波平から福山 若返る50代像


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…シニア消費に詳しい未来ビジョン研究所(東京・新宿)の阪本節郎所長に聞くと「若い世代から見た50代のイメージは変わった」と指摘する。

阪本所長によると1970年代までの50代のアイコンは山村聰さんや小林桂樹さんなどの渋い名優で、「雲の上のような存在」と話す。昭和のお父さんを代表するサザエさんの磯野波平さんは54歳。公式プロフィルにも「威厳と貫禄たっぷりのお父さん」とある。

だが年代とともにアイコンは様変わりする。80年代は石原裕次郎さんで兄貴的な要素が強まる。00年代は渡辺謙さん。50代を「格好いい」までに引き上げた。そして今の50代アイコンは俳優でアーティストの福山雅治さんや佐々木蔵之介さん。格好いいだけでなく「何でも話せそうな親近感のある50代になった」と阪本所長は分析する。…

このおじさん像の変化。身体の若返りだけでなく、昭和から令和に至る消費志向も影響している。80年代までの消費キーワードは「卒業」。コラムニストの堀井憲一郎氏は日経MJのインタビューで「かつては消費者が大人にならなくてはならないという意識が強かった」と指摘している。

昭和はアイドルもゲームも大人になるために卒業した。小学館のコロコロコミックは小学5年生までの男子が主な対象で、異性への興味が高まる頃に卒業する。コロコロコミック編集部はそれを「元服」と言っていた。

だが今は違う。「アイドルも作る側が『アイドル、ずっと好きでいいですよ』っていうかたちに変えていった」(堀井氏)。ライフサイクルの定型が崩れ、何歳になっても大人になれない、大人にならない人々が急増した。この流れはアイドルのみならず様々な売れ筋の変化を演出している。

1つは卒業がなくなるため、世代を超えたブランド、商品サービスが強い。ユニクロ、スポーツシューズは言うまでもなく、映画化されている少年漫画の「名探偵コナン」がそうだ。「見た目は子供、頭脳は大人」のキャッチフレーズのごとく、ユーザー層は男女、年齢と境目がない。…

私は昭和53年生まれですが、私の卒業遍歴は、小学校低学年でコロコロコミック卒業、小学校高学年で週刊少年ジャンプ卒業、中学校で週刊少年マガジンへ進級し、高校に入ると分厚い漫画雑誌にカッコ悪さを覚え、ヤング系統の青年コミックへ進級し、20歳前後で周囲は漫画離れをしていませんでしたが、私は「このままではアホな大人になる。」と漫画はほとんど読まなくなりました。

そのため漫画は「ドラゴンボール」、アニメは「ガンダム」がギリギリで、「ワンピース」や「エヴァンゲリオン」などの話題に全くついていけませんでした。

当時は、サラリーマンがスーツ姿で分厚い漫画雑誌を読んでいる姿への「カッコ悪さと稚拙さ」という偏見がかなり有りました。失礼ながら「この人はオタク系か」という認識でした。

その後、一時期サラリーマンでも分厚い少年漫画雑誌を読んでいる姿を多く目にするようになりましたが、最近は、スマホになったのでしょうか?あまり目にしなくなりましたね。


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