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ダイエットなんて必要ない

本屋に行くと、必ず、ダイエット関連の書籍を見かける。

このダイエットというもの、イマイチやる必要があるのかよく分からない。子供の英語教育と同じで、ダイエットをビジネスにしてお金を巻き上げようとしている人達が、情報を操作しているようにしか見えない。ダイエットで推奨される食材や治療は、高価格帯のものが多いからだ。

本当に肥満で動くのすら大変で、ダイエットをしなくてはならない人も、もちろんいるだろう。ただし、普通に生活していく上では、どうも必要なものとは思えない。少なくとも30年近く生きてきた中で、身の回りで体重が原因で体調が悪くなった人は1人もいない。

子供を産んで嫌だったのは、産後すぐに産前まで体重を戻したことが英雄談のように語られていたり、そのような体験談を聞くことだった。

二人を出産した経験から言うと、産後ダイエットなんて一切必要ない。子育てのストレスやアルコールとカフェインを除いた生活を余儀なくされることで、自然と1年経てば産前の体重に戻る。つまり、時間が経過すれば誰でも、何もしなくても痩せるのだ。

だが、特定の食べ物を食べてみたり、何か施設に通ってみたり、保険外の治療を受けたり、正直、情報リテラシーがないとしか思えないような行動を、多くの子供を産んだ母親がやっていた。

同じような思いを、中学生の時にも疑似体験していた。

中学2年生の春、女子達が今日は身体測定だから朝ご飯を抜いたと言っていたことがあった。理由を聞くと、体重測定があるからだと言う。

たかだか朝ごはんを抜いただけで変化する体重を気にすることに、どんな意味があるのだろう、と驚いたし、そんなことを当たり前のように行っている彼女たちを少し軽蔑したことを覚えている。当時の私も、体重を減らすことにどんな意味があるのか、よく分からなかった。

まさに同じ出来事が、産後も経験することになろうとは。産前の「妊娠しているけど、体重を増やしていない」自慢から薄々そのような気配は感づいていたが、妊娠高血圧症などがあるから、産前の体重調整は百歩譲って理解できる。

でも、産後の忙しい時期にダイエット情報を調べ、特定の食べ物を食べ、特定の治療に通うことは、本当にやるべき事なのだろうか。お金も時間もますます限られる中で、そのようれらに意思能力を使うことには、どうも無駄に思えて仕方がない。

育児休暇という限られた時間、やるべきことは他にあるだろうにと思う。本質でないところにオーバーヒートしている人達を見ると、なんだか寂しくなる。

しかも、ダイエットに励む人らに限って、情報処理能力があったり、有能であったりすることが多いのだ。彼(女)らは、数ある情報の中から自分のダイエットに合う食べ物や治療を調べ上げることができる。また、せっせと治療に行く時間やダイエット食材を買うお金を捻出できるのだから、往々にして、仕事などで活躍することが多い。

だからこそ、その能力をダイエットなんかに向けてほしくない。それに向けさせるようなビジネスも、正直いかがなものかと思う。

夫は「詐欺をやるなら、受験かダイエットだ」といつも言っている。効果がなかった時に「それは続けなかったからです」と言って逃げることが出来るからだそうだ。

とにかく、ダイエットは意義がない。もし痩せた先に明るい未来を描いているとしたら、問題はきっとそこではない。

逆に問いたい。痩せた先には、何が待っているのか?

疲れにくくなりたいのなら、筋トレをすればいい。健康になりたいのなら、栄養バランスの高い食事をすればいい。

食事制限をしたり、特定の食べ物を食べて痩せるとか、楽をして何かを得ようなどと考えるのは、センスがない。自分が本当に得たいものは何か考えよう。それは痩せることで得ることができるものなのか、自分の頭で考えよう。そして楽(らく)をお金で買うといった発想は、そろそろやめよう。

どうしても痩せたいのなら、自分に合う仕組みを自ら作るべきだ。例えば歯磨きは毎日するので、歯ブラシにスクワットと書いておく。そうしたら、歯を磨く時にスクワットをするようになる。

ダイエットなんて、せいぜいその程度でいい。食事制限などするべきではない。ダイエットに関する情報も、そろそろ集めるのはやめよう。古今東西、何年もその情報が出回っているというのは、未だ誰も正しいダイエット法を見つけることができていないからだ。その中で自分が見つけるというのは、至難の技である。

だから別に、無理してまで痩せなくていい。あなたの魅力は別に太っているから発揮できていないわけではない。他のところで磨いていこう。

明日死ぬと言われたら、何をするだろうか?大抵の人は、美味しいものを食べるであろう。結局、人間はおいしいものを食べている時が幸せなのだ。美味しいものの中には、砂糖や油がたっぷり含まれている物もあるかもしれない。ただ、毎日それらを食べ続けることができる訳ではないので、別に食べればいいじゃないか。

これらを我慢してまで痩せて「人類は明日死にますよ」と言われたら、あなたは幸せだろうか?きっとそうではないはずだ。

美味しい食事を家族や気心の知れた友人と摂る。これだけできれば、結構、幸せに過ごせるはずだ。それを変に我慢したり、美味しくもないダイエット食品を食べたりして、その先に痩せた自分しか待っていないのでは、愚の骨頂でしかない。

ダイエットなんてするべきではない。ましてや、自分のダイエット結果をSNSなどで拡散するのは勘弁いただきたい。みんな優しいから、いいね!とか、頑張ったね、とか言ってくれるけど、本当は誰も他人の体重なんかに興味はない。

どうやって痩せたかを記載するならまだ有益な情報ではあるが、ただ痩せたよ、という自慢だけなら、載せる意味がよく分からないし、正直ちょっとイタい。

ダイエットをするときちんと栄養を摂らなくなるので、何が良くないかというと、空腹の時は他のことをちゃんと考えることができないということだ。

お腹がすいたな、とか、美味しそうだな、とか、そういうことに頭が行ってしまって、数学の問題を解いたりとか、大事な人生の判断を下す時に鈍ってしまう。これは研究でも発表されている。

ダイエットなんて、するべきではない。好きな時に、好きな人と、食べたいものを食べればいいのだ。人間、痩せる時が来たら、自然と痩せる。大事な決断をする際に空腹でミスをすることがないよう、また、大事な時間やお金を、ダイエットなんかにつぎ込むことがないように、情報に踊らされることはやめよう。

ダイエット以外にあなたの能力とお金と時間を使うことで、もっと明るい未来が待っているはずなのだから。

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