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「資産形成の方法について」(第7章関連)(2023.6.7ディベート)

今回は資産形成の方法についてのディベートを行いました。

議論では大きく分けて以下の4つの方法が挙げられました。
・金現物保有
・個人向け国債
・iDeCo(個人型確定拠出年金)
・投資信託(積み立てNISA等)

金現物保有

メリット
・世界情勢の変化に強く、株安、紛争、テロなどの際に安全資産として購入する人が多い。
・金の価格はここ数年上り調子である。
・貨幣はいくらでも発行できるのに対し、金の埋蔵量には限りがあるので一定の価値が保たれる。
デメリット 
・現在の金の価格は約1900ドル/1トロイオンスに対し、数年前までは金の価格は1200ドル~1500ドルの間を推移していた
・金の価格は円の価値にも左右される→現在は円安(売り有利)で現在の日本における資産形成としては推奨されない

個人向け国債

メリット
・個人向け国債は最低1万円単位から購入することができる
・個人向け国債は時価が変動せず、途中換金をしても元本割れをしないため安定した資産 運用ができる
・固定金利、変動金利があるため時勢に合わせた購入ができる
・変動金利10年は最低金利が年率0.05%に設定されているので超低金利の時期でも多くの 銀行よりも高い金利を得ることができる。
デメリット
・経済状況によっては、実質的な価値が下がる可能性も、金融政策が変わることにより、価値が下がる恐れがある

iDeCo(個人型確定拠出年金)

メリット
・複利効果を享受しやすい
・一般NISAとつみたてNISAは運用時の分配金と売却時の譲渡益のみ非課税であるのに対し、iDeCoは拠出時、運用時、受取時それぞれに税制優遇があるため節税効果が高い。
・転職・離職の際にそれまで積み立てた年金資産を持ち運ぶことができる
デメリット
・原則60歳まで引き出せないため急な入用に対応できない

投資信託(積み立てNISA等)

メリット
・自動的に分散投資ができる
・資産の分散、地域の分散、時間の分散という3つの分散で、株価変動リスク、デフォルトリスク、金利変動リスク、為替変動リスクを小さくできる
・2024年から始まる「新しいNISA」でつみたて投資枠・成長投資枠として併用が可能になり、非課税保有期間は無期限化、年間投資枠はつみたて120万・成長投資240万と制限が緩くなる
・資金の払い出しが自由である
・職場という身近な場を通じて、NISAを利用した資産形成ができるよう事業主等が利用者(役職員等)を支援する福利厚生の増進を図ることを目的とした職場つみたてNISAという新しい制度がある

デメリット
・投資信託を行っている人の半数が損失していて、損失率は~10%の人が35%であり、利益率~30%の人が35%~40というデータがあり、確実に資産を増やせるわけではない

職場つみたてNISAについて補足
 <金融庁での実施概要>
 ①職場を通じて、つみたてNISA・iDeCoの情報提供
 ②投資を学べる機会を提供
  ※職場ポータルサイトによる情報の提供や金融機関によるセミナー開催など
 ③口座振替で積立投資が可能
 ④定額積立による投資(つみたてNISA)が、内規等に抵触しない旨をあわせて周知
・平成29年12月末時点で導入企業は8685社ほど。

まとめ

4つの資産形成の方法を取り上げましたが、ゼミ生の半分が投資信託(積み立てNISA等)を選びました。それぞれの方法にメリット、デメリットがある中で小さい金額から始めることができる点や時間と投資先を分散し、低いリスクで運用できる点などが理由で投資信託を資産運用の方法として好ましいと考える学生が多かったです。国債情勢や円安・円高、自身の収入や貯蓄を加味した上で資産形成をする必要があり、実際に自分たちが預貯金以外の方法で資産形成するのにハードルがあるように感じました。

参考資料
藤川太『投資経験者こそ「個人向け国債?」』, 朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/ads/start/governmentbond/03/

50代、60代からでも間に合う「じぶん年金」 「iDeCo+つみたてNISA」で2000万〜4000万円!?. 朝日新聞. 2021-11-19, 週刊, p.30, 朝日新聞クロスサーチ, https://xsearch.asahi.com/top/
iDeCoとNISAの比較 | iDeCo(イデコ) | 松井証券 (matsui.co.jp)
https://www.matsui.co.jp/ideco/study/nisa/?mnu=sd
iDeCoから移管 - 株式会社日本企業型確定拠出年金センター (ndc-center.jp)
https://ndc-center.jp/column/transfer-from-ideco

三菱マテリアル,「なぜ今純金積立が注目を集めているのか」
https://gold.mmc.co.jp/primer/begin/junkin-tsumitate/
三菱マテリアル,「金投資のメリット・デメリットとは?」
https://gold.mmc.co.jp/primer/begin/asset-management/merit-demerit.html
田中貴金属工業株式会社,「年次金価格推移」
https://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/y-gold.php
楽天証券,「『有事の金』はもう古い!?金投資の新常識に迫る!」
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/special/gold_talk/
豊トラスティ証券情報マーケット情報,「NY金」
https://www.yutaka-trusty.co.jp/market/price/overseas/metal/n_gold/
「金」を買いたがる日銀OBたち,日経速報ニュースアーカイブ,2022-05-17,日経テレコン
https://www.jsda.or.jp/anshin/content/tsumitatenisa201712.pdf
「職場積立NISAの導入状況等について」(平成30年3月)NISA推進・連絡協議会
https://www.jsda.or.jp/anshin/oshirase/shokubatsumitate_nisa.html
日本証券業協会
https://www.smtam.jp/pickup/nisa/workplace/
企業型確定拠出年金と職場つみたてNISAの比較
三井住友トラスト・アセットマネジメント
金融庁「NISAを始める前に」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/knowledge/basic/index.html

金融庁 新しいNISA https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/index.html
新しいNISA.pdf https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/leaflet_202305.pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nenkingakkaishi/38/0/38_38/_pdf/-char/ja
金融広報中央委員会 各種分類別データ(令和元年) ― 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)|知るぽると


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