見出し画像

【本】私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力をはぐくみ、格差に挑む

私たちは子どもに何ができるのか 非認知能力をはぐくみ、格差に挑む ポール・タフ
https://amzn.to/2Z7eyV4

親が子供に何をするべきかというのを、変なビジネス抜きに、研究をもとに理路整然と説いた良書。データを元にしているので、実験について述べている部分が多くて一見退屈そうに思えるが、実験結果や要所要所はなかなか読むべきところが多かった。

・・・

子供が非行に走ったり、学校で問題を起こすかどうかは、就学前の親の子供への接し方で決まる。親が子供に対して構う気が起きないほど疲れていたり、他のことを考えていたりすると、子供はそれを察する。

家庭で緊張状態に晒されていた子供は学校へ行っても勉強に集中することができず、周りは敵ばかりなのではないかと考えて、反抗的な態度を取ったり、非行に走ったりするのだ。

つまり、原因は子供にあるわけではない。本当の障害は、親自身がイライラしていたり、うつ病ぎみであったりして、子どもたちに相手をする気力が起きないほど疲れていることだったのだ。

私たちにできるのは、環境要因を改善すること、つまり、子どもに対する大人の行動や態度を変えることだけということになる。

では、親の行動や態度は、どうやったら変えることができるのか?

実は新しいことやる必要は何一つなく、普段、自分がどういう態度を子供にとっているかというのをビデオで録画したりして、見直すこと。そうすると改善すべき点が見えてくるので、それをやるだけでいい。

3歳の息子と1歳の娘の前で、常に疲れ果てた顔をしている私にとって、反省することが多かった。「この著者は、私を見ているのか……?」と思うほど、グサグサ刺さった。

自分の行動を見返すと、改善すべき点ばかりだった。「ママもう疲れてるんだよ。わかってよ」と言うのを子供に言ったり、漫画に出てくるような魂が抜けた顔してみたり、とにかく疲れているアピールをしまくっていた。これは子どもだけでなく、夫にわかってほしいという意味もあるが。

これで確かに、何が解決するわけでもない。子供はお構いなしに、頭突きしてきたり、レゴブロックをぶちまけたり、スマホの充電器を口に入れて壊したりする。

・・・

ここまでは就学前にできることで、中盤以降は学業への問題を述べている。

学業への問題は、自分の子供が幼いこともあって流読み程度だが、ざっくり言うとこういうことが書いてあった。

自分の進路を決めるのは、「学業への粘り強さ」、つまり、学業への行動をどれだけ継続してできるか、どうか、で決まる。

①私はこの学校に所属している
②私は努力によって伸びる
③私はこの学習によって成功する
④この勉強は私にとって価値がある、

上の4つを認識することができれば、学業を粘り強く継続することができる。

えっ、これだけなの!?と思うかもしれない。そうではない。自分の子供に、まだ学業の問題が発生していないので、流しになってしまっているだけだ。

気になる人は是非、本を読んでみてください。

サポートいただけると嬉しいです。皆さんが元気になるような文章を書くための活動費に充当いたします。