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「調子に乗る。」くらいがちょうどいい

ネコ型ロボットのテレビアニメに出てくるガキ大将のセリフ

「の〇太の奴め、調子に乗りやがって。」

そんなことを本当に言ったか言わずかはよく覚えてはないが、
この世界ではあまり「調子に乗る。」ということがポジティブな意味で使われていない。

テレビドラマで、主人公が河川敷で絡まれている多くの理由はやはり

「調子に乗りやがって。」

これによって、私たちも小さい頃から「調子に乗る。」と良くないことが起きるかも。と刷り込まれ、「調子に乗る。」ことを無意識に制限されてきたのだろう。
 
 
 

しかし、その一方で大谷翔平選手にホームランが出ない日が続くと…

「イマイチ調子が出ませんね~。」という。

逆に連日ホームランを打つと…

「調子に乗ってきましたね~。」という。

世界の第一線であれだけの活躍をする大谷翔平選手は、
もはや一年中を通じて「調子に乗っている。」だろう。

そうでなければ、MVPなんて取れるはずはない。
 
 

私も似たような経験はある。

明確に覚えているのが大学の論文発表会。
なぜかゼミの中から私が選ばれ、いざ当日発表する教室に入ってみたら、
300人くらいは観衆がいただろうか。

普段、10人くらいの前で発表するのも緊張するのに、
その時はなぜか全く緊張することもなく、すらすらと口から言葉を発し、
質疑応答も難なくこなすことができた。

このときは間違いなく「調子に乗っていた。」と言える。

社会人になっても、何度か似たような経験がある。

突如としてアイデアが降ってきて、企画が通り、仕事がスムーズに進む。

後から振り返ると、なぜその時、そう思ったかを考えても、思考が分からない。再現性がない。

いわゆるゾーンというやつかもしれない。

ただ、そういうときは、自分でも「調子に乗っていた。」という感覚だけは分かる。「必ず成功する」という根拠のない自信もある。

しかし、周りからしたら少し無謀なことを言っていて、批判を受けているかもしれない。

問題なのは「調子に乗る。」と周りから何か批判を受けてしまうのではないかという思考になってしまうと、ゾーンからどんどん離れていってしまうことだ。

大谷翔平選手が調子に乗っても批判されないのは、「礼節がある」からだと私は思う。これは超一流の証であり、人間力という言葉に置き換えられる。

ただ、私も含めて、そんな完璧な人間はそうそういない。

礼節はもちろん大事であり個人で磨く必要はあるが、もっと社会が「調子に乗る。」ことに寛容になってもいい。

それぞれが「調子に乗る。」と、社会はもっと面白くなるはず。
 
 

「調子に乗る。」くらいがちょうどいい。
 
 


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