第8ステージ

今日は、録画成功。

フルームは、昨日のステージでマイヨジョーヌを着ることを断ったらしい。マルティンへの遠慮や、自分の力で勝ち取りたいという思いがあったのだろうか。
さすが、人間性も素晴らしいエース。

ツール・ド・フランスは、個人戦でもあり、チーム戦でもある。
私が、自分でやったこともないくせに、自転車レースを面白いと思えたのは、そんなところにある。

チームは、一人のエースを勝たせるために、それ以外の選手は全員アシストとなる。
自転車レースでは、前で空気抵抗を受けながら走ることが不利となるため、アシストがその役目を担い、エースが後続する。
長いレースの中で、アシストたちが代わる代わるエースを先導したり、回りを固めて、安全に走れるようにする。
そして、ゴール間際まで来たら、エースを発射させて、役目を終えたアシストたちは、順位を下げていく。

その献身的な働きは、まるで女王蜂を守る働き蜂のよう。
彼らがいるから、エースが個人総合順位争いに集中できるのだ。
これが個人戦でもあり、チーム戦でもある所以。
だからこそ、エースは実力だけではなく、皆にサポートしてもらえる人間性がなければいけない。

フルームは、イギリスのチームスカイに所属するエースだが、3年前は他のエースのアシストとしてツールに参加していた。その時のエース、ウィギンズは圧倒的な強さで、その年の個人総合優勝に輝いたのだが、フルームらアシストメンバーとの確執が伝えられていた。

翌年には、フルームがエースとなり、リッチー・ポートから献身的なサポートを受けている様子が素晴らしかった。急な体調変化で遅れ始めたフルームに、ルール違反になると知っていながら、ポートは補給食を渡した。二人はペナルティを受けたが、無事そのステージを完走し、その年フルームが総合優勝したのだった。

同じ優勝したエースでも、ウィギンズより、フルームの方が格上だと思った。それで、彼を応援している。

さて、今回のステージは、ゴール前にミュール・ド・ブルターニュという急勾配の坂があった。そこでの、フルームの走りは、登りにも強いエースとしての姿が垣間見え、頼もしかった。
ステージ優勝は逃したものの、マイヨジョーヌを獲得。

ただ、2位のサガンとはそんなに差がない。
他にも有力なエースたちが虎視眈々とマイヨジョーヌの座を狙っている。
強く尊敬されるエース、フルームの明日からの闘いに期待したい。

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