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それは「焼くサラダ」。ふわとろお好み焼きの極意。

関西で毎日ごはんを作って食べるという暮らしはすなわち、我が家独自の「粉もん」の味とレシピを追究するという長い旅路を歩むことに他ならない。

自分は哀しいかな生粋の大阪人ではないのだが、大阪北部で育った妻と暮らすようになって、彼女の口に合うよう一心に日々研鑽を重ねてきた。食い倒れの街大阪では、お好み焼きも満足に焼けないようでは一人前の大人とはみなされないのである。いやほんまに。

この頃ようやく、これぞお好みのお好み焼き、というレシピの大枠が整ってきたのでここに開陳したい。材料はあえて書くまでもないが以下のとおり。

<ふわとろお好み焼き(一人前)>
キャベツ・・・1/6〜1/8玉
玉子・・・一個
お好み焼き粉・・・大さじ3〜4
牛乳・・・大さじ2〜3(お好みで)
豚肉とかそういう具・・・お好みで

まずキャベツは千切りにする。トンカツのつけ合わせかってぐらい細かく。茎に近い部分は特に薄く、繊維を断つように。下手くそなので粗いけど。

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お好み焼きの粉は極力少なく! イメージとしてはキャベツ全体がうっすら粉でまぶされさえすればOK。グルテン化を防ぐために、水は加えず粉だけをさっくりキャベツと混ぜ合わせる。キャベツを粉でサッとコーティングするイメージ。

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そこへ牛乳をひと回し

牛乳をお好み焼きに入れるのは少し違和感があるかもしれないが、妻がある日「そういえば蒼井優ちゃんの実家ではお好み焼きに牛乳入れるって、以前テレビで言っていたな」というのをトテッと思い出し、実践してみたらことのほか効果があったので採用。水を使うよりも全体にふっくらしてマイルドな味わいに……なる気がする。
気をつけたいのは、ここで混ぜすぎないこと。天地をひっくり返すぐらいの感覚で、数秒さっくりと菜箸で混ぜ合わせればOK。粉のままの部分があっても問題なし。むしろ粉のところを残す勢いで勇気を持って止める。

玉子を割り入れても、やはり混ぜすぎない。まんべんなく白身と黄身と粉を混ぜ合わせようなんて決して思っちゃダメ。とにかくさっくり、数回転混ぜればいいのである。心配ないさー。

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画像のように、粉っぽいところとか、黄色いところとかムラがあるが、これでよい。フライパンを熱して油を敷いたら、中弱火で焼く。膨らんでくるので中央をくぼませるのを忘れずに。

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ちょっとこの画像を見た限りではお好み焼きの最中には見えませんよね。
このぐらいキャベツが主張する生地の比率でイイんです

できれば何箇所か厚みのある部分に菜箸で穴を開けてやると
火の通りがよくなります(by妻)。

豚肉などを乗せる。

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このとき豚はなるべく一口大に切った方があとで食べやすい。画像みたいにめんどくさがって切り落としをベロンと乗せると、カリカリに焼いたあと端で切れなくなって食べにくいです。失敗。てへへ。

フライパンを揺すってみて生地が前後左右に動くようになり、端っこが焦げてきたらひっくり返しどき。このとき、お好み焼きだけを持ち上げてひっくり返すのではなく、フライ返しを差し込んだらフライパンごと持ち上げて、落下させるときに生地だけを回転させるようにすると比較的崩れずうまくひっくり返せます。

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あれだけ生地が少なくても、玉子がきちんと混ざっていなくても、キャベツ全体にまぶした粉が蒸気と熱のおかげでうまく全体をまとめてくれる。しかもぼってりせずふわっと軽い食感に。

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もう一度ひっくり返して、表に乗せた豚から出た脂や魚介の旨味などを裏の生地にもサッと1、2分吸わせてあげれば出来上がり。

画像9

あんまりおいしそうに撮れてないけど、キャベツがしんなりしてトロトロの食感に。なおかつ生地が少ないのでボッテリせず、ふわふわ。
罪悪感のないボリュームで中年以降の方の晩ごはんにオススメ。まさに焼くサラダって感覚です。

関西の人は皆目指すお好みの理想型がそれぞれなので、人によってはまったく受け付けないヘナチョコお好み焼きに仕上がっているかもしれないけど、今のところこれが我々夫婦の到達点。

お試しあれ!

ちなみに妻の好きなソースはオタフクお好みソース。
私はそこにツヅミいちじくソースを混ぜるのが好き。

この日実はお昼にもソース焼きそば食べたのに、夜は夜で平然とお好み焼きを食べてしまった。

青のり切れちゃった。買いに行かな。

2020.06.08追記 その後また違う方向性でお好み焼きを焼くようになりました。どっちが正解というものでもないだろうし、きっと西日本の特定の地域の人以外そこまでの情熱も興味もないだろうけど、よければこちらもご覧ください。

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