました。
TMS2のジウはソジュンといるときずっと冷たくて頑なですが、ジウの気持ちがわかった2周目以降からこうした静かな演出がボディブローのように効いてきます。

それからソジュンとジウ以外の登場人物たちの描き方も巧いんです。
それぞれが抱えている悩み、痛み、悲しみ、狡さ、優しさ。それぞれの場所で働き生きている人たちの苦しさ。
みんながちゃんとそこに生きて生活していることが伝わってきて、それがなんだか他人事ではなくて、ものすごく心にぶっ刺さるんです。
特にソジュンがドラマ撮影している現場のシーンは、殺伐として時間に追われみんながとても疲れていて、これは監督本人のメッセージもあるのかなぁと感じました。

ちなみに、TMSの監督は韓国BL界の神、ファン・ダスル。
韓国初BLドラマの名作「君の視線が止まる先に」も手掛けているのですが、TMSに登場する事務所社長役のチョン・ジェヨンはどちらにも出演されています。そこを匂わせるセリフもあったりして、「君の視線~」ファンにも嬉しいし監督本人の作品への愛も感じられました。まごうことなき天才です。

TMSはセクシャリティや同性同士という枠に触れていません。
ソジュンとジウの関係を知る人は少ないですが、誰もそこに言及しません。
同性愛差別がまだ根深い韓国でこうした作品が出されるのはとても喜ばしいことです。若い世代の意識の変化も大きいと思います。
この作品を観て、本人たちや周囲が自然と受け入れていることに違和感を感じる人はまだいることでしょう。
だけどそろそろ、気づいてもいい頃です。
違和感を感じることこそが問題なのだと。

現実はまだまだTMSのような世界になることは難しいです。
BLにもよくある同性を好きになる葛藤やいじめ、暴力、ホモフォビア、そしてクィア作品のような現実世界の残酷さを容赦なく描くことで、私たちの心に深く訴えてくる作品が多いのも事実だと思います。
でもそんな描写がなくても、ここまで強く心を揺さぶり、動かし、震わせることができるのだと、「To My Star」は証明してくれました。

人が人を愛することを当たり前に表現できる、そんな作品がたくさん生まれることを願います。


◇ここから若干ネタバレ考察注意!◇

TMS2にはオープニング含め、仕掛けのような演出が本当にたくさん散りばめられています。
詳しい説明は野暮なので、ぜひ実際に観て新鮮な感動を味わってほしいのですがひとつだけいいですか?

個人的にとても感慨深かったのが、ジウが山道を登っているシーンです。白い息を吐きながら息を切らせて、そして立ち止まる場面が時々差し込まれます。最初はジウが営んでいる山の上のレストランまでの道のりなんだと思っていました。
だけどここはお年寄りや子供のユハも来る場所。山道は難しいはずです。

そして8話のエピローグで明かされる、ジウが山に捨てたと言っていた指輪の行方。実際にはジウは指輪を捨てられず山の"ある場所"に埋めていて、しかも目印までつけていたことがわかります。
もしかしてジウはずっとレストランまでの道を、その目印の場所を通りながら行っていたんじゃないでしょうか。ずっとその場所を心の拠り所にしていたんじゃないか。そう思うとジウがめちゃくちゃ愛おしくなって絶対幸せになってほしくて……そしてワシは全財産を彼に渡しても構わんと思ったんじゃよ……

◇ネタバレ考察ここまで。◇
他にもいろいろ考察してますがすぐ深読みしてしまうタイプなので全然違う可能性ありすぎる。でも楽し〜からいっか!


最後に。
「To My Star」そして「To My Star2」は繰り返し何度も観て、何度も感動できる作品です。
どちらも観てください。その方が感動も感慨深さも全然違います。スターウォーズをエピソード4から観るかローグワンだけ観るかくらい違うんです。お願いします。この例えいらんかった?
あとTMS2ではエンディングのあとからエピローグがあるのでお見逃しなきよう!!

みなさんにとっても大切な作品になると嬉しい。いやそう信じています。
ここまでお読みいただき本当にありがとうございました!


\그들의 행복을 바라!/

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