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フェスの盛り上がりから考えるキャズムの越え方

先日、フェスに行ってきました。

フェスって、いろんなアーティスト・ミュージシャンの方が来て、比較的有名な曲をつまみ食いできる場所なので、ライブに馴染みのない人や、私のようなニワカな人も行きやすいイベントなんですよね。

なので、比較的著名な出演者でも、あまり知られていない曲だと、ノリ切れないお客さんが多いことがよくあります。

後ろの方から見ているとお客さんの反応には特徴があって、どんな出演者でも前の1~2割くらいはずーっと盛り上がっているんですよね。それは”どんな曲でも”という意味でもありますが、印象的なのは、”1曲演奏されている間中ずっと”お祭り状態なんです。

逆にそれ以外はしばらく様子見していているんですが、彼らは冷めているわけではなくて、アガる機会を待っているんですよね。

私はこれが、いわゆるイノベーター理論の構図に似ていると思いました。
イノベーター理論というのはものすごく簡単に言うと、”どんな製品やコンテンツでも、どハマりする人と、ちょっと一歩引いて見ている人がいるよね”という理論です。そして、どハマりしている人の熱量が、引いて見ていた人たちも巻き込む程になって一気に広がっていくことを「キャズムを超える」と言います。

フェスの観客はまさにこの理論のように、演奏が始まる前から熱狂している人たちと、始まってしばらくはおとなしく聴いている人たちに分かれています。

そんなフェスで、前の方も後ろの方も一気にバーンと盛り上がるタイミング、言ってみれば”フェスのキャズムを超える”タイミングがあって、それは「サビ」の瞬間なんですよね。

よく知らない曲でも、「サビがきた」とわかるタイミングでは、後ろの方まで一気に熱量が伝わり、全員パリピのテンションとなって、会場が揺れるほど熱狂します。

そんな光景を見ていて私が思ったことは、「これ、マーケティングにも言えるんじゃないか」ということでした。

最近、マーケティングの分野では、とかく”ストーリー”が重要だと言われています。
どんな思いや経緯があってその製品を作ったのか、その作品をプロデュースしたのか、ということが買う人の心を動かしますよ、としきりに主張されています。

結果、市場にはストーリーが溢れかえっていて、うまくいくストーリー、そうでないストーリーというのが分かれてきていると思っています。

では、うまくいくストーリーってどんなポイントを抑えているのかと考えた時に、それがもしかしたら「サビ」なんじゃないかと、フェスを通じて思ったのです。

つまり、思いや経緯が伝わった上で、”ここが盛りあがりどころです!”というメッセージ、タイミングを作る。それによって、様子見だった層が一気に”ここですね!”と言わんばかりに安心して製品を使い、作品を試すフェーズに入っていくんじゃないかと。

実例は追々調べて、そのうち追記しようと思います。

まずはメモの意味も含めて。

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