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#64 他人にはあなたの居場所はつくれない

 ときどき「自分の居場所がなくて辛い」という方がいます。

 居場所や、職場での居場所のつくり方について、まとめてみました。

”居場所”とは

 ”居場所”には、2種類あります。

「あなたがあなたらしく居られる、心が安らぐ場所」と「自分が必要とされていると感じられたり、人から期待され、その期待に応えられる場所」です。

どちらも共通して言えるのは、”居場所”はあなたにとって居心地の良い場所でなければ、”居場所”にはならないということです。
 この2種類が、ひとつに纏まっている方もいれば、職場と家族、そのほかのコミュニティなど、いくつかに分かれている方もいます。

 いずれにしても、居場所を手に入れるためには、あなた自身が手を伸ばさなくては、望む居場所は手に入りません。人は、誰かが用意してくれた場所で、満足することは難しい生き物なのです。

”居場所”を見つけるために必要なこと

 ”居場所”がなくて、「”居場所”がない」と嘆いている時間があるなら、自分で手に入れるための行動を起こしましょう。
 あなたに自己承認欲求と他者承認欲求があるように、相手も同じように持っています。プラーベートでも仕事でも、ありのままのあなたを受け入れてくれ、あなたの望むことだけをしてくれる人は滅多にいません。

 ”居場所”を持つためには、あなたが相手に何かを与える(give)必要があります。周りからのgiveを受けとる(take)だけでは、足りないのです。

 つまり、あなたと相手が、giveとtakeの両方をし合うことで関係姓が確立され、そこに”居場所”ができるのです。giveだけ、takeだけでは矢印が一方通行で、最終的に依存し合う歪んだ関係性になります。そのように歪んだ関係から形成された”居場所”は、仮初であることが多いです。

プライベートと職場の人間関係の違い

 プライベートでは、親しい人の紹介などで広がる関係もありますよね。そういうときは、初めて会う相手でも「〇〇さんの知り合いだから」という前提があるため、お互いに距離感が掴めますし、そこから関係を気付くことができます。
 そして、自分の居心地の良い人たちと付き合えば良いわけで、無理に気の合わない人たちと合う必要もありません。giveだけtakeだけの関係も、互いが満足しているのなら、成立することもあります。

 一方、職場の人間関係は少し異なります。まず、同僚は、友人でも恋人でも親でもなく、仕事をするために集まった集団だと認識しましょう。
 友人関係とは違い、気が合う、合わないといった、あなたの好みで、付き合う相手を選ぶことはできません。本来のあなたとは、考え方や背景が異なる人たちも多いため、あなたの常識が相手にとって常識とも限りません。
 また、誰かの知り合いだからと言って優遇されることはありますが、それが必ずしも”居場所”に繋がるわけではありません。環境や人的に得られる立場や立ち位置と、自分で決める”居場所”は同じではないからです。

職場での”居場所”とは

 基本的に、複数の同僚と仕事を進めていく職場では、2種類の”居場所”のうち、「自分が必要とされていると感じられたり、人から期待され、その期待に応えられる場所」の要素が強いです。
 価値観がバラバラな集団の中で、「あなたがあなたらしく居られる、心が安らぐ場所」を探すのは、よほど仕事が好きで、バリバリと働き、成果を出せる人でないと至難の技です。

職場での”居場所”のつくり方

 では具体的にどうしたらいいのでしょうか。

 仕事ができるようになる

 仕事のために集まった集団ですので、仕事が周囲の信頼に値するレベルでできるということが必要です。もちろん、仕事ができることに越したことはありませんが、突出している必要はなく、その時点で求められることをクリアしているかが、重要なポイントになります。

 仕事ができれば、仕事人としての自分を認められますし、同僚や上司からも仕事を任せられる人だと認められます。

 人として信頼される

 信頼できる人かどうかということも、居場所づくりには大切なことです。
 仕事に関する信頼と人としての信頼を得れば、あなたの職場での立ち位置ができ、それを維持して確立することで、そこがあなたの”居場所”に変わっていくからです。

 職種にもよりますが、仕事はバリバリだけど、コミュニケーションが取れない人や、人を蹴落とそうとする人より、仕事は人並み程度で大きなトラブルがなく、人として穏やかな人の方が重用されることが多いです。

 同僚たちがあなたのキャラクターを把握する

 あなたがどういう人か、ということを周囲の人に知ってもらうことは、あなたの居心地の良さに大きく影響します。つまり、あなたの考え方や嗜好を相手が知ると、無理に合わせなくても良くなります。

 例えば、あなたが悪口や陰口を言う人たちとは距離をおきたいとします。悪口をよく言っている集団に参加しないとか、悪口や陰口についてコメントをしないことを続けましょう。
 初めは、同調しないあなたに対して何か言ったり、したりする人もいるかもしれませんが、あなたがなびかなければ、「悪口大会に参加しない人」と認識され、そういう人たちから距離を置かれます。ストレスフルな会話を聞く必要もありませんし、無理に話を合わせる必要もありません。

 「〇〇さん(あなた)はこういう人」というキャラクター像を相手が持つと、その概念の中で、ことが足りるようになります。

 ここで注意したいのは、職場で嫌われないようにするあまり、あなたのキャラクターを封印し、周囲に合わせた振る舞いをして、相手の持つあなたのキャラクター像が、本来のものからかけ離れてしまうことです。そのような八方美人的な言動は、周囲のイザコザに巻き込まれ安いですし、何よりあなた自身がしんどくなってしまいます。
 もちろん、一度認識されたキャラクター像を変えることはできますが、それには労力も時間も必要になってしまいます。

あなたの”居場所”をつくるのはあなた自身

 あなたの”居場所”をつくれるのは、あなた自身の他にはいません。例え、どんなにあなたを愛し、慈しんでくれる相手があなたの場所を用意したとしても、あなたの心がそれを受け入れ、満たされなければ、そこはあなたにとって”居場所”ではありません。

 「”居場所”がない」と嘆いている時間があるなら、自分で手に入れるための行動を起こしましょう。行動を起こさなければ、”居場所”はいつまでたっても持つことはできません。

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