31.先生からの手紙

 E先生からお手紙が届いた。
今年に入ってから、先生が私の名前を書く時の漢字がビミョーに違う。
旧漢字なのだ。
気にしなくてもいいことだろうけど、9歳の時に先生に初めて出会ってから49年間、一度も間違えたことがない、一文字の漢字。
若干、違和感を覚えた。

そして、昨日届いたお手紙。
『奇跡を起こす心の法則』
というタイトルの、雑誌の記事のコピーと共にメモが入っていた。

「メール拝見!!
たまたま読んでいた月刊誌に似たような記事がありました
ヒントがあるのかなぁと思い………」
と、コピーして送ってくれたようでした。

メール⁇
そんな重たい内容のメール、したっけなぁ⁇

過去のLINEを見ても、よく分からなかったので、とりあえず…

先生、お手紙届きました。
ありがとうございます。

とLINEを送った。

「手紙?
覚えてないなぁ…
最近忘れることが多くなって、手紙を書いた時にはメモしてるけど、残ってない。
どんな内容でしたか?」

というお返事。

ありゃ…^^;

数年おきに行なっていた同窓会も、2018年を最後。
その後コロナ禍となり、まだ計画していない。

E先生が私たちの担任だった時は、まだ30代前半。
いつの間にやら竹刀を持って来ていて、何かあると、その竹刀で叩かれた。
その時代は
「ウチの子をどんどん叱ってください。
叩いて教育してください。」
という親御さんも多かったから、私たちもそれが当たり前のように捉えていた。

私の母も例外ではなく、最初の頃は
「あんなに若い先生で大丈夫かしら?」
と言っていたのに、E先生を崇拝するようになり、先生の話す言葉は絶対的だった。
だから、先生が
「子どもに与えるテレビの影響力は大きい」
と話したものだから、私が観れるテレビ番組は
土曜日の『日本昔話』
日曜日の『サザエさん、カルピス劇場』(山ネズミロッキーチャックとかハイジとか)
これのみとなった。

「『8時だョ!全員集合』とかは絶対観ちゃダメよ!!
E先生もおっしゃってたわ。
あれはね、食べ物を無駄にする番組なんだから、よくないわ!!
ママもそう思ってたの。」

はぁ〜⁉︎
そりゃ、ないでしょ〜( ; ; )

E先生の竹刀で叩かれたことは、一回くらいしかない…と思う。
ある時先生が、髪をすごく短く切って来て
「髪を短くすると、短気になるんだよ〜」
と言った。

え〜!!
これ以上、怖くなるっちゃうの⁉︎

しばらくの間、私は恐怖で仕方なかった。
でも、考えたら、髪を短くしたところで、短気になる根拠なんてない。

ある日、いつものように竹刀で叩いたら…
Sちゃんの頭の上で…
バキッ!!

あ…折れた。

これからは、この竹刀に恐れをなして授業を受けなくて済む^^;

ホッとした…

 4年生の頃は、社会のテストとか、
正解に近いけど、惜しい〜…

という時に、先生がこっそり耳打ちして教えてくれる。
でも、コソコソ言われても、耳がくすぐったくなって、よく聞こえない

え⁇ 何⁉︎

聞き返すと、先生はやめてしまう。

先生、諦めないで欲しい〜!!

 先生は、私たちとよく一緒に遊んでくれる。
授業も遊びも全力投球!

6年生になった時
「みんなでできる遊びを考えて来ました」
と、『Sケン』なるものを教えてくれた。
校庭に生徒が一人通れるくらいの幅で、Sの字を大きく書いて、このS字の枠の中を通る時は、ケンケンして行く。

二組に分かれて、Sの字の両サイドから入って、相手と出会ったらじゃんけん。
負けたら “S” から出る。
勝った人はそのままケンケンで進み、またじゃんけんする…

これがみんな大好きになって、朝もお昼休みも、私たちはいつも『Sケン』をやっていた。

先生、本気出しすぎたら怖いよ〜
相手は小学生なんだし^^;

早く同窓会、計画しないとね!!

…続く……💌


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?