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ビブリオバトル in ララガーデン春日部

9月14日(土)は、知的書評合戦「ビブリオバトル in ララガーデン春日部」にバトラーとしてではなく、観覧者の一人として紛れ込んできました^ ^
会場でスマホにメモしていたものを、以下にコピペしておきますので、ご興味ある方はどうぞ^ ^

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◆13:00〜大人の部

①久喜市在住の カケイさん 
紹介本:「晏子」宮城谷昌光著
要約メモ:春秋時代のお話。
晏弱(あんじゃく)父、天に忠実に生きた人。
晏嬰(あんえい)息子、言葉で生きた宰相として名高い。
晏嬰は外交官として他国(楚)へ。楚は晏嬰をバカにする為に犬用の小さな門を用意。晏嬰は「楚は犬の国か」と切り返す。
作者の漢字とひらがなのバランスが絶妙。
「眇眇たる平野」「土にねむった」など。
司馬遷も惚れた晏子。


②春日部市在住の ミヤタさん
紹介本:「暖簾」山崎豊子著
要約メモ:明治から昭和、大阪の商人のお話。舞台は昆布問屋、浪花屋。
ハッタゴヘイは15歳で大阪へ。丁稚から暖簾分けまで。イメージは朝ドラ男性ヒロイン版。
ゴヘイの息子、長男は経営の教育を受けていたが戦争へ、次男が家業を継ぐ。次男は教育を受けていないが感が働くタイプ。父亡き後に孤立無援で店を立て直す。東京中心の経済時代に大阪商人魂を発揮。
読むと元気が出る。日本人が忘れてしまった魂がある。関西の食文化の食育にもなる。大旦那の役どころが好き。


③三芳町在住の マエシマさん
紹介本:「道をひらく」松下幸之助著
要約メモ:約50年前、中学生の時、祖父が持っていた本。出典はPHPに連載したエッセイをまとめたもの。
とても簡単な言葉で書かれているが奥深い。
10代、20代、30代、その時々で文章の受け取り方が変わってくる。
松下幸之助は経営者としてだけではなく、哲学者である。
全ての基本は「素直な心になりましょう」。
"自分だけしか歩めない大事な道ではないか。 自分だけに与えられているかけがえのないこの道ではないか。 "
→自分の道を見つけることが人生で大事という事に気付かされた。


④さいたま市在住の オオタさん
紹介本:「長いお別れ」中島京子著
要約メモ:認知症と介護の問題についてのストーリー。
書き出しがとても突飛。
後楽園、メリーゴーランドには子供だけでは乗れない。そこにたまたま出くわした老人が一緒に乗る。その老人が認知症だった主人公のヒガシコウヘイ(父)。ヨウコ(母)は、父の認知症の進行度を伝えるために、誕生日に娘たちを呼ぶ。
三女に対して医者は、「頑張るしかない」という。長女の次男は米国で認知症を「ロンググッバイ」(長い別れ)ということを知る。
言葉も理性も失われていくが、夫婦の間には長い間築いてきたコミュニケーションの歴史がある。
映画にもなっている。5月に山崎務、蒼井優主演。


⑤さいたま市在住の オノヒロユキさん
紹介本:「大人もおどろく「夏休み子ども科学電話相談」」
要約メモ:2016年夏のまとめ。
夏休みに毎年NHKラジオで、子ども科学電話相談をやっている。そのリスナーとして昔から聞いていた。今年から夏だけではなく毎週日曜に放送実施。
文章は会話文ばかりで、
⑴50個の質問。「へぇー」と納得することばかり
⑵どこから読んでも大丈夫
⑶子どもと大人のやりとり
子どもからの難問奇問でも、その道のスペシャリストたちが丁寧に分かりやすく答える。
答え方のパターンは2つ。
⑴結論ファーストから詳しく説明する
⑵質問に質問をして、子どもに考えさせる

例)Q.「鏡に映ると反対になるのは何故ですか?」
A.「現実の世界と鏡に映る世界では、前と後ろが逆になっているから」


→私は①番に投票。
⇒チャンプ本は⑤番。


◆14:00〜高校生の部

①春日部女子高校 カナヤマさん
紹介本:「チュベローズで待ってる」加藤シゲアキ著(アイドル)
要約メモ:上・下2冊で完結。
ホストクラブのお話。
主人公コウタはNo.1ホストのシズクから直接スカウトされホストへ。周囲からやっかみ、嫉妬。
シズクの彼女からの取引。シズクの内部情報をよこせばコウタをNo.5にする。
客としてミツコが来店。ミツコは企業の面接官。最終面接でコウタを落とした。
アム、同時期に入ったホスト。売上金を盗み失踪。オーナー水谷、アムとの関係性に何かがある。


②春日部高校 ナガサワさん
紹介本:「童の神」今村翔悟著。
要約メモ:
平安時代のヤンバ、鬼、源頼光のお話。
オオギマル(主人公)
貴族だか差別された人々と、朝廷の戦い。
「盗みを行なっている貴族」vs「ヨリミツ四天王」。
映画のようなスケール感がある。歴史(時代物)なのに人間的。戦いが美しく感じる。人間の力強さが描かれている。
血が流れる、貴族も朝廷も同じ人間の血を持つはず。
ハカマダル、殺しは行わないが盗みを行う。


③春日部女子高校 イイダホトリさん
紹介本:「お迎えに上がりました。 国土交通 省国土政策局幽冥推進課」竹林七草著
要約メモ:幽霊、地縛霊、妖怪のお話。
主人公はアサギリユウカ。就職した企業が直ぐに倒産。臨時職員として幽冥推進課へ。
ツジカミ、課長(妖怪)
ネコ。喋る(妖怪)
ドロメキ先輩。経理担当(妖怪)
幽冥推進課は、道路工事などを邪魔する地縛霊などを取り除くことが仕事。
地縛霊⑴山田さん。タクシーに乗せて欲しい。乗せると、シートがびっしょり。
本を手にしたキッカケは、読者フェアでプレゼントされる「猫じゃらしのしおり」が欲しかった。


→私は②番に投票。
⇒チャンプ本は②番。


【nakayanさんの総評】

 私が以前にどこかに記載した内容と同じになり、本日のチャンプも仰っていましたが、ビブリオバトルでは、紹介本にどれだけ良い本や思い入れの強い本を選ぶかではなく、今回はどんな人が投票者なのか?という事前のマーケティングがとても重要です。マーケティングを行なった上で、ターゲット層を明確にして、このターゲット層にはどんな本が好まれるのか?響くか?と考えた上で、紹介本を選ぶことがチャンプへの近道であると言えます。
 加えて、高校生の読書家たちは哲学書や実務書とは無縁で、漫画小説みたいな本が好きな人たちばかりのようです。高校生にとって今からでも始められるビジネス書みたいなものが必要かもしれません。更には、ビブリオバトルというトリガーは、保守的な学生生活をおくる高校生たちにとって、プレゼン能力を高めるという側面からは非常にいい機会になっているのではないかと見て取れます。自己PRではなく、他者(本)PRなので入り口としては入りやすいのではないかと私は考えます。


中山兮智是(なかやま・ともゆき) / nakayanさん
JDMRI 日本経営デザイン研究所CEO兼MBAデザイナー
1978年東京都生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。

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