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Happy Elementsの仕事 『グラフィックデザイナー』職種の紹介

この記事は「Happy Elements カカリアスタジオ デザイナーアドベントカレンダー2023」の4日目の記事です。

はじめに

こんにちわ!「あんさんぶるスターズ!!」チームでグラフィックデザイナーをしていたS.T. です。現在は新規開発部に所属しています。
今回はHappy Elements カカリアスタジオの 「グラフィックデザイナー」 の職種紹介をさせていただきます。

まず、ゲーム会社の「グラフィックデザイナー」 と聞いても、どういう仕事をしているのかピンとこない方も多いかもしれません。

弊社で「グラフィックデザイナー」と呼んでいる職種は、ゲーム業界を見渡すと、呼び方も違えば会社によって担当する領域もあまり定まっていない職種だったりします。

「グラフィッカー」「2Dデザイナー」「UIデザイナー」「2Dアーティスト」単に「デザイナー」などなど…色々な呼び方を見かけます

この記事では弊社の 「グラフィックデザイナー」がどんな領域の仕事をしているのかを、実例を元にご紹介し、弊社に興味をもっていただいているかたに具体的なイメージしていただけるようになればと考えています。


HappyElementsの「グラフィックデザイナー」とは

単純に「グラフィックデザイナー」と聞くと、一般的にはWebサイトやポスターなどの平面的なグラフィックを作ったり、ゲーム業界においてはイラストを描いたりする仕事をイメージする方が多いのではないでしょうか。

次の図は弊社の主な職種です。その中でグラフィックデザイナーは、枠で囲まれた範囲を担当します。※タイトルにもよります

枠の色が2つありますが、大きく分けて2つの領域に分けています。

まず赤枠が 「ゲーム自体のデザイン領域」 です。ゲーム本体のデザインをする仕事、いわば「ゲームを作る仕事」と言えます。
そして、青枠が 「ゲームの外側のデザイン領域」 ゲームの周辺のものを作る仕事です。

今回はこの2つの領域で、それぞれどんな仕事があるのかをご紹介します。


『ゲーム自体』のデザイン領域

まずはゲーム自体のデザイン領域の話からしましょう。
当然ながら「ゲーム会社のグラフィックデザイナーの仕事」のメインはここです。その中でもメインとなるのが 「UIデザイン」 です。

『UI』とは?

「UI(ユーザーインターフェース)」は「ユーザーとコンピュータとの間で行う、情報や信号のやりとり・ルール」という説明がよく用いられます。

すごく大雑把に言うと ユーザーが接する画面全体のことだと思っていただけると良いかなと思います。
ゲームに限らずアプリや家電などユーザーが主にデジタルなものと接触する際に入力・出力・表示をするものがUIです。

今でこそアプリやWebを指すことが多いですが、みなさんが日頃使っている家電製品、例えばテレビのリモコンや洗濯機のボタン、自動販売機やエレベーターのパネルなんかも「UI(ユーザーインターフェース)」です。

ゲーム全体のUIを作るのが、
HappyElements カカリアスタジオのグラフィックデザイナーの
大きな仕事の1つです。


ゲームのUI制作に求められる能力とは?

一般的に、アプリのUIデザインは「使いやすさ」が求められます。
ここでいう使いやすさに関連するスキルとしては、『設計力』や『情報を整理し、UIに落とし込む力』などが挙げられます。いわゆる『デジタルプロダクトデザイン』と言われる分野です。

それに加え、ゲームのUIの分野においては、『ワクワクするビジュアル』を作るグラフィックのスキルと、ゲーム体験を通してユーザーに楽しいと感じてもらいたいという意識が重要になってきます。

次の項では実際の業務の例を元に、弊社でのグラフィックデザイナーがどういった役割を担当しているのかをご紹介します。


今回は『あんさんぶるスターズ!!』で2022年に実施した 「バレンタインも激務!?」 という季節のミニゲーム開発を例にお話します。

UIデザインの4つのフロー

機能開発において、グラフィックデザイナーの関連する部分は大きく、
「設計」「デザイン」「実装」「演出」 4つのフローに分かれており、それぞれ求められる能力が違います。順を追って説明していきます。

【1.設計】

ゲーム会社の場合、企画を専門に行う職種が存在します。
(プランナーやゲームデザイナーと呼ばれます/ここも会社によって名前が違ったりするのですが今回は詳細は割愛)

企画担当から「今度のバレンタインはこういうミニゲームを作って、ユーザーさんにこういう楽しみ方をしてもらおう」など、全体の建付けや、どういった機能が必要かなど、概要をまとめた『企画』が共有されます。

グラフィックデザイナーは企画書を元に、機能としてどういう体験をさせるか、そのためにどんな情報が必要かなどを考え、画面やフローの設計を行います。

ワイヤーフレームを組んで、企画担当やエンジニアに共有し、企画が目指したい体験にできそうか、機能の抜け漏れや、流れに違和感がないかをチェックしたりします。
このとき、必要に応じてグラフィックデザイナー同士でレビューを行います。

📌 ワイヤーフレームの制作については、弊社の場合はAdobe XDやFigmaを使う場合もあれば、Photoshopでカンプを作って共有することもあります。ケースバイケースですね。


2.デザイン

ワイヤーフレームを作り、チームでの合意が取れたら
実際の画面デザイン・グラフィックを作っていきます。
その時、まず全体のグラフィックコンセプトやトンマナを決めていきます。

この年に関してでいうと 「バレンタインも激務!?」 というタイトルが決まっていたので、プレイヤーが様々な予定(ミッション)を分単位でこなしていくバタバタ感を、机の上に文房具や書類が散らしたり、傾いたオブジェクトを多用して「忙しい」イベントであることをグラフィックでも表現しています。

また、例年「バレンタイン」のキャンペーンは(同時期にリリースされるイラストがピンク系が多いこともあって、)アプリ全体としてピンク系の色を採用する場合が多いのですが、同じピンクでもその年の企画のテンション感や、市場のトレンドを意識して、全体のトーンを決めていることが多いです。

こういった、「どんな画面にするか」という部分もグラフィックデザイナーに任されます。当然ながらロゴデザインや、アイテムのイラストなんかもグラフィックデザイナーが制作します。


3.実装

デザインが決まったら、それをゲームエンジンに組み込んでいきます。
弊社の場合「Unity」というゲームエンジンを採用しているため、そのツール上でデザイナーが画面を組み立てていきます。

アプリを動かすプログラム自体はエンジニア職が開発するのですが、
デザイナーは「見た目」の部分を実装します。

画像をそのまま配置すれば良い…というわけではなく、
1つ1つパーツを分解し、ゲームの進行によって差し替わる部分を指定したり、テキストはテキストデータとして別で用意したり、「文字が長い時どういう表示になるか」や「画面が広い端末の場合どうなるか」「ミッションをクリア済みの場合どうなるか」などを考慮した「見た目」の実装をします。

例えば、下の画像の右側の画面だと素材画像が枠外にはみ出していたり、変なかたちの画像があったりしますが、これも「1つの画像を使いまわしてなるべく容量を節約する」ためであったり「複数の画面比率に対応するため」だったりと、「ゲームのデータ」として実装するためにも様々な考慮をデザイナー側でしています。


4.演出

最後に、引き続きUnityのツール上でアニメーションや演出をつけていきます。

これは画面によってはあったりなかったりしますが、大体の場合は何かしら演出が入ることがあります。
画面全体にかかる演出もそうですし、例えば「ボタンを押したときのアニメーション」なども作る必要があります。

こういったUIの演出やアニメーションは、会社によってはアニメーションデザイナーが行うケースもありますが、弊社のようにスマートフォン向けアプリの会社ではグラフィックデザイナーが行うケースも多いと思います。

また、近年ではゲームのみならず、いわゆるサービス系アプリでも高度なインタラクションが必要とされているケースが多く、
ゲーム以外でもUIデザイナーを目指したいというかたは今のうちからアニメーションのスキルを身につける努力をしてもいいかもしれません。

こうして1つの機能のUI制作が完了します。

もちろん新規ゲームのUIを1から作る場合や、逆にもっとシンプルな機能を作るときなどは多少の違いはありますが、大まかな流れとしてはこんなことをやっています。

それぞれの工程で必要となるスキルを見ていただくと、
最初に書いた「プロダクトを作るスキル」「グラフィックを作るスキル」のどちらもが必要というのがわかっていただけるかなと思います。

より詳細な内容については過去のアドベントカレンダーを御覧ください。



【実例2】運用デザイン

普段スマホゲームを遊んでいたら定期的に「イベント」や「ガチャ」などのキャンペーンが行われているのを見ると思います。

コンシューマゲームの会社だとあまりないですが、運用型ゲームでは定期的にキャンペーンを行っている事が多く、ここにもグラフィックデザイナーの仕事があります。(もしかすると、グラフィックデザイナーと聞いてイメージしやすいのはこっちかもしれません)

ここではまた「あんさんぶるスターズ!!」のイベントを例に上げて実例のご紹介をしたいと思います。


企画、コンテンツ制作

といっても、こういうイベントなどの運用クリエイティブ制作も
大きな流れはUIデザインとそう変わりません。

まず最初に「企画職」が 「こんなイベントをやります」 と企画をします。

それを受けて「イラストレーター」「アニメーションデザイナー」「シナリオライター」が、イラスト/モーション/シナリオなどのコンテンツを作ります。

グラフィック制作、ゲーム用素材加工

最後に、それらをグラフィックデザイナーがゲーム内で使用できる形に加工します。「あんスタ」の場合は、毎回イベントごとにロゴやアイテムのアイコンなどのグラフィックを制作します。

イベント毎に増減しますが、グラフィックデザイナーの業務量としては長くて5営業日(40時間)ぐらいで、このようなイベントやガチャ、季節のキャンペーンなどを、大体年間80回ほど行っています。

その他にも「新しい衣装が追加される」であったり「特別なスカウト」「3Dアニメに連動したイベント」「CD発売のキャンペーン」など大小様々な企画が走っていて、こういった「運用」だけでも毎月40個前後の業務が発生します。

色々なグラフィックを作るのは大変ですが楽しいです

こちらも過去のアドベントカレンダーで実例を紹介していますので、興味がある方はそちらをご覧ください。




『ゲームの外側』のデザイン領域

ここまでゲーム自体の仕事について実例を紹介してきましたが、
次に 「ゲームの外側の仕事」 についてご紹介をします。

ゲームの外側のデザインについて説明するに当たり、まずゲーム会社の種類について簡単にご説明します。

そもそも、ゲーム会社には種類がある

まず前提として、ゲーム会社というのは大きく2つの業態があります。
デベロッパーと呼ばれる開発会社と、パブリッシャーと呼ばれる販売元です。

ゲーム業界では、

「パブリッシャー」がゲームを企画

「デベロッパー」がゲームを開発を受託

「パブリッシャー」がそれを販売

というのがよく見る構図かと思います。

更に複雑になると、また別の会社が宣伝を進めたり、グッズはグッズで専門の会社があったり、Webも専門の会社にお願いしていたり…などですね。

その上で、HappyElementsはパブリッシャーでありデベロッパーです。
「自分たちで作ったゲームを自分たちで提供している」という点が強みとしてあり、企画→開発→販売(配信)を一気通貫でできる特徴があります。

📌 もちろんタイトルや状況によって、外部の会社に制作をご協力いただいているケースもあります。

ですので、例えば「グッズデザインやWebサイト制作を内製化」 であったり、 「開発者自身がゲームのプロモーションに携わる」 といったことができるため、グッズやWebサイト、プロモーションのデザインもグラフィックデザイナーの仕事として存在します。

社内制作の実例

「あんさんぶるスターズ!! ES idol song seazon3」CDジャケットデザイン
「あんさんぶるスターズ!! ES idol song seazon2」CDジャケットデザインの流れ
各種キャンペーンWebサイト制作
SNS用の告知画像
野外大型広告

その他にも、ゲームの外側でどういった仕事をしているかは過去のアドベントカレンダーもご覧ください!



最後に

最後にHappyElementsのグラフィックデザイナーとして感じていることをいくつかご紹介したいと思います。

世の中のいろんなことに興味を持つのは大事

この記事でもご紹介した通り、弊社のグラフィックデザイナーの業務範囲は他の職種と比べてやや広いです。
そのため、色々なものに興味を持って観察する事が大事です。

アニメやゲームを見ていても単に「楽しいな〜」と見るのではなく、演出や表現でUIやグラフィックに取り入れられることがないかを考えたり、街中の広告や商品のパッケージから新しい発想を得たりなど、アンテナを貼ることが大事です。

なんだかんだスキルアップも大事

平面グラフィクから設計力やアニメーション、他の職種とコミュニケーションを取りながらものづくりをする力など、幅広いスキルが求められるため、日頃からスキルアップをしたり、新しい技術・トレンドをキャッチアップする姿勢を大事にしています。

社内でもキャリアに応じての技術力の水準を作り、業務内外でのスキルアップを評価するなどの取り組みを行っています。

楽しい

これはグラフィックデザイナーだけではないのですが、ゲームを作る仕事は楽しいです!
特にスマートフォンゲームの場合は、ユーザーの方からの反応がすぐに返ってくるので、良くも悪くもいい刺激になります。(UIデザインやグラフィックはあまり話題になることが少ないので、ぜひ皆さんSNSなどで話題にしていただけると中の人が喜びます)

ゲームのグラフィックデザインのお仕事に興味のあるかた、ぜひ一緒に働きましょう!ご応募お待ちしています!




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