2009韓国_050

リピート・ソウル(1)

海外旅行に行くと、「ここにまた来たいねー。」って言う。
でも、大体二度と行かない。だって、どうせ海外行くなら、行ったことのない国へ行きたいもん。これは、もはや「海外旅行あるある」と言っていい。

だが、リピーターとなってしまった例外の都市がある。
それが、韓国・ソウルだ。

2009年3月に、3姉妹で初ソウル。
2010年2月に、今度は夫婦で。
2011年は2月と11月に、夫婦で1年に2回も。
2014年2月に、夫婦で行ったのが一番最近。

5年間で、通算5回も行っている。
理由として、一番大きいのは、「近い」から。1時間半ほどのフライトで海外に行けるのは、ほぼ国内旅行感覚。
5回とも、2泊3日の日程だったので、土日や祝日にからめて、それほど会社に迷惑をかけずに済んだ。これは社会人としては大きい。会社を休む日が多いほど、後ろめたさがあり、心から楽しめないし、お土産にも気を遣う。

次には、やはり「ハマった」から。
冬ソナのブームの時から韓国ドラマに家族でハマっていたが、初めてソウルを訪れた際の、「韓国ドラマの世界に来られた!」という感動が大きかった。
ドラマを観る→ロケ地に行きたくなる→またソウルに行こう。
と、そうなってしまうのだ。
ドラマだけでなく、Kpopにハマったことも大きかった。
好きな歌手ができる→CDやグッズが欲しくなる→またソウルに行こう。

さて、5回も行ったのだから、さぞやソウルの情報に詳しいのだろうと思われるかもしれない。そして、他の都市にもちょっとは行ってるだろうとも。
しかし、美味しいお店とか、オシャレで可愛いセレクトショップとか、腕のいいマッサージ屋とか、全然知らない。いつもインチョン空港からソウル市内へ直行し、帰りも同じだ。ソウルしか行ってない。
人に自慢できるような、リピーターならではの耳寄りな情報など持っていないのだ。私がソウルに関して語れることは、個人的な思い出だけ。
その楽しかった思い出のいくつかを書こうと思う。

最初のソウル旅では、3姉妹で韓国式のスパに行った。女子旅らしいチョイスである。そのお店で、きゅうりパック、よもぎ蒸し、垢すり、サウナ、チマチョゴリを着て写真を撮る、という色んな要素を詰め込んだコースを選んだ。これだけのことを次々とこなしていくのだが、全部初めてで勝手も分からず、もちろん言葉もほとんど通じず、それがまた面白かった。
垢すりは、真っ裸の状態で風呂場のベッドに寝かされ、おばちゃんたちにされるがまま。いきなりお湯をぶっかけられたり、身振りで「反対向きになれ」と言われ、きゅうりだかなんだかよく分からない黄緑のどろっとしたものを顔にぬられたり、怒涛の施術だった。しかも、垢すりおばちゃんたちはなぜか揃って、黒色のブラとパンツ姿。くるくるパーマの普通のおばちゃんが、セクシー下着なのは笑えた。

朝から昼までの怒涛のスパを終え、送迎の車でホテルに戻った。その時、途中から私は気分が悪くなっていた。なぜか分からないが、胃がムカムカする。
ホテルの前で車を降りると、昼用にキンパ(韓国風のり巻き)を買いに行ってくるという姉と妹に別れを告げ、一目散に部屋に戻った。そして、トイレに直行し、リバースした。今朝食べたアワビ粥をすべて。あんなに美味しかったのに、とちょっと悔しかったのを覚えてる。

どうやら、前日の市内観光の時に雨が降っていて寒かったこと、その日の最後に痛すぎる足つぼマッサージを受けたこと(私だけ痛すぎてずっと叫んでいた)、翌日の朝から怒涛すぎるスパメニューをこなしたこと、それらが一気に私の体調を崩させたようだった。

その午後は私一人ホテルに残り、体を休めることにした。姉と妹は、ホテルから近い明洞の街に出かけた。彼女たちが留守にしている間、私はテレビをぼーっと見ていた。その時に見た音楽番組に出演していたのが、「Gee」が爆発的にヒットしていた少女時代だった。もちろんこの時は日本進出前。初めて見る韓国アイドルのかわいさと、その楽曲のキャッチーさに衝撃を受けた。この経験が、私のKpopとの出会いで、それ以降ハマっていくきっかけとなる。

夜には体調も戻り、皆で夕食をとりに出かけることができた。その時に食べたのは参鶏湯。さすがに、いきなり焼肉行くぞー!とはならず、守りに入って、体に良さそうなものにした。やっぱり旅行中にはしゃいで無理しちゃいけないな、としみじみ反省した、ソウルの夜だった。

つづく。


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