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ファストファッション罰則法

 報道によりますと、フランス国民議会(下院)はファストファッション広告の禁止や低価格の輸入衣料品に対して罰金を科す法案を全会一致で可決したとのことで、今後上院で採決され可決施行されると、2025年から1点あたり5ユーロ(約813円)の罰金が科され、30年までに段階的に10ユーロ(約1,630円)まで引き上げられるとのことです。
※罰金は1点あたり最大半額まで
 納付された罰金は持続可能な衣料品ブランドの支援等に充てられるとのことで、EC事業者に焦点が当てられており、フランス国内に実店舗を持つ事業者は対象外とのことです。
※具体的には主にシーイン(SHEIN)がイメージされているとのこと。
 この背景にはファストファッションは低賃金かつ劣悪な環境で人々が働いているケースが多いことや短期間で着まわせられたり、余剰在庫が廃棄されることも多く、生産者が製品の廃棄やリサイクルまで責任を負う「拡大生産者責任(EPR)」の考えに基づき対応が必要なことがあります。
 フランスのこととは言えこの報道にインパクトが強いのは、効率や低価格、大量消費を疑いなく是としてきた社会へのアンチテーゼであるからです。
 これは行き過ぎた消費社会、効率化社会の弊害に対応する必要に迫られてきた社会の現状を表しており、環境問題への関心や理解が高まっているとは言え、あまり実感を感じていない人も多い中、ライフスタイルを変化させる必要性に迫るインパクトがあります。
 今回はECが対象であり、特に中国企業がイメージされていますが、今後は最も身近な実店舗のファストファッションチェーンも対象になったり、何らかの対応が必要になってくるのは避けられないでしょうし、世界的な風潮に拡大することは容易に想像出来ます。
 また拡大生産者責任の観点に立てば、ファストファッション以外のさまざまな消費物についても同様な歯止めがかかる可能性は極めて高いと思われます。
 今回のフランスでのアクションがショックではなく、消費生活を見直し、地球を守るムーブメントに繋がるよう考えていきたいと思います。

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