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【将棋観戦】藤井聡太さん、史上最年少の二冠王。

2020年8月20日、将棋の王位戦第四局。藤井聡太 棋聖 が木村一基 王位 を四連勝で破り、18歳1ヶ月で史上最年少の二冠王となりました。羽生善治さんの最年少記録、21歳11ヶ月を大きく更新したことになります。

王位戦七番勝負を大まかに振り返ってみると・・・

第一局
先手・藤井七段 後手・木村王位
戦型は角換わり腰掛け銀。中盤から藤井七段が猛攻を続け、木村王位がしぶとく受けて粘り続ける展開。1手でも緩んだら木村王位が受け切りそうなところで、藤井七段が最善の攻めを続けて勝利しました。

第二局
先手・木村王位 後手・藤井七段
戦型は相掛かり。木村王位が経験値を生かして、序盤から少しずつ優位を広げていく。藤井七段は劣勢ながらも喰らいついて、相手にとって難解な指し手を突きつける。終盤で持ち時間も少なくなり、木村王位は寄せ切ることができず、痛恨の逆転負け。

第三局
先手・藤井棋聖 後手・木村王位
(この段階で、藤井聡太さんは最年少タイトル保持者になっていました)
戦型は矢倉。藤井棋聖が研究手順をぶつけ、優位を広げていく。終盤でそのまま勝ち切るかと思われましたが、121手目の2一銀打ちが藤井さんにはめずらしいミス。局面がもつれたものの、木村王位は一瞬生じた逆転勝ちの手順をつかみ取れず、藤井棋聖の勝利。

第四局
先手・木村王位 後手・藤井棋聖
(2020年度の木村王位は、藤井さん以外の棋士にはここまで6勝2敗。むしろ調子は良いくらいで、タイトル戦への準備も抜かりなかったはずです)
戦型は相掛かり。木村王位が意欲的な指しまわしでペースをつかんだように見えました。ところが、藤井棋聖は42手目の8七同飛車成りで果敢に斬り込み、ついには木村王位に粘る余地を与えず押し切って勝利。
七番勝負を四連勝で、タイトル王位をも奪取しました。

藤井さんは先の棋聖戦で、渡辺明 三冠(当時)に対して三勝一敗。渡辺さんは棋聖を失冠して二冠に後退するも、すぐ名人位を奪取して三冠に返り咲いていますから、調子は悪くないはずです。
王位戦は四連勝で、藤井さんはふたつのタイトル戦を七勝一敗で乗り切ったことになります。タイトル保持者を相手に恐るべき勝ちっぷり。
もちろん、強いから挑戦者になっているのですが、番勝負を続けていくうちにさらに強くなっている印象です。棋聖戦第四局では、渡辺さん相手に終盤の叩き合いで抜き去ってしまい、王位戦第四局では受けに定評のある木村さん相手に粘る余地を与えませんでした。

また、インタビューなどの受け答えを見ていると、いわゆるドヤ顔がまったくありません。若くてこれだけ勝ちまくっていれば「ドヤァ!!」と勝ち誇った表情のひとつくらい、あっても良さそうなものですが。あまりに成熟した受け答えに、将棋界では「藤井聡太 人生二周目説」がささやかれているそうな。ひょっとして、前前前世も将棋指しだったのでしょうか?

藤井聡太さんが二冠王になる前の将棋界は、以下のような勢力図になっていました。
渡辺明さん 三冠(王将・棋王・棋聖)
豊島将之さん 二冠(名人・竜王)
永瀬拓矢さん 二冠(叡王・王座)
木村一基さん 王位 ※史上最年長で初タイトル
羽生善治さん 無冠に後退するも、タイトル通算99期の実績

それが今では、
渡辺明さん 三冠(王将・棋王・名人)
永瀬拓矢さん 二冠(叡王・王座)
藤井聡太さん 二冠(棋聖・王位)
豊島将之さん 竜王 ※叡王戦での長手数対局でフォームを崩したのかも
羽生善治さん タイトル通算100期への返り咲きを狙う

厳しい勝負の世界とはいえ、わずか3ヶ月足らずで大きな変化です。

以前の投稿でもふれましたが、

藤井さんが対局するときの持ち時間の使い方を見ると、目前の勝負をただ勝とうとするより「さらに強くなろう」としている傾向が見受けられます。

18歳1ヶ月で二冠王というだけでも恐るべき強さ。

けれどハッキリしているのは、彼はもっと強くなる、ということです。

イチ将棋ファンとして、同じ時代を生きられる幸運をかみしめて、一流棋士たちの戦いをこれからも見守っていきたいと思います。

ここのところ猛暑続き。なぜか仕事は忙しく、休みの消化は遅れて夏バテしておりましたが・・ちょっぴり元気が出ました。この社会の片隅に、拙者は自分の持ち場でがんばりましょ。

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