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感性消費が強まるポストモダンマーケティングにおけるリバイバル消費

先日の2019年03月18日(月)付日本経済新聞夕刊には、顧客志向が多様化しポストモダンマーケティングにおける感性消費が強まる中での最近の消費動向や背景などについて次のような記事が掲載されていました。

リバイバル消費、なぜ今?

( https://www.nikkei.com/article/DGKKZO42590350Y9A310C1EAC000/ )

以下一部転載。
「…昔のヒット商品の復刻版などを懐かしんで購入するリバイバル消費は市場をけん引するような「主役」ではありませんでした。これに対し、今のリバイバル消費は主役。しかも過去の商品を売るだけではなく、往年のヒット作を今風に作り直しています。日本は今や成人人口の約8割が40代以上。人口も減少傾向で、新商品はなかなか売れません。若者も消費離れの傾向にあります。このため今どきのリバイバル消費の担い手は40~50代が中心です。…」

更には、

キーワードは「再定義」というか、「再構築」です。例えば18年のミリオンセラーになった「漫画 君たちはどう生きるか」は80年前の本ですが、漫画という形でリメークして当たりました。作業服販売大手のワークマンはファッション性を高めたカジュアルウエアの新業態「ワークマンプラス」などが人気です。
「企業はマーケティング戦略の見直しが必要です。宣伝や販促を強化するという意味ではありません。ネスレ日本の高岡浩三社長は「顧客の気づかないような問題を発見すること」と話しています。社会と寄り添う組織にして、問題を探す仮説力が一段と重要になると思います。」

今起きているリバイバルブームの牽引者といえば、やはり秋元康さんではないかと私は考えます。秋元さんは、80年代に一大ブームを巻き起こした「おニャン子クラブ」(1985~1987)を、AKB(2005~)としてリバイバルされ、おニャン子クラブ以上のブームを巻き起こしています。

私はこれまでに秋元康さんの講演を会場にて複数回拝聴させていただく機会があったのですが、秋元さん曰く、「時代を超えても人が求める本質は変わらない。時代によってツールや伝え方が変わる。ツールや伝え方にアンテナを張って捉えることが重要。(要約)」という言葉が印象的でした。

ファッションに関してのリバイバルは12~20年サイクルで起こる事が以前から言われていました。実際に、私が20代の時は、流行に敏感な人達の中ではモッズファッションがリバイバルしていました。これは私の親世代である団塊の世代が若い頃にビートルズファッションに熱狂していたリバイバルと言えます。

同様に、今の若者たちを見てみますと、その親世代が過ごしたバブル期のファッションをリバイバルしている傾向が強くなってきているように感じます。具体的には、真っ赤な口紅、大きなサイズの柄入り眼鏡、大きなロールなパーマ、バンダナ、MA-1など、最近ふとした際に私の目に止まるようになってきました。

最近では、シリコンバレーにおける若手起業家の「再現性」に注目する先端的な人たちも出てきました。再現性とは、謂わば普遍的な要素を伴うリバイバルの事でもあります。

ネスレ日本の高岡浩三社長が仰るように、企業は今起こっているリバイバルブームを起こす要因となっている問題や構成要素を解析し、問題解決に繋がる提案や潜在的なニーズであるインサイトを見つけ出すことが求められる時代になってきているという認識を持ち実行に移すことが重要であると私は考えます。


※こちらは2019年3月21日(木)のnakayanさんの連続ツイートを読みやすいように補足・修正を加え再編集したものです。


中山兮智是(なかやま・ともゆき) / nakayanさん
JDMRI 日本経営デザイン研究所CEO兼MBAデザイナー
1978年東京都生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。
お問合せ先 : nakayama@jdmri.jp

記事:MBAデザイナーnakayanさんのアメブロ 2019年3月23日付

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