モロヘイヤ

モロヘイヤ記念日

「最近、葉物野菜を食べてないなと思って」と、妻がトテッとモロヘイヤを買ってきた(トテッと、というのは漫画家、得能史子さんの「ペリーさんちの、おきらく貧乏ごはん」で描かれていた「トテッと現象」からきていて、今までとくに気にも留めていなかった対象に別段何のきっかけもなく不意に興味を抱くこと)。

恥ずかしながら今までモロヘイヤを口にしたことがなかった。何となく先入観で、独特の風味と臭み、あるいは苦味、えぐみがあって「わーこれキラーイ」ってなるやつだと思っていた。

調べると、モロヘイヤというのはアラブ語で「王様の食べる野菜」という意味で、それはそれは栄養価が高いらしい。日本には昭和30年代から入ってきているようなので、自分が生まれるよりも前から市場に出回っていたことになる。なのに今まで手にとって見ることすらなかった。

先入観があったとはいえ、俄然こちらも興味が出てきた。タガメを食べるとかってなるとウェーってなるけど、相手は所詮草なのである。よし、食ったろうやないか。

さっそくクックパッドとかで調べると、葉っぱだけをサッと色が変わるぐらい湯がいて、包丁で細かく叩くと粘りが出てくるらしい。お好みの粘り加減でズルズル食べればいいらしい。非常に簡単。

刻み終わったのをまな板から一口すくって食べてみると、拍子抜けするぐらいクセがない。臭み、えぐみ、苦味、皆無である。たくさんできたので半分を鶏ガラスープの素とごま油でナムル風にし、半分を万能調味料めんつゆで和えて、冷奴に乗せて食べた。

いや何コレおいしいし。

こんなに簡単に調理できて、クセもなくいろんな味つけが合いそうで、しかも栄養価も高いなんて、まさに王様の食べる野菜。なぜ今まで見向きもしなかったのかしら。

つくづく、食べず嫌いはよくない、という話ですね。

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