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青赤テンポ調整録

3月のManaTradersSeriesで自作した青赤テンポデッキの調整録を備忘として残していく。

1.想定する環境

基本的な考え方は既存の青単。特に参考にしたのはN藤さんの以下の青単

この時の環境は、グリクシス、エスパーレジェンス、白単、赤単あたりがデッキに多く、ちょうどセレズニア毒が日本でセンセーショナルなデビューを果たしたタイミング。さらに、メインに《婚礼の発表》を入れたエスパーレジェンスも台頭していく。

そうなってくると、自然と1マナの除去、特に黒が濃いこの環境では《切り崩し》が多く採用される環境へと移行されると睨んだ。

というのもエスパーレジェンスが採用する《離反ダニ、スクレルヴ》、《スレイベンの守護者、サリア》という鉄壁のディフェンスから繰り出される《黙示録、シェオルドレッド》は強力だし、セレズニア毒にも《敬慕される腐敗僧》、もちろん《離反ダニ、スクレルヴ》と放っといたら面倒なクリーチャーが多くなってきているからだ。

そうなると青単テンポの中でもデルバー(《秘密を掘り下げる者》)の立ち位置は悪くなるものと考え、その他軽量アグロ系(赤単、兵士、毒)についても使う気が起きないなと考えた。

想定されるメタはグリクシスミッドレンジを筆頭に、次点でエスパーレジェンス、その後白単ミッドレンジ、アトラクサリアニメイトと続くものと考えた。

2.デッキ構築思想

グリクシスを筆頭に、エスパーレジェンスが次点…またこの環境かと思われされてしまう。しばらくこのデッキが幅を効かせ続けている。…逆にこの2つのデッキが幅を効かせていた時に活躍していたデッキで思い当たるものがある。

Julian氏の青赤テンポ(と言って良いかはわからないが、ともかく青赤)だった。もちろんこのデッキをそのまま使ってる人がいない以上、このままでは現デッキに対抗することはできないのだろうと考え、青赤テンポを自分なりに調整するという考えに至る。

そのデッキの作り方は…
①既存の青単デッキのスペルを入れる(N藤さんのを拝借)
②デルバーを抜き、寓話を入れる
③3ターン目に寓話をなるべく出したいので、赤12マナを用意する
④サイドを調整
                      ~終わり~

何とも即席感のある構築だが、普段デッキを作らない私からしたら、これでもかなり頑張った方(だと思う…)。

出来上がったデッキを再掲

青単タッチ赤という感じに。赤マナ12枚については、トライオーム、スロウランド、ペインランドと青赤土地の3種をフル採用により担保。軽い青マナのスペルが多く、ジンの効果で軽減もあることから単純な赤マナを出すカードは採用したくなかった。

土地に関して言えば、赤マナは1つでも出てくれれば、後は《鏡割りの寓話》や《知識の流れ》、《知識への渇望》(基本的には前者2つ)でドンドン捨てていく。《知識の流れ》を強力なドローエンジンとするには島が必要で優先的にトライオームと島を置いていくことを意識。ただ、対アグロについては、《兄弟仲の終焉》や赤スペルを複数回うちたくなる場面も出てくるので、赤マナも2~3マナ程度は置いていくイメージ(その場合のレンジは《知識の流れ》が合わないこともある)。

基本的な立ち回りは青単と同じだが、3ターン目に能動的なアクションである《鏡割りの寓話》がある点は異なる。4ターン目は《傲慢なジン》を出しつつ、ジンを守るスペルを握り、《キキジキの鏡像》とも合わせてプレッシャーをかけていく。

冒頭の述べた厄介な軽量クリーチャー達について、対処は《消えゆく希望》のバウンスが中心で心もとないところもあるが、これぞテンポという感じでタイミングを上手くずらし、逆にこちらが《傲慢なジン》でプレッシャーをかけていくことを狙う。サイド後からは頼もしい赤の除去を追加し、《溺神の信奉者、リーア》で蓋をするコントロールプランを狙う。

対策カードとして入る《未認可霊柩車》についても《削剥》で対処可能。また《未認可霊柩車》を入れてくる相手はミッドレンジあたりと推測されるが、ドローゴーの膠着状態を続け、お互いの土地をのばしつつ、霊柩車が定着してしまっても《船砕きの怪物》をフィニッシャーとして勝ちにいくプランを狙う。

冒頭述べた《切り崩し》についても《傲慢なジン》にあたることはほぼ無く、仕方なくゴブリントークンに当てられることになる。《キキジキの鏡像》になる頃には可能であれば守るスペルで守ってあげることもできる。

トップメタのグリクシスに対してはクリーチャーの採用枚数が少なく、《死体鑑定人》を色拘束の強い3/3バニラにする(たいていの相手はそもそも出さない。実はそれでも出された方がきつかったりはする)ことができる点も良かった。

青単が苦手としていたアグロにガードを上げつつ、《鏡割りの寓話》という強カードを採用したデッキで感触は良かった。
ラダーでは《しつこい負け犬》、《墓地の侵入者》を使うラクドスアグロには分が悪いなとは感じつつ、あまり見るタイプのデッキでは無いため気にしないこととした。

見ないし、ヨシ!

3.大会結果

7回戦のスイス結果は以下のとおり。
1R 白単ミッド〇〇
2R グリクシスミッド×〇×
3R 白単ミッドt青×〇〇
4R グリクシスミッド××
5R ラクドスアグロ〇××
6R 兵士×〇×
7R 不戦勝

残念ながら実質的な勝利は得意マッチの白単系統にしかあげられていない。焦点となるグリクシスミッドにとの敗戦2戦を振り返りその原因を探っていく。

2R グリクシスミッド

1G目 お互い7枚キープ。こちら先手で相手の《勢団の銀行破り》、《鏡割りの寓話》を《否認》していく展開。すると4ターン目で相手の土地がストップ。対してこちらは土地は伸びるが能動的にしかけられるカード(寓話とジン)が出てこない。相手はたまらず3/3バニラ状態の《死体鑑定人》を2体並べるが、こちらでうち頃になった《兄弟仲の終焉》で流していく。10ターン目にようやく《鏡割りの寓話》をこちらが引け、そこからはルーティング、ドロースペルにより後続の寓話、《傲慢なジン》を引き込んでいく。相手も5マナまで土地がのび《絶望招来》がやってくるが、持て余していた《かき消し》で2度カウンター。15/4まで巨大化したジンを前にお相手投了。

2G目 相手先手2ターン目の《勢団の銀行破り》を止められず嫌な展開。4ターン目に出てきた《黙示録、シェオルドレッド》は《かき消し》に成功するもここでこちらの土地ストップ。たまらず《鏡割りの寓話》を繰り出すが、お相手5ターン目の《絶望招来》にもろハマるというプレミ(手札には《軽蔑な一撃》を握っている)。また土地が引けず、やむなく《知識の渇望》をメインキャストから土地を引き込みセットするが、お相手2枚目の《黙示録、シェオルドレッド》の展開を許し、返しに《傲慢なジン》でプレッシャーをかけるも、返った相手の《ギックスの命令》にこちらがあてた《軽蔑な一撃》を《かき消し》され、万事休す。こちらが追加の《傲慢なジン》を出すも、唯一墓地に落ちた《傲慢なジン》を《死体鑑定人》で鑑定されつつ《勢団の銀行破り》が搭乗しライフに圧力をかけられ敗戦。

3G目 先に仕掛けたのは相手の《税血の収穫者》。これを通し《考慮》2回キャストにより《鏡割りの寓話》を探しに行くが見つからず。3ターン目の終わりに《考慮》で引いてきた《衝動》でようやく《鏡割りの寓話》を引き、先ほどの5ターン目の返し《絶望招来》が頭にチラついたことから4ターン目で唱えると、お相手《否認》。返しにお相手が《鏡割りの寓話》と厳しい展開。余った1マナでゴブリントークンをバウンスし、トップに《鏡割りの寓話》が見えたことからそのまま引き込みこちらも《鏡割りの寓話》をキャスト。先ほどと違ってこちら《かき消し》を構えられているため返しの《絶望招来》はケアできている状況。
相手は《苦痛ある選定》でこちらのトークンを処理し、《税血の収穫者》でプレッシャーをかけ続ける。こちらは青行進を引き込み、手札の土地1枚をルーティングするもまたも土地。手札にあった《考慮》を放つもまたも土地。相手が《キキジキの鏡像》となった後は《勢団の銀行破り》→即起動でドロー→追加の《税血の収穫者》と展開。2ターン目から走られている《税血の収穫者》に削られ続けたライフも8。《考慮》から引いてきた《削剥》を《キキジキの鏡像》にあてるも、こちらの《キキジキの鏡像》は《税血の収穫者》で対処され、《勢団の銀行破り》に殴られ残りライフは4。さらに《絶望招来》を唱えてきたがこれには《軽蔑な一撃》。相手の手札は0に。

ここで《傲慢なジン》を引き込む。場に展開すると、相手は血トークンでルーティング後、またもや《絶望招来》。ここにはちょうどうまく《かき消し》がハマる。

とは言え状況は御覧の通りの厳しさ。もう次のドローで銀行破りを対処する札が引き込めると信じて、殴ってくる銀行破りに青行進を放つ。
引き込んだのは《兄弟仲の終焉》。…相手が《死体鑑定人》を引き続き入れてきたのと《勢団の銀行破り》が多いことを理由に1枚残していたものだったが、ここで赤マナが足りなかったことでうてず。
とりあえず殴って相手のライフは一気に10。あとワンパン。警戒してくれて相手が殴ってこないことを祈るが…祈り届かず殴られ敗戦。
見返してみると、赤マナをもう1つおけるタイミングは2度ほどあって、《兄弟仲の終焉》をうてる余力を残しておくためにも置いておくべきであったと考えられる。それでも厳しい展開であったことには違いないが。また、2ターン目に走ってきた《税血の収穫者》を《かき消し》、少なくともバウンスすべきであったと反省。テンポデッキながらこちらがテンポを逸しすぎた。

4R グリクシスミッド

1G目 お相手先手の《勢団の銀行破り》を《削剥》する悪くない展開ながら、《税血の収穫者》、《死体鑑定人》でビートされてしまう展開。こちらは《下支え》を引いたりと不要牌とカウンターが腐る中、ビートを進められ、《知識の渇望》で有効牌を探すもそこに《否認》、相手の《絶望招来》といった大振りのアクションはカウンターするもクリーチャーが止められず敗戦。

2G目 こちら先手3ターン目に《鏡割りの寓話》が唱えられる状況も相手がカウンターを構えているように見えたため見送ると、返しにバニラの《死体鑑定人》を展開。その返しに《鏡割りの寓話》を出せば良かったものの、何を思ったか土地を置いてエンド。恐らく手札のカウンター2枚を構えたものだが、まさしくテンポを逸している。その後相手は追加のクリーチャーを展開し、殴られながらカウンターだけがたまり、ライフ1となりながらも《兄弟仲の終焉》で相手クリーチャーの一掃に成功する。そこからは《鏡割りの寓話》の連打、《知識の流れ》等こちらが有利に展開を進める。
しかし、相手も細かくクリーチャーでビートを続ける。こちらとしては《絶望招来》を許せば即負けの状況でカウンターを握らざるをえず、ゲームも長くなり相手の《剃刀鞭の人体改造機》も6マナで返ってこれるようになってしまう厳しい状況。
そんな中、《傲慢なジン》を引き込みゲームを決めれそうな展開に近づけるも、不用意なアタックを行ってしまい、そのままブロッカーが足りず敗戦。

4.反省

振り返ってみると、ただただプレイミスをしてしまっているだけのことに気づかされる。残りラウンドの敗戦は見ないと思っていた《墓地の侵入者》4積みラクドスアグロにあたり、兵士は逆にテンポよくカウンター(《交渉団の保護》4積み)されてしまい負けてしまった。

デッキ自体には満足しているだけに後悔の念は大きい。それでも自身で作ったデッキで健闘できたこと自体は成長につながる内容だったと前向きに捉え、今後の糧にしていくこととしたい。

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