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【要約&実践】ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング: Webマーケティングの成果を最大化する83の方法

どうもー、消費財メーカーのマーケターとして働くmotuです。
マーケティングに関する書籍の"理解"から"実践"への架け橋となる記事を投稿していきたいと考え、活動しています。

書籍の内容を"実務"で活かすことができるよう、要約・体系化していくので、ぜひご覧ください。
それではやっていきましょう!

書評

【再現性】   ★★★★
【面白さ】   ★★★
【おすすめ度】 ★★★★

私の記事では、上記3項目を5点満点で評価しています。
再現性は、筆者が自身の成功(失敗)を体系化して、私たちでも実践できるような形のノウハウとして提供しているかで評価しています。
面白さは、純粋に書籍としての面白さで、読みやすさなども考慮して評価しています。

今回紹介するのは、木下勝寿氏著書の「ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング」です。この書籍からは、webマーケティングの考え方や具体的な手法を詳しく学ぶことができます。webマーケティングに携わる人にはもちろん、webマーケティングに携わっていないマーケターでも、HOWだけでなくそこに至る戦略など参考になる内容が詰まっているため、おすすめです。それではやっていきましょう!

1. ファンダメンタルズマーケティング

商品そのものやユーザーのペルソナ、インサイト(人間の感情)を分析してコミュニケーションを設計する。「ユーザー」「競合」「商品」の3つを調査・理解した上で、「誰に」「何を」「どう」伝えるかを考える。

1-1. 事前リサーチ

自分の言葉で商品の魅力を他人に話し、その人に買いたいと言わせるというゴールを決めておくことが重要。

リサーチ方法
・商品企画者、商品開発者
売りとなる部分を再構築する。
・ユーザーインタビュー
インサイトを理解しながらキーワードを確認する。
・SNS、知恵袋、レビューサイト、アンケートデータ
・競合のマーケティング
ターゲットユーザーがどの検索エンジンで「どんな検索ワード」で検索するか考える。商品起点だけでなく、ユーザー起点でキーワードを考える。

1-2. 誰に伝えるのか

①ユーザー起点
ニーズをベースにして、その強さを段階的に分類し、ターゲットを設定する

・対策の必要性に気づいていない
・対策の必要性に気づいてはいるが「悩みや痛みは一時的なもの」だと思っている
・対策の必要性を自覚しているし、悩みや痛みは一時的ではないと思っているが、何も手を打っていない(探してもいない)
・対策を色々検討し始めている
・対策を色々検討してかなり詳しい状態
・対策の手を打ち始めた(何らかの商品を買った)
・既にお気に入りの対策のための商品があり、満足している
・お気に入りの商品はあるが、「他にもっと良いものはないか」と思っている
・色々使ったが結局満足するものはなかった

②商品起点
商品との距離感で分類し、ターゲットを設定する。コモディティ化商品、嗜好品はおすすめ

・(そのジャンルの商品自体を)知らない
・知っているが、そこまで興味はわかず、使ったことはない
・知っているが、使いたくないと思っている
・いつかは使いたいと思っているが、使ったことはない
・以前は使っていたが、今は使っていない(また使うかもしれない)
・以前は使っていたが、今はやめており、今後も使う気はない
・今も使っているが、良いものがあれば乗り換えてもよい
・今も使っているが、可もなく不可もなく、今のところ替える気もない
・今も使っており、満足しているので替える気がない
・そのジャンルの商品が好きで、色々試したい

また、広告のターゲット像を理解するための手法として、ペルソナ設定があるが、商品のペルソナは、UAPやベネフィットを起点に最大公約数的に設定する。USPやベネフィットに関係ないペルソナ設定は、プロダクト用ではなくメディア用であることに注意する。

1-3. 何を伝えるのか

①USP起点
商品やサービスが独自に持つ強みからメッセージを導く

・他社商品にはない便益を与えられる or 今までになかった便益を与えられる
・他社商品よりも高い便益を与えられる
・実績、権威性などの付加価値がある
・金銭的お得感がある

このとき、他社がすぐにまねできない価値を世の中に生み出していくことが重要。

②ターゲット(性別)起点

男女の違い
・男性は女性が好きで、女性はおしゃれそのものが好き
・女性の色識別能力は男性の4倍
・男性は勝ち負け、女性は共感で動く

1-4. どう伝えるのか

「何を」の部分のUSPが強ければ、ストレートに伝える。分かりにくいUSPや興味を引き付ける必要がある時は、ひねりが必要。ユーザー起点で相手がメッセージを受け取るための仕組みを設計する。

①王道の文章構成

①結論
②否定
③肯定
④自分の意見
⑤煽り

②コピーの順番
最初の1~2行でユーザーの心をつかめないと、読まれることはない。絶対に伝えたいことや、最後まで読んでもらえる仕掛けを入れておく。

③ユーザーの体験談
適切な体験談のモデルを選定する必要がある。

・同級生モデル(自分と似たような人)
共感、安心感を与える。汎用スキンケア、健康食品などに効果的。
・上級生モデル(あこがれている人)
憧れ、同一化感情を与える。ファッション、メイクアップ化粧品に効果的。
・生徒会長モデル(理想の人)
同一化、あやかりたいといった感情を与える。有名ブランド品、高級品に効果的。
・劣等生モデル(自分より格下で優越感を感じられる人)
自分ならもっと効果が出るのではといった感情を与える。教育系、ダイエット系に効果的。

このとき、女性は比較的同級生モデルを好み、男性は劣等生モデルを好む傾向がある。

2. テクニカルマーケティング

広告のクリック率や購入率などのデジタルデータを分析してコミュニケーションを設計する。「最も多い顧客獲得件数を最も安い広告費で獲得」できるように調節していくこと。

2-1. テクニカルクリエイティブ

すでに出稿されたクリエイティブの顧客反応をもとにクリエイティブをチューニングすること。仮説を立ててから、データで答え合わせをし、課題を見つけることが重要。

①着眼法
他社のうまくいった方法を形式知化して、自社に取り入れるやり方。成果が出ているもの、成果が出ている理由が自分なりにわかっているものを参考にするとよい。

他社広告の分析
・なぜこの広告に目が留まったのか
・なぜこの広告を読もうと思ったのか
・なぜこの広告をクリックしようと思ったのか

②苦情法
自分の足りていないところをデータを元に改善していくやり方。ただし、最初に出したクリエイティブの改善にとどまることに注意する。

・ABテスト
違う2種類の広告を出してどちらがよりクリックされるか?どちらがより購入されるかを計測するテスト。
・AB-Xテスト
獲得単価やCVR、CTRのゴールの数値を設定し、ABテストを行う。

このとき、「何を言うか」「どう言うか」のレイヤーに分けてテストすることが重要。「何を言うか」は商品のコンセプトを決めることになるので、商品、ユーザー、競合を調べて100個のネタを洗い出すことが重要。「どう言うか」についても10個程度つくって自身のあるものから試すべき。仮説を検証するために行う。

最後にチューニングの正しい手順について確認しておく。

①先にクリエイティブを見る
②仮説を立てる
③データで仮説の答え合わせをする
④仮説には出てこなかった課題をデータから見つける

2-2. 利益のためのKPIの設定と計測方法

webマーケターは、利益額を最大化することが責務である。全体利益を増やす方法は、以下の2種に分かれる。このとき、伸びしろがあり得意なところに集中する。

①1人当たりの利益はそのままにCV数(購入数)を最大化する
・広告表示回数を増やす
・効率を上げる(クリック数、購入率を上げる)
②1人当たりの利益を上げる
・獲得単価を下げる(入札単価を下げる、クリック率を上げる、購入率を上げる)
・LTVを上げる(1回購入の客単価を上げる、クロスセルを増やす、継続率を上げる)
※1人あたりの利益 = 顧客生涯価値(×粗利率) – 顧客獲得単価

以上のように利益額を最大化するにあたって、現在の広告投資が適正かを判断する必要がある。

広告投資バランス指標
・月間平均獲得単価実績/上限獲得単価=1 適切
・月間平均獲得単価実績/上限獲得単価=1以上 採算割れの状態
・月間平均獲得単価実績/上限獲得単価=1以下 機会ロスの状態
※上限獲得単価=LTV-1人あたりの利益額

また、利益を以下5つの段階に分けて管理することで、利益が落ちた際に、どこに問題があるか判断することができる。

粗利
・粗利-注文連動費=純粗利
・純粗利-広告費=販売利益
・販売利益-ABC(商品ごとに振り分けた人件費)=ABC利益
・ABC利益-運営費(固定費)=営業利益

2-3. テクニカル運用

データから傾向を見て人間行動の仮説を立て、施策の手を打っていく必要がある。

効果的なブリッジLPの作り方
①クリック率とクリック後の購入率が高い広告を作成する、②広告をクリックして訪ねた人の購入率が高いページを作成する、の2つが重要である。そのために以下4つを確認する。

・ターゲット理解
・広告と飛び先のページとのマッチ
・広告、ページの純粋な質
・広告の配信者と、そのメディアと広告ページがマッチしているか

テクニカル運用の鉄板公式
テクニカルな運用は、①獲得単価の増減、②ROASの増減、③獲得件数の増減、の3つが基礎となる。何か課題が生まれたときは、以下の公式に合わせて、どこの数値を変えていく必要があるか判断する。

①獲得単価の増減
「クリック単価の増減」と「CVRの増減」からなる。「クリック単価の増減」は、「入札額の増減」と「CTRの増減」からなる。「CVRの増減」は、「BLP遷移率の増減」と「HLPのCVRの増減」からなる。

②ROASの増減
「獲得単価の増減」と「客単価の増減」からなる。

③獲得件数の増減
「クリック数の増減」と「CVRの増減」からなる。「クリック数の増減」は、「表示回数の増減」と「CTRの増減」からなる。

用語は以下参照。

・CVR
商品の購入に至った率。購入数÷クリック数
・CTR
クリックに至った率。クリック数÷インプレッション数
・BLP
広告原稿とHLPとのギャップを埋めるためのリンク先のページ
・HLP
販売用のリンク先のページ
・ROAS
広告の費用対効果。売上金額÷広告費

以上です。長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
また次回!

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