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そこに、つがいの浜千鳥が現れて、私にまとわりつくように、ずっとそばにいた時、私は、胸がつぶれた。

2016/1/26
昨日、外を見たら殆ど快晴だった。
私は親友に電話を入れて、すぐに京都に向かった。
いつもの様に我が庭である嵐山に向かう前に、大覚寺の大沢の池に向かった。
昨日、休憩所にいた私の目の前に現れた一羽のイカル…彼らがきっといるに違いないと予感していたからである。
東洋一の植物園である京都府立植物園では、私が常に歩いた小さな森につがいが居て、頻繁にその鳴き声(なかなか美しいのだ)を聴いていたし、
かつてカワセミが居た池の側の木の上に、一団が止まっていたこともあった。

だが、昨日の様な光景に出会ったことはなかった。
私が、あっというまに50枚は撮ったことは言うまでもない。
何せ、昨日は、イカルとツグミのために約200枚は撮ったのだから。
おまけにツグミは中之島公園が曇天に覆われていた時に高い枝の上に居たから、背中がおかしくなったほどだった。

私の故郷である、素晴らしい閖上は、名取川が太平洋にそそぐ河口に面した港町だったから、川と海と田園に囲まれた街だった。
だから野鳥と言えば(カモメは別にして)浜千鳥か、ひばりしか目にしなかったと思う。

一昨年、大震災後に初めて閖上を訪れた。
タクシーを止めて、自分の家の在った場所を、記憶を元にたどってみた。
伊達正宗が開墾した貞山堀が、名取川に面した水門一帯は、かさ上げ工事中だったのだが、
そこに、つがいの浜千鳥が現れて、私にまとわりつくように、ずっとそばにいた時、私は、胸がつぶれた。

一昨日は、きっと夢想国師が、イカルを私の元に寄越したに違いない。
そうして私は彼に誘われるように大沢の池に来たのである。
ここでイカルを見るのは初めてだったにも関わらず、私は、ここに彼らはきっと居ると確信していたのである。

以下の写真を、わけても、閖上のみんなに贈る。
昨日の朝の、嵯峨天皇が800年前後に開基した、空海にも縁が深い大覚寺の大沢の池である。

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