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ファーストトリミングの重要性 #1

この記事は2021年6月からインスタグラムに数回に分けて投稿した記事を、加筆修正したものです。

日々、大変な作業を行われているトリマー(グルーマー)さんには頭が下がる思いです。

そんな皆様に何かアドバイス出来るような立場ではございませんが、私たちが飼い主さんとご一緒にトレーニングを行うときに、気をつけているポイントがあります。

それらを何かしら、皆さんのお役に立つのであれば。そう思い、書いていくことにします

1:「初めの出会いが非常に大事」

これなぁに?

犬にとって、人も場所も道具も
「初めの出会いが非常に大事」

犬は人の言葉を使ってコミュニケーションをとるわけではありません。
もちろん言語を使って学習をするわけでもない

では、どうやって学習するのか?
すべては

「その犬自身が体験したことから学習する」

いいこと」も「悪いこと」も、すべてです。

ゼロからスタート

レッスン室・トリミング室・動物病院
犬にとって初めは

「何をされる場所かわからない」

または
「過去の経験から推測して、ネガティブなイメージを感じる」

犬とトリマーさんとの関係性は「ゼロからスタート」
いや、マイナスからのスタートなこともたくさんあります。

もちろんポジティブ経験豊富で、どこにでもウキウキで過ごせる犬もいます。
社会化期の子犬なら、物事に対してすぐ受け入れてくれることもあります

(見た目は楽しそうでも内心ドキドキしてるかもよ)

しかし残念ながら、全ての犬がウキウキでやってくるわけではなく、むしろ多くの犬が、ドキドキ・ビクビクしながら来店してきます。

じゃあ、そこで何をどう気をつけていくのか?

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2:「強く不安を感じている状態からの解放」


よく飼い主さんに、例えてご説明してるのが

初めて来店したときの犬の心情は
人のお子さんが、お化け屋敷に入っている状態と同じ」

その状態で体験することって、なんでも怖いと感じない?

普段ならなんてことない、物が「カタッ」と動く音も緊張状態では、
ビッック!!(固まる)

オバケが現れたら、
叫びながら逃げる(逃走)

友達が後ろから触ってきたら、
ギャー!急に触らないで!!(闘争)

もうパニックです

これを「闘争・逃走反応(fight-or-flight response)」といいます。
または、戦うか逃げるかすくむか反応(fight-or-flight-or-freeze response)
頭文字のFをとって「3つのF」といいます。
これに(脅威に屈服する)放棄(Forfeit)を合わせて「4つのF」

https://ja.wikipedia.org/wiki/戦うか逃げるか反応

そんな状態で「さぁ歴史の年号覚えましょう!」
そんなこと言われても無理だし。

大好きなお菓子をもらったとて、
今いらないよ!!

となるでしょうね。
その子供が望むのは「早くここから逃げたい」
これなんですよね

ちなみに、自分からあえてスリルを体験しに行くのはまた別のお話
(私はこのタイプ)

少し嫌だなと感じている


犬も同じ

初来店時の犬にも、子供のお化け屋敷と近いことが起きていると考えます。
不安やストレスを感じたときに起きるのが「回避・逃避行動」

  • 固まる

  • 逃げる

  • 戦う

  • 放棄

トリミングテーブルや診察台の上に乗せたとき、ジッとしている「固まる」
足を持とうとしたら、サッと避ける「逃げる」
爪切りしようとしたら、暴れたり噛む「戦う」

そして暴れようが何しようが、トリミングは続けられ
さらに抵抗が激しくなる犬もいれば
徐々に抵抗しなくなっていく「放棄」
となる犬もいる

トリマーさんから
(おりこうさんでしたよ)

そう言われたとき
(さて、うちの子は・・・本当に受け入れているのか?)

ちょっと考えてみてほしい

まずは出会い頭から、トリミングを始めるまでの間
あわよくば逃げたい・飼い主の腕から降りたくない

そう感じているであろう犬に
あれ?なんかここ楽しくね?

そう感じてもらえるようなアプローチを、今後の記事では書いていきます。

#2へ
つづきます

トリミング中にちゅーる貰ってる様子

ちなみに写真は、ウチの保護猫さんで一時期セラピーキャット活動(AAA)していたトラさん。今はスタッフのお家でぬくぬくと過ごしています。
セラピー活動することもあり、お手入れレッスンをかなり念入りにした結果、すんなりとトリミングを受け入れてくれます😊

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