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バレエシューズとは

初めてのアルバイトは、ファミレスのオープニングスタッフ。

大量採用で、同じ高校の友達が10人は採用されていたと思う。何故か全員女子。
女子はホール、男子は厨房で、厨房男子は他校男子が10人近く働いていた。

念願の『ウェイトレス』と思ったら、オープン前研修初日に「君はご案内係ね」と指名され、
お水すら運べない、メニューを持って席に案内するだけの係となりました。

ホール女子と厨房男子は、仕事柄接点が沢山あるので、あれよあれよと仲良しになるけど、私は店長とレジ係の社員さんとしか接点はない。
たまーに、マネージャー。

ある日
誰かがレジ横でこぼした水を、マネージャーがモップで拭き取った直後にそれは起こった。


ドッテーーーーーーン!!!

パンツ丸見えで尻もちをついた私。

モップの拭き残しの水に、足を滑らせたのだ。
かなりの勢いで尻もちをついた激痛と、恥ずかしさとで、一瞬パニックになったものの
恥ずかしさを隠すために、何事も無かったかの様にお客様をご案内する。

そう。
「靴は白いバレエシューズを用意して」
という言葉に、バレエレッスン用の靴底がツルンツルンの真っ白なシューズを履いていた私。


よく見ると、他は全員『白い上履き』を履いていた。

ホール係の女の子は、マネージャーから
「バレエシューズとは、白い上履きのこと」と、説明をされていたそうで。

関西出身の店長は上履きのことを
「白いバレエシューズ」と呼び
「バレエシューズってどういう靴?」と訊ねた私に母が差し出したのは、以前姉が使っていた


靴底がツルツルの

バレエレッスン用のバレエシューズ


それは滑りますわ。


初めてのアルバイトは、初めて自分で稼いだ思い出というより、何とも切なくて微笑ましい尻もちの思い出。


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