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太平洋序曲 3.22 14:00

楽しみにしていた太平洋序曲に行って参りました!ソンドハイム生誕祭です✨

キャストはこちら↓

感想

歌唱力高すぎるだろ…という感想がまずでてくるこの作品。作品自体が好みだったか、と聞かれればあまり好みではなかったと答えてしまいますが、なんだか異様に楽しさのある不思議な作品でした。

項目別に感想を書いていきます!

キャスト

山本狂言回し
あぁ、この人がこの物語の語り手なんだなというものすごい説得力のある、そんな狂言回し…歴史の改変もしれ〜っとしてそうなそんな感じ笑

1回で話すセリフ量が異常に多いので、かなり大変だとお見受けしますが、流石は山本耕史さん。圧倒的にスラスラと言ってましたね…すごい!!

そこにいるだけで異質な存在、という雰囲気を放っていてまさに狂言回しという役にピッタリでした。

海宝香山
凄く似合っててよかった〜!!
最初の方の腰がめっちゃくちゃ低い感じとか、その後のだんだん出世していく感じとかも良いし、何よりラストの、万次郎を目の前にした時がまーーじでよかった!!

相手が万次郎だったと知った瞬間のリアクション、なんで…という表示、その全てが最高でしたね。

思ったより曲数が少なかったのが残念だったけど、歌う曲全てが安心信頼のクオリティで流石です☺️

ウエンツ万次郎
水平スタイルがよく似合うこと…可愛い!
制服に和服着せられて、老中?になりすましさせられてる様が最高でしたよ笑

そしてアメリカに向かって勢いで乗り切るあたりもとても良い!笑

前半が可愛くて面白い要素満載な分、最後の闇落ち(ではない)が際立って、なんで…万次郎…ってなるまでがセット。

セリフの言い方も、歌もめちゃくちゃ好きです✨

脚本

大元の歴史的事実がある上で脚色されたこの作品ですが、話はあまり進まない印象です。
進むとしてもいきなり数年単位で時が飛ぶ、そんな感じ。

各国との攻防が音楽を通して粘り強く描かれていたり、香山と万次郎が俳句を通して少しずつ心通わせてる様子が描かれていたりするところは丁寧でとても好きでした!!

でも、話のクライマックスが本当に5分ないくらいの印象なので歌唱力がなかったらアウトという気はします…

もう少し、それぞれの人物を深く掘っていったら好みの作品になるかもしれない〜!!

セット

舞台美術がめちゃめちゃ良かった!!
上手奥の丸い部分に色々な情景が見られるのがすごい👀

船どうするんだろ?と思っていたら船の先端部分だけ見せていてすごい!ってなりました。舞台の後ろの方×高いところなので圧倒的な何かが来た感があって、見せ方上手い!ってなりました。

同じ場所を使って、小道具を変えただけにも関わらず、香山の家は閑静な雰囲気を醸し出していてその差が出ることにも感動。

大きなセットはないので、同じ空間を違う小道具を使って変えていく見事な舞台美術だったと思います!

あとセットには関係ないけど、殺陣について書いちゃう!
香山と万次郎のスローモーション殺陣が、見せ方うまくて好きでした。舞台でスローモーションを観てる時、これは今役者さんがゆっくり動いてスローモーションに見せてるんだよなって不思議な気持ちになるんです。笑

音楽

1曲がめちゃめちゃ長い…!笑
でもあの歌唱力浴びられるので耳が幸せでした♡

ただ!
これ圧倒的な歌唱力だからこの長さで成り立ってるんだぞ!?とは思う😂

基本的に感情を歌う楽曲というよりは状況説明の曲なのが余計に長くさせてるのかな?
だからかもしれないけど、めちゃめちゃ感情入れて歌ってる!って曲が少なめでもう少し欲しい感はありました。

でもほんとに、全員で歌う部分の厚みが言葉では形容できないくらい半端なくて、このワンフレーズだけでもお金払う価値あるなって思わせてくれるので、大変楽しかったです。

曲が間延びする vs 歌唱力高すぎて楽しい
で戦った2時間弱でした😂

個人的に好きだったのはペリー来港時の民衆の歌と冒頭の歌。前者はスッキリで海宝さんとウエンツの2人で披露された曲だったので、曲自体を知っていたのも大きかったかな。

いやもう歌が上手いんだわ!!笑
そもそも、ワンフレーズ目からメロディーラインが大好きです。

冒頭の歌は、全員で歌った時の感動がぶわって押し寄せてきたのが勝因ですね…あと、コロコロ変わる情景も見応えがあって面白かった✨

最後に問題のNextについて書いていいですか?笑
日本史詳しくないので、詳細な解釈は出来ないんですけどものすごい皮肉を感じる曲だなあと。

次は日本がアジアに同じことをするぞ!みたいな部分とか、ゾワってなっちゃいました。

音楽とダンスの勢いがかなり好みだった反面、映像があまり気に食わなかった…
きっとあの映像に意味があるんだけど、それを私には受け取りきれなかったので、なんだあれ…?となってしまいました。

ダンス、作風からは少し離れたような激しいダンスなのがなんだか異様な雰囲気でそれが好きでした☺︎

おまけ

この作品、一時は上演時間問題で大荒れしてどうなることかと思いましたが、私はこちらのバージョンの方が好きかもしれません!

歴史に詳しくないので、このくらいの時間でシュッとまとめてもらった方が見やすい印象。音楽が削られてしまってるのだけは悲しいけど、こちらのバージョンで間延び寸前なのを見るとこれでよかったのでは!?という気持ちになります!

今回荒れた原因は作品の上演時間ではなく、チケット売る前に言ってよの部分だったのでこれからは出来る限りの情報を発売前に出して欲しいものです。

梅芸さんの作品、好きなものが多いので頑張ってくれ…!!

ソンドハイム生誕祭

①オーケストレーション
私的に1番面白かったのがこちらのお話!
和楽器をほとんど使っていないのが驚きでした…

演奏しているのが和楽器じゃない、と頭でわかっていてもやはり和楽器に聞こえるのが凄すぎてさすがはソンドハイム大先生です。

アフトの最後にはオケの皆さんが舞台上まで出てきてくださったので、お顔を見られてとても嬉しかったです♪素敵な演奏をありがとうございました!

②変拍子
これもとても興味深かったですね。
オーケストラはずっと3拍子なのに、歌は2拍子が入ったり4拍子になったり…笑
一体どうなってるの⁉という感じですが、しっかりとまとまった曲になっているんだからすごいですよね。

オケだけの演奏と、歌入りの両方で聴かせていただきましたが、もう見てるだけのこちらの頭がこんがらがっちゃいましたよ笑

③転調
転調しすぎてもはや転調とは?となりかけそう。
照井さんが実演してくださいましたが、難しいのはオケより先に歌が入らなくてはいけないということらしいです。指標がないまま転調するのあまりにも恐ろしいです笑

オケだけで転調なしスペシャルVer.を演奏していただきましたが、転調にちゃんと意味があるんだなと実感できる貴重な体験でした

④フレージング
最後はこちら。
4小節続くのではなく不規則…
これまた演奏・歌う側としてはたまったもんじゃないですね笑

ソンドハイムはしっくりこない方が正解!と(確か可知さんが)おっしゃってましたが、ほんとあの気持ち悪さがソンドハイム楽曲の魅力ですよね✨

さて、今回の感想はこの辺で終わりにします!
日本史をもっとちゃんと学んで、何処までが本当でどこまでがフィクションなのかをはっきり見分けられたらもっと楽しいかも?と思ったりしました!

千穐楽まで完走できますように🚢
素敵な作品をありがとうございました!


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