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なすすべもなく

黄疸も消え、2月に無事退院できた母。
退院後もダルさと食欲不振は続き、ほぼ寝たきりの毎日でした。

笑顔は消えて無表情に。
元気づけようとコメディ映画を見せても、しんどくて見れない。
何も食べたくない。

何とか生きている。そんな状態でした。

父は葬式の心配をはじめるし…あ~もうダメなのかな、そんな心境でした。

日に日に状態が悪くなっていく母。
再度黄疸が出て、すでに留置したステントの内部に細いチューブを入れてもらいました。

いつまで生きられるのだろう…
ずっと寝たきりで苦しむ毎日。
何もしてあげられないのが辛かった。

そんな中、3月に父からの提案で有馬温泉へ。
本人がガリガリの身体で恥ずかしいと言うので、お部屋に露天風呂がついた宿を父が1泊プレゼントしてくれました。
庶民の私たちが泊まったことのないような、高いお部屋です。
父は生きている間の最後の思い出作りに..と思ったみたいです。

温泉につかると痛みがマシになると、とても喜んで何度も入っていました。
食欲はないけど、もったいないからと、お食事もがんばって食べてくれました。

「もう一度泊まりたい」と、翌月の4月には母の貯金から自分で出して、もう一度泊まりに行きました。

2022年2月から4月まで、状態は確実に悪くなる一方でした。
このころから、色々な本やブログで何とか母の癌を奇跡的に治す方法はないものか…と探し始めました。


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