ドライなキーマにしてくれ
キーマカレー、ラタトゥイユ、ミネストローネは野菜がちょっとずついろいろ余っているときに活用できるメニュー・ベスト3だと言っても過言ではないと思う(あくまで個人の感想です)。
世の数多のオッサンの例にもれずワタクシもカレーが好きで、スパイスカレーもビリヤニも、キーマカレーもこよなく愛している。
今夜も甘長唐辛子、タマネギ、にんじん、プチトマトなどを使って素早くキーマカレーをキメた。もちろん市販のルウなんか使わない。さっくり書くとレシピはこんな感じである(2人分)。全くの門前の小僧、見よう見まねというかほとんど妄想でたどり着いた作り方なので、間違ってたらごめんなさい。
・ひき肉(鶏・豚・牛・合挽き 何でも可)→一人50〜100gぐらい
・野菜=ピーマンの仲間→2〜4個、トマト→大1個、タマネギ→1個
他はぶっちゃけあなた次第→好きなだけ(適量)
・ニンニク、生姜→一片
・唐辛子→一本
・無塩バター→ひとかけ
・ヨーグルト(無糖)→大さじ3
・必須スパイス=カルダモン、コリアンダー、クミン、ターメリック
(ただしそこまでやる気のない人はカレー粉があればOK)
・あったらいいスパイス=マスタードシード、フェンネル、シナモン、
などなど(まだまだ勉強中)
・最終兵器=カレー粉、トマトケチャップ、ソースなど
手近にある調味料
・塩コショウ→常識の範囲内で
1)基本、野菜はみじん切り。ニンニクと生姜は細かく刻む。唐辛子は輪切りに。
2)鍋に油を熱し、クミン、マスタードなどシード系のスパイスを炒める。香りが立ってきたらニンニク、生姜、唐辛子を加え、サッと熱する。
3)ひき肉を炒める。ここで下味として塩コショウしてもよい。
4)タマネギ、にんじんなどを加えて炒める。
5)トマトを加え、トマトが潰れてドロッとしてきたらバター、ヨーグルトを加え一煮立ちさせる。
6)ピーマンを忘れていたので入れる(うそ。あんまり早くに入れると色が悪くなるので後の方に入れます)。
7)スパイス諸々をテキトーに入れる。ターメリック、カルダモン、コリアンダーは各小さじ1以上入れてもだいじょうぶ(2019.08.23追記 小さじ1はちょっと多いかも……まあでも1〜2つまみでは絶対足りません)。
8)いい感じに各具材が一体になってくるまで煮たら完成。味見して、どうも上手くいかなかったと感じるときはめげずに、しれっと最終兵器で調整してください。だいたいカレー粉とトマトケチャップがあれば何とかなります。じゃあそもそもスパイス揃えなくていいじゃん、という貴方。その通りです。完全に趣味でやってますので苦痛に感じる人はカレー粉で代用してください。
お店で食べるエッジの立った風味のキーマカレーが作りたいんだけど、どうしてもどっか家庭風に仕上がってしまって、良くも悪くもスパイスのバランスを冒険できてないところが現状の課題。でもまあまあ食べられるものには仕上がります。
だいたい料理なんて、苦痛に感じるほど頑張らなくていいのだ。
でもおいしくする秘訣はやっぱりあって、バターとかヨーグルトとか、乳脂肪系のエッセンスはあったほうがいいです。インド人の料理動画をYouTubeなどで見てると、引くぐらいバターとかギイとか入れてます。スパイスの香りに対してコクの部分を補ってくれると思います。
食べ終わった後、偶然にもテレビでドライカレーの特集を放送しており、それを観ていた妻が「ねえドライカレーとキーマカレーて何が違うん?」と訊いてきた。そう言われれば考えたこともなかった。
調べると、キーマカレーのキーマはヒンディー語あるいはウルドゥー語で「挽肉」を意味するのであり、キーマカレー=挽肉を使ったカレーの意。挽肉を使ってさえいればルウがシャバシャバでもドロドロでもキーマカレー。
一方ドライカレーとは日本独自の命名で、20世紀初頭、日本郵船の料理人が船員に精のつくものを食べさせたいと考案したと言われている。ルウがドロッとしていないことからドライカレーと名づけたらしく、具としては挽肉ではなく当初は牛肉の塊を細かくさいの目に切っていたようだ。
ことほどさように、材料名からくる定義がキーマ、出来上がりの状態からくる定義がドライカレー、である。
しかしややこしいのは、カレー風味の炒飯ぽいものも、ピラフっぽい(今流行りのビリヤニっぽいとも)ものも全てルウがないから「ドライカレー」と呼んでしまっていることであり、この炒め系、炊き込み系のドライカレー二者に関しては残念ながらはっきりとしたルーツ(発祥の店など)が不明のようだ。
またしても真相は過去のドサクサの中に消え去り、永遠につかむことはできなさそうである。
個人的には挽肉のモッタリした具が乗ってるのはキーマカレー、ドライカレーといえば黄色いカレー炒飯みたいなのを思い浮かべるが、人によってはキーマ=ドライカレーだったりするから論争が絶えない。
「ドライキーマカレー」なるルウを売っていて、余計に事態をややこしくしているメーカーもあるぐらいだ。
時間が許せばもう少し掘り下げて調べてみたい。もはや国民食とさえ言えるカレーなのに、こんな曖昧な定義がまかり通っているところが、いかにもこの国の国民性という気さえする。
キーマとドライの定義もそうだけど、ときにスパイスカレーってジャンル名違和感ないですか? カレーにスパイス入ってるの当たり前でしょ。言うなれば味噌味噌汁みたいなことになってませんか?
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