脱線

テレビで、独身の俳優が言っていた。
女性って、すぐ話が脱線しますよね。と。

例として出した話がこれ。
『君のこういうところを直してほしい。』と話した時に、女性が『そう言うけど、あなたの方こそ、こういうところをやめて欲しい。』と言うから、『分かった。それは直すよ。じゃ、さっきの話に戻るね。』という感じで、脱線した話を元に戻さないといけない。

私は、恋人と小さい口論中に、こんな冷静に論理的に話されたら、イラつくし、そんな男はめんどくさいので付き合いたくない。
が、それはさておき。

脱線、ってそんなに悪いことだろうか。
そもそも、先の口論の例では、脱線というより、売り言葉に買い言葉。お互いの言い分を対等に言い合っただけなのに、自分の要望を相手が先に認めなくてはならない、という思い上がりがあるから、脱線という言葉になったに過ぎない。だから、この例は脱線じゃない。
と言いきってしまった上で。

脱線していく話って、楽しいと思う。

いや、全部のケースではなく、あくまで会話する者同士が了承の上で積極的に話題を転がしていく場合。

話がどんどん広がっていくのは、お互いの情報量が多いからで、自分達も思わぬ方向に行き着いたりして、面白い。

そう思ったのも、この前Mくんとの会話の脱線ぶりが単に面白かったから。この会話を記録として残したい。

M「最近、おしっこ近くて、朝起きちゃうんですよ。」
私「分かる、私もそうだよ。起きる時間の一時間前に行きたくなることが多くて、ああもう!と思いながら、また寝られるように、眼鏡もせずにボーッとした状態で行く。」
M「俺はトイレ行ったら起きちゃうんですよー。もう寝れなくて、それが嫌なんですよね。」
私「私さ、トイレ行きたい時、必ず見る夢があって。トイレが汚いとか、人の目の前でしなきゃいけない、っていう状況なの。」
M「あ、それはそこでオシッコしちゃいけない、っていうことでしょ?」
私「そうそう。でも今はそれで止まってるけど、10年とかたったら、もうヤバそう。キレイなトイレが夢に出て来たときはヤバイ。お漏らし。」
M「いやー、俺も子どもの前で絶対お漏らしできないからなー。もしそうなったら、もうオムツします。」
私「私もオムツする!(笑)でもさ、この前夢占い見たらさ、汚いトイレっていい意味があるらしいんだよね。お金貯まる、だっけな。」
M「そうなんすか。蛇の夢もいいっていうじゃないですか?でも、俺、昔蛇の夢見た次の日に、兄貴が万引きで捕まったんですよね。だから、今でも覚えてますもん。」
私「あ!それ、お兄ちゃんが高校停学になって、家で般若心経書いたって時でしょ!!(笑)」
M「(笑)そうですそうです。よく覚えてましたね。」

頻尿あるある→トイレの夢→オムツ→蛇の夢と万引き→般若心経

書きおこしてみると、そこまで転がっていなかったが、とても楽しい会話だった。
お互いが同じ分量で話して、しかも少しずつ脱線していく、というのが気持ち良かったのだろう。
それが相性がいい、とか気が合う、ということかもしれない。

ビバ、脱線話。
ノットビバ、頻尿。

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