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イライラしないための対処法

Forbes Japanには2019年5月5日付けで次のような記事が掲載されており、NewsPicksにてPickされているのが目に止まりました。

「ああイライラする。人に腹が立って仕方がないときの対処法」

( https://forbesjapan.com/articles/detail/27020 )

以下一部転載。
「就職・転職・人事異動や進学・進級などで人間関係に変化があり、ストレスを感じている。異動のない職場や夫婦関係など、長く停滞した人間関係に嫌気がさしてきている。
ちょっとした一言やディスコミュニケーション、信じられないような裏切り、積年の恨みつらみ……。人に対してイライラすることは誰にでもある。しかし強い怒りの感情はストレスになる。血圧や心臓、脳や睡眠にも影響を及ぼすとも言われる。…」

記事内では、編集長による怒りの感情を早く取り除くための「10の対処方法」が挙げられていました。私自身はと言えば、20代前半までは常にイライラしていることが多く、様々なイライラと向き合ってきました。当時は、「イライラ状態9割、平静状態1割」といった感じでした。今では人が人生において使えるイライラの殆どを使い切ってしまったかの如く、逆に「イライラ状態1割、平静状態9割」となっています。僭越ながら、「100の企業で働いた男の仕事術」(2011)では、「短気な人ほど穏やかになれる」や、「心を落ち着かせる3つのポイント」、「トイレに行くたび笑顔になる」として、多少触れさせて頂きましたが、改めてイライラでお悩みの方の参考までに現状における私のイライラに対する考え方や対処方法をいくつか挙げさせて頂こうと思います。


1、「イライラは自分の体を傷つけていると認識する」

先ず、「イライラは自分の体を傷つけている」という認識が不可欠です。実際に試したことはありませんが、人間が怒ったり、イライラしている時に吐いた息の中には毒素が含まれており、その息で満たされた袋の中に虫を入れると直ぐに死んでしまうそうです。これは人間の体でも同じことで、イライラの毒素は自分の体を徐々に傷付けていくことになります。実際に、私自身もイライラが激しかった20代半ばで大きく体調を崩し、「このままでは死ぬ」と実感した経験があります。そこで、もう少し長生きするためにはイライラを溜め込まない、イライラを溜め込まないためにはイライラを作らないことが先決であると考え、イライラを作らないためにそれまでの思考習慣や生活習慣を正しい方向へとパラダイムシフトさせたことで、ここまで生きてこれたという実感があります。


2、「イライラを生み出す嫌われ者を理解する」

イライラを生み出す嫌われ者ほど、「私は誰からも好かれる存在であり、相手は私のことを誤解しているだけだ。きちんと理解して貰えれば私のことを好きになるはずだ。」という、思い込みや勘違いが強い人間が多いものです。そのため、自分のことを嫌っている相手に対して、好かれよう好かれようとまとわり付いてきます。お互に干渉しない適度な距離感を保っていれば何の問題も起きないのですが、嫌っている相手の立場としては、自ら「私を殺して下さい。」と言いながらまとわり付くことを止めず、最終的には自分が殺されるまで気付かない人たちでしかありません。そんな嫌われ者に対しては、いざとなったら「条件付きで殺してしまっていい」と考えることです。殺していい条件とは、「嫌われ者を殺す際は、自分も腹を切る。」と覚悟することです。つまりは、自分の命と引き換えに、嫌われ者を殺す価値があるかどうかを事前に見極める必要もあります。大抵の人は、自分の命を他人の命以上と感じますので、価値が釣り合いません。しかし、「イライラは自分の体を傷つけていることである」と前述した通り、自分が何も行動しなければ、時間の経過と共に相手に殺されるだけであるという認識も忘れてはいけません。


3、「人を相手にせず、天を相手にする」

西郷南洲翁遺訓の遺訓25条には、次のようにあります。「人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして、己れを尽し人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬべし。」(人を相手にしないで常に天を相手にするよう心がけよ。天を相手にして自分の誠を尽くし、決して人の非を咎めるようなことをせず、自分の真心の足らないことを反省せよ。)イライラの原因を、他人のせいにしたり、外的な要因のせいにしたりせず、全ては自分の心や自分の行いが引き寄せたことであるとする、ということです。自分の真心が足りていないことを反省出来るならば、それに越したことはありませんが、最初から実行するのは難しいものです。あるべき姿をカラーでイメージしながら、徐々に徐々に自分を変え習慣化することで、身に付いていくものであると私は考えます。人を相手にしなくなると、イライラもなくなっていきます。自分が変わることとは、自分が行動することも含みます。相手に行動して貰うのを待つのではなく、自分で行動すれば問題を生み出す構成要素の一部を自分で変えてしまうことが可能です。問題というものはいくつかの構成要素から作られており、その構成要素が一部でも変わってしまうと、当初の問題が当初の問題として存在しなくなります。イライラする相手との接点を自らで断つのも、イライラという問題を構成する構成要素の一つを変える行動であると言えます。


4、「怒りのパワーを最大に利用する」

私は、「イライラ状態9割、平静状態1割」から、「イライラ状態1割、平静状態9割」へと変わったと前述しましたが、イライラ状態9割の時というのは、何か怒りのパワーがイライラで分散してしまい、怒らなくてはいけないここぞという時には怒りのパワーを最大限に発揮出来ない状態でもありました。逆に、平静状態9割の現在では、怒らなくてはいけないここぞという時に、自分でも驚くほど最大限に怒りのパワーを発揮でき、相手を真正面から叩きのめすことや退かせることが可能となりました。怒りのパワーを無理して貯め込む必要はありませんが、無駄なところで消費しない方が賢明であると言えます。


上記は思いつくことをざっとまとめたものではありますが、現状においては「世の中には目を開けたまま寝言を言ってくる人たちや、日中でも眠ったままで行動する睡眠不足の人たちが多くいるのだ」という事実に気付き、「嫌われ者には嫌われてこそ本望」という前提で行動するようになったことで、私は以前のようにイライラすることが少なくなりました。


中山兮智是(なかやま・ともゆき) / nakayanさん
JDMRI 日本経営デザイン研究所CEO兼MBAデザイナー1978年東京都生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。
お問合せ先 : nakayama@jdmri.jp

記事:MBAデザイナーnakayanさんのアメブロ 2019年5月6日付

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