見出し画像

話し方に目を向けよう

国会での論戦、情報番組の解説を見ていると「もったいないなー」と感じます。政治家もコメンテーターも話す内容を熟考して、どんな内容を言葉として出すか・・・こうしたことを真剣に考えていることはよくわかります。 でもどうして聞く側がどう感じるか考えないのでしょうか。

【どうなる?減税論議】
今、国会で所得税減税の話が出ていますが、野党は木で鼻をくくったような話し方で「意味がわかりませんね」とバカにしたような表情で言い放ちます。そのような言い方をしないといけないのでしょうか。
あるいは怒っているような口調で「減税は1回で終わるんでしょうか」と畳みかけていました。その圧力はまるで戦いです。テレビ中継だから、論戦という戦いの演出だからと言うのであればそうなのでしょう。私は内容で勝負した方が賢明に感じます。感情を逆なでするようなイメージを出すよりもロジカルに言葉を選んでしっかりと発話してほしいです。もちろん答弁する方も「あー、それは、うー」ではなく、余計な音は割愛してすっきりと、わかりやすく話す方がお子さんの手本にもなります。

【標準税率?とは】
テレビの情報番組では、ネギやトマトの値段が上がりどこのスーパーが安いかと物色しながら買い物している様子が映っています。所得税を下げるのではなく、消費税、特に8%の軽減税率をゼロにしたよいのではないか。という提案コメントです。平等に国民全員に関連するので、なるほどよい案だと感じました。ただ、この話の中で出てきた複雑な言葉。”軽減税率”に対して10%の税金をわざわざ”標準税率”と言っていました。正しくはそういうのでしょう。しかし、はじめて聞く言葉として認識したため、思考が進まなくなりました。「あれ?標準税率ってなんだっけ」

このように、専門的な用語を使われるとこれまでわかりやすいと思って聞いていた話が突然難しいものになってしまいます。口に出す用語は正しいかどうかではなく、わかりやすいかどうかなのです。専門用語は、できるだけかみ砕いて、中学生でもわかる言葉に直すことが視聴者にはやさしいです。
”課題に対するソリューションが大事です” ”プライオリティをイメージして対処しましょう”なども私はわかりにくいと思います。課題に対する解決策や優先順位をつけて対処すると言い換える方が、頭にすっと入ってきますね。

【聞く相手を想像して】
また、自分の得意分野や話したいことになるとヒートアップしてきますので早口になり、発音があいまいになる方も多いです。高齢者には早口ほど理解に影響を及ぼすものはありません。ゆっくり、短い文章をたくさんつなげて、聞く側の反応を確かめながら進めることが有効です。トチったなら言い直す、大事なところは繰り返すという方法でコメントするだけで、理解度は各段にアップします。

一度、口から出た言葉は一瞬にして消えてしまいます。自分がどう話しているのか、どういう印象を聞く側に与えているのか、そしてしっかり伝わっているのか。どうぞ録音して聞いてみてください。そして”話す内容”ではなく、”話し方”に目を向けてみてください。「伝わるとは」相手が理解することであることを認識できるはずです。(了)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?