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マチネの終わりに(11.1公開)試写会


たった三度会ったあなたが 、
誰よりも深く愛した人だった ―

東京・パリ・ニューヨークの彩り豊かな街並みを舞台に、
音楽家とジャーナリストの男女二人が、出会い、悩み、そして愛した六年―

原作は、芥川賞作家・平野啓一郎の代表作「マチネの終わりに」。
ラブストーリーでありながら、人生の苦悩、
世界の分断や対立といったテーマを織り交ぜ、
登場人物たちの心情の変化を緻密に描き出し、大きな話題を生んだ。

主演は、アーティスト、俳優として、常に第一線で活動を続ける福山雅治。
天才ギタリストとして名を馳せるも、現状の演奏に満足が出来ずに自分の音楽を見失い苦悩する蒔野聡史を熱演。
そして、蒔野と惹かれあうジャーナリスト・小峰洋子役には映画、ドラマ、CMなどあらゆるジャンルで活躍する女優・石田ゆり子。
運命に翻弄されながらも、六年の歳月を歩んだ男女の姿を二人が情感豊かに演じる。
さらに、伊勢谷友介、桜井ユキ、木南晴夏、風吹ジュン、板谷由夏、古谷一行ら、まさに実力派俳優陣が集結。

愛とは何か、人生とは何か。
今冬、切なくも美しい大人の愛の物語が、ついにスクリーンへ。
交錯する想い、あらがうことの出来ない運命
情熱と現実の間で揺れ動く二人の愛の行方とは。

©公式HPより


10月27日(日)。たまたま機会に恵まれ、東宝本社にてnote主催による11月1日(金)公開の「マチネの終わりに」の試写会に参加してきました。

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photo source by ©2019 nakayan.

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試写会終了後の私の率直な感想としては、「大人の恋愛というものはないのかもしれない」という事と「哲学者カーライルの忘却の黒いページ」が頭を過りました。

「大人の恋愛というものはないのかもしれない」とは、恋愛というものは年齢を重ねても変わらないものなのかもしれないという意味です。恋愛とは、理性を超えた本能に近い感情による恋愛であればあるほど、変わることがない、或いは、変えることができないものなのかもしれません。そのため理性では、コントロール出来なくなってしまい、年齢を重ねても同じようなことをしてしまうのかもしれません。大人の恋愛とは、ただ単に大人と言われる年齢の恋愛でしかないのかもしれません。

加えて、原作の平野啓一郎さんの着想は哲学者トーマス・カーライルの「現在と過去」(1843)あたりからきているのかもしれません。カーライルは、

「忘却は黒いページで、この上に記憶はその輝く文字を記して、そして読み易くする。もしそれ悉(ことごと)く光明であったら、何にも読めはしない」(トーマス・カーライル)

と言っています。

仮に、過去が黒いページであればあるほど、現在を輝かせるならば・・・。
仮に、この世の中における事象は「1」を最小単位として始めて存在できるとした場合、過去と現在がそれぞれ独立した「1」+「1」ではなく、過去と現在がワンセットで1/2+1/2=「1」となるならば・・・。
仮に、現在を輝かせることが出来きた時、それは同時に過去の色を変えることになるならば・・・。


10月26日(土)の福のラジオにて、マシャ兄と石田ゆり子さん共に、「平野啓一郎さんは最後のシーンを伝えたいために、マチネの終わりにを書きかったのでは?」と仰っていましたが、私も「確かにっ!!」という感じでした。

試写後の会場の様子は、皆さんそれぞれに何か考えるところがある様子でした。



…試写後のnakayanさんは、苦悶の表情を浮かべ、その場にしばらく立ち尽くしていました。

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「@東宝本社」 photo source by ©2019 nakayan.


中山兮智是(なかやま・ともゆき) / nakayanさん
JDMRI 日本経営デザイン研究所CEO兼MBAデザイナー
1978年東京都生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。
お問合せ先 : nakayama@jdmri.jp


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