見出し画像

境界知能について

不登校について色々調べていると、発達障害と共に知的障害の事例が出てきます。家には当てはまらないため、あまりピンとはきてませんでしたが、不登校の親の会でも紹介があり、悩み深い問題と感じておりました。
以前、書店の店頭で当時ベストセラーになっていた「ケーキの切れない不良少年たち」という本のタイトルに興味を感じ、内容を確認しないで買って読んでみたのですが、想像していなかったショッキングなことがテーマでした。所謂知能指数(IQ)は100が標準でTV等では高い事例が紹介されることが多いですが、低い事例についてはほとんど報道がないと思います。
この本は精神科医である著者の知見から、知的障害者を取り巻く環境と犯罪との関連性について社会的認知と必要な対応を著していますが、前提となるデータが衝撃的です。
これを質問されて答えられる方は少ないと思われますが、まずは知的障害の基準となる知能指数がかつては85であったのに、そうすると対象者が全人口の約16%とあまりにも多くなってしまうため、70に切り下げられたということです。
70だと約2%になり、社会的にも特別な対応をしてする対象とするとまあ妥当ということでしょうか。
ここで大きく問題になってくるのが、70〜85の約14%いる境界知能の人たちです。「学校が難しくなっている」というブログでも触れましたが、境界知能の方は学校教育でも高校以上では通常扱いとなり、支援のスキマに入ってしまい、本来様々な支援が必要なのに健常者と同じ土俵で社会生活を送っていかなければなりません。
そして心理学でいうところの認知機能の低さから社会適合に難があるため犯罪を犯す、繰り返すことが多くなってしまうとのことです。
2017年の調査によると、刑務所の受刑者の内、約17%が70以下の知的障害者、約34%が境界知能相当者とびっくりするほどの高い構成比となっています。
この問題は不登校問題以上の社会的課題である可能性がありますが、社会的認知は極めて低く、対応も不十分であるのは間違いありません。
著者によれば適切な対応策を取れば、個別にはなりますが相応の改善は図れるとのこと。
まずは認知を高めるようにしていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?