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性別はいったいいくつあるのか?

最近、LGBT関連のニュースが多い。
特に英語記事になると、これでもかというくらい爆発的に増える。

しかもLGBTQIA+など、「せっかく覚えたのにまた増えた!」と思うことも多く、そもそもジェンダーに関心がない人からすると、めんどくさっ!と思うことも多いだろう。

僕自身は特にフェミニストでもないし、かと言って化粧する男性や男勝りな女性に対して特に嫌悪感もなく、単に友人として接しているので、割とフラットだ。

性的マイノリティは大昔から存在しているらしく、例えば2000年以上前、古代ギリシアのテーベにも、神聖隊という同性愛者で構成された精鋭部隊がいたとされている。

人類以外にも、約1,500種類の動物で、同性愛が確認されているという研究結果もある。チンパンジーの一種であるボノボや、キリンは特に有名なので、聞いたことがある人もいるだろう。

最新の研究では、コーネル大学の博士が、すべての人類はバイセクシャルであるという発表もしていて、なんだかすごいことになっている。

なぜここまで世界中が躍起になって性的マイノリティを守ろうとするのか、正直根本のところはイマイチわかってはいない。

しかし、知れば知るほど奥が深く、また、この性別に関する偏見や思い込みと向き合い、枠を取り払うことは、他の様々な問題や事実認識を考える上でも、非常に役立つのではないかと思える考え方に出会った。

それがこれだ。引用元も記載しておく。

最新バージョンは別にあるのだが、少し複雑になるので、こちらの基本バージョンを引用させていただく。

どうやら、この考え方によると、性別は81種類あるらしい。

どういうことかというと、まず、性別を判断する要素は4つに分類される。

1、Gender Identity(自分自身をどの性別で認識しているか)
2、Gender Expression(服装や行動がどの性別に近いか)
3、Biological Sex(生物学的にどの性別か)
4、Sexual Orientation(どの性別に性的魅力を感じるか)

ここにそれぞれ、男性に近いか、女性に近いか、中性的かといったような3つの選択肢がある。(※4つ目については異性を魅力的に感じるか、同性か、両方かという選択肢であるように、細かく言えばそれぞれ異なる)

一例としては、「自分自身のことを男性と思っているが、服装は女装が好きで、生物学的には女性、両性ともに性的な魅力を感じる性別」、という風に分類分けされていく。

つまり、3択の4乗分(=3*3*3*3)、81の性別の種類があるということである。

別のレポートでは、LGBTの人は、左利きの人よりも多いという調査結果もあるが、こうなってくると、もはや全ての項目が男性的・女性的な人というのは、多くないのではないか、典型的な男女というのは逆にマイノリティなのではないかとさえ思えてくる。


この考え方を知って、いろいろと思うことがあった。
従来では、性別は生殖器があるかないか程度でしか分かれていなかった。

ところが視野を広げてみると、まず「心」と「体」では性別が異なる場合があると考えられた。
さらに「心」の中でも「性的嗜好」と「自己認識」は異なること、「体」では「身体的なこと」と「身に着けるもの」ではまた異なるという考え方もできた。

これはどういうことかと言うと、分類することで人の思い込みを突破しているのだと思う。

別の例を取って、「右脳思考」と「左脳思考」で考えてみる。

従来的な考え方では、左脳的な人はなんでもロジカルにデータ主義で行動すると考えられているし、右脳的な人はどんなことでもアイデアフルに、独創的に捉えると思われている。

ところが、実際は違う。

まず、「インプット」と「アウトプット」で分けてみる。

「インプット」は感覚(右脳的)だが、「アウトプット」をロジカル(左脳的)にする人はけっこういる。
なんとなく感じたことやうまくいったことを、言語化して共有するのがうまい人だ。インフルエンサーやマーケターによくいる。

逆は、「インプット」がロジカルで、「アウトプット」が感覚なタイプ。これは博識な芸術家や、あえて抽象化する小説家がわかりやすいだろう。

そして、さらに細かく分けると、「インプット」は、『耳で聞く』・『文字で読む』・『映像を見る』等に分けられるし、「アウトプット」も、『口頭で伝える』・『文字で伝える』・『映像や行動で伝える』といったように分けられる。

おそらく、これらの分類別に、僕たちは右脳・左脳を使い分けているし、それぞれに得手不得手があるはずだ。

そう考えると、ロジカルコミュニケーションと一括りにしていたり、アイデアパーソンとまとめていたことが、一種の思い込みであったことが想定できるし、最近よく議題になる「アート」と「サイエンス」をどうやって融合させるかのヒントにもなり得る。

意図して融合させなくても、異質だと思っていたものの中に、同質性が見つかるかもしれない。

これはすごい発見だった。
組織にも宗教にも政治にも、いろいろな場面で活用できる。

ジェンダーに話を戻すと、男女は理解し得ないと多くの人が言っているが、もしかしたら男女という括りを考え直すだけで、理解も何も、共通する項目ってけっこうあるじゃん、ということに気づくかもしれない。

経営者と従業員、非正規雇用と正社員、富裕層と貧困層など、対立を深めるための煽り文句は世の中に山ほどあるが、細かく分けてよく見てみると、類似点が多いことに気付けるかもしれないし、その方が有意義だ。

今日はここまで。

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