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藤原彰だけは嘘つき教授と学生に蔑まれた。しかし記者たちに反省はない。

藤原彰だけは嘘つき教授と学生に蔑まれた。しかし記者たちに反省はない。
2018年06月16日
以下は戦後の世界で唯一無二のジャーナリストである高山正之が週刊新潮の掉尾を飾って連載している名物コラム、「変見自在」の先週号掲載の論文からである。
見出し以外の文中強調は私。
日大は許さない
朝日新聞の歴代社長の中で一番の切れ者はやっぱり秋山耿太郎になるか。 
だいたいここの記者は「親子代々の世襲記者が多く」(畑尾一知『新聞社崩壊』)て、傲岸で、そのくせ無精と来る。
「俺は正しい」と思うのは勝手だが、ただその裏付け、つまり取材は面倒くさい。 
で、本多勝一みたいに支那人に聞いたまま記事にして間違いを起こす。 
秋山が出るまではそんな記者の嘘の始末で社長のクビがよく飛んだ。 
朝日が一面で「これが毒ガスだ」とインチキ写真を載せた。
一橋大教授の藤原彰にも片棒を担がせた性悪な嘘だった。 
それを産経新聞が暴いた。
社長の進退が問われるはずなのに渡辺誠毅はあやふやな訂正で逃げ切った。 
藤原彰だけは嘘つき教授と学生に蔑まれた。 
しかし記者たちに反省はない。
渡辺の次の一柳東一郎のときにはあのサンゴ落書き事件を起こす。 
一柳は渡辺を真似てとぼけ通そうとしたが「精神の貧しさの、すさんだ心の」と罵られた日本人が許さなかった。 
一柳のクビが飛んだ。 
その3代後、箱島信一の時代は珍しいほど嘘つき記者の当たり年だった。 
まず1月に本田雅和が安倍晋三と中川昭一がNHKに圧力をかけ、番組を改変させたと偽りを書いた。 
政治家を嘘で葬る。
今のモリカケ報道に似るが、このときはNHKが本田の嘘を指摘し、廃刊も噂された。 
弱り目に週刊朝日への武富士5000万円恐喝騒ぎと亀井静香と田中康夫の架空対談話が続いた。 
長野支局の記者が「郵政民営化反対の亀井が長野県下で田中と会った。新党立ち上げか」と思い付きをメモにして本社に上げ、政治部がいつも通り何の取材もせず尾鰭と背鰭をつけた。
無精が過ぎたネタだった。 
箱島は三つの不祥事のうち武富士事件で社長を辞め、架空会談で新聞協会長の方も辞めた。 
残る本田雅和の始末は後任の秋山耿太郎に押し付けられたが、ここで産みだされたのが「社外の有識者に判断を任せる」第三者委員会方式だった。 
昨日まで「朝日は日本の良心」(堤堯)と言っていた。
そうは思えないけれど、ともかくモノの理非は俺たちが決めると。 
それが今では己の行いも判断がつきませんと言う。
恥も知らない。 
それも笑えるが、「社外の有識者」も笑える。 
朝日が飼う憲法学者の長谷部恭男、北京で一緒に三跪九叩頭した丹羽宇一郎という顔ぶれは「社外」でも「有識者」でもなかった。 
秋山の読みはこれで七十五日は引き延ばせる。
噂は消えるだろう。 
実際は答えが出たのは騒ぎから9ヵ月も後。
安倍ら関係者の聴取もなく、結論は「取材不足」だった。 
もっと取材すればホントだったかもと匂わして秋山のクビは飛ばず、お詫びも訂正もなしで終えた。 
これは画期的だった。
どんなやばいヤマでも第三者委員会で引き延ばせば社長どころか記者の責任まで有耶無耶にできる。 
次の木村伊量時代に入ると記者はもう怖いものなし、
第三者委員会頼みで記者倫理までかなぐり捨てた。 
まず週刊朝日が「ハシシタ奴の本性」で深刻な人権侵害を起こす。 
次に慰安婦強制連行について「戦時の性だ」と開き直り、吉田調書も故意に読み違えて記事にした。 
世間が怒るとみんな第三者委員会に丸投げで、廃刊の不安もなくなった。 
モリカケの嘘も第三者委員会がある限り、どう転んでも大丈夫と見ている。 
その朝日が日大アメフト問題を社説で書いていた。 
ヤクザの親分が子分に「タマとってこい」と言うのに似る異様さ。
その解明を内田監督は第三者委員会に任せると言った。 
そうです。
朝日新聞方式です。
これで有耶無耶にして見せますとも聞こえた。 
それが癪なのか「日大は自らの手で調べ社会に説明せねばならない」と書く。 
第三者委員会は朝日の特許だ。
お前らは勝手に使うなと言っている。


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