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草鍋、つよし。リマスター版

からし醤油で食べる、野菜満載のあっさりヘルシー鍋。

2020.04.26追記 今晩この鍋を久しぶりに作って食べました。いやーやっぱりおいしい。以前記事にしたときにあんまり写真がおいしそうに撮れなかったという忸怩たる思いがあったので、今回再撮影のうえ、再掲します。

急に朝晩冷え込むようになってきて、鍋料理が恋しい季節の到来ですね。

でもまあ考えたらとっくに10月中旬(初出は去年10月15日)、暦の上では秋たけなわというところで、何もおかしくないんだろうけど、自分の中の季節感がなかなか追いつかなくてちょっと戸惑ったりしている。

さて、こんな時期、我が家では待ってましたとばかりに食卓に上る「草鍋」という鍋がある。若い頃仕事の師匠に連れられて行ったちゃんこ鍋の店で初めて口にして衝撃を受け、それ以来せっせと毎冬のように再現している定番鍋だ。

どういう料理かというと、とにかく草を食べる鍋である。

大阪の方ならご存じかもしれないが、そのお店は大阪・西九条にあった「小川下(こかげ)」という店で、ご主人夫婦がご高齢のため、惜しまれつつも閉店してしまった(同じ場所に今も「喜太呂」という名前で、妹さん夫婦が味を受け継いでいるらしい)。

作り方はいたって簡単、かつ材料はいたってチープ、めっちゃくちゃ簡単、さらにヘルシーで、おおよそ力士御用達のちゃんこ鍋のいちジャンルとは思えない。残念ながらSNS映えする見た目とはお世辞にも言えないので、若い女性の間でバズることは今後もまずないと思うけれど、しみじみおいしく、しかも鍋底をさらう勢いで完食しても罪悪感が全くない、ノーギルティ鍋である。

レシピはおおよそ以下のとおり。

<材料(2〜3人前)> 
豚肉(切り落とし)・・・150〜200g(ひとり50〜100g見当) 
シロナ・・・1把(3〜5本) 
モヤシ・・・1パック 
ニラ・・・1/2パック(30本ぐらい) 
木綿豆腐・・・1/2丁 
春雨・・・適量
<調味料>
醤油、ねりからし ・・・適宜(後述)

シロナという野菜の名前に馴染みのない方もいらっしゃるかもしれない。かつて「小川下」のご主人が客にこの野菜は何ですかと問われて「大阪のその辺に生えてる草や」と言ったとか言わないとかいうエピソードがあるが、あながち間違いでもなく、昔から大阪近郊で生産、消費されている「なにわ野菜」のひとつで、アブラナ科の草である。手に入りにくい方は小松菜あるいは水菜など菜っ葉系で代替してください。でもシロナのほどよい苦みとシャキシャキ感がベストです。

作り方はもう何も特に難しいことはない。

1)ニラやシロナ、豆腐、豚肉を食べやすい大きさに切る
2)お出汁(カツオ昆布。粉末でいいです)に具材を全投入、全火力集中砲火で一気に煮る
 ※鍋の深さの倍ぐらいこんもりと野菜を盛ってください 
 ご心配なく、いずれしんなりしてきます 
 ニラはすぐ火が通るので食べる直前に入れた方がいいかも

ちょっと変わっていると言えば食べ方で、作り方を見てもわかるとおり、この鍋には全く味つけがされていないので、各自味つけをしながら食べるという点。椀にねりからしと醤油を溶き、出汁で好みの濃さに調節して、野菜に火が通るや否や、いやちょっと生? ぐらいのタイミングで、大きな口を開けて貪り食うのだ。

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とにかく楽しいのが口じゅうに広がるシャキシャキ感。「ああ今、俺草食ってるなあ」というナゾの充実感がたまらない。ときおりめぐり合う、豚肉とからし醤油との相性はいうまでもない。あっという間に食べてしまうが、心地よい満腹感なのに胃の重たさは全く感じない。むしろデトックス感がすごい。

小川下のオリジナル草鍋は煮込む時に豚肉近辺に一味唐辛子を軽く振っていた記憶があるが、まあ省略してもよいと思うし、あればちょっと寒い時期にはよりいっそう身体が温まっていいかもしれないですね。

シメのお雑炊も、こんな簡単な鍋なのにどうしてなかなかしみじみ味わい深いものである。

昨夜もいただきました。うんまー。

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